黄色い拍子木

たまのをよたえなばたえねながらへば しのぶることのよわりもぞする

「H」から見えるのは闇い海

2007-07-07 23:58:53 | Weblog
ここのところ毎月のようにある東京出張ですが、今回は
初めて飛行機で行って来ました。スカイマークであれば
新幹線よりも随分と安く、経費で処理してもなんら問題が
無いことが判明したからです。

金曜日は仕事でそのまま友人宅に泊めて頂き、土曜日は
別の友人と久しぶりの再会でした。表参道ヒルズや
六本木ヒルズ、あと秋葉原と脈絡無くウロウロして
いました。六本木ヒルズでは展望台にまで登ったり。
ガスっていたので遠くの景色は今ひとつでしたが、
眼下に広がる東京は無機質で躍動的で、故に有機的な
印象がありました、相変わらず。満ち満ちたるエネルギー。

早めに空港に向かい、窓際の席を確保することが出来ました。
飛行機から眺める神戸の夜景は本当に美しいのです。

JALの搭乗カウンター前を通ると七夕の飾りつけと、短冊を
書くための長机がありました。明日の仙台行きの飛行機で
七夕の神社に奉納するとの事でしたので、私もひとつ願い事。
叶えば嬉しいし、叶わなくとも変わらない毎日が続く願い事。
短冊を書くのなんて何年ぶりでしょうか。新鮮な感触を
感じられただけでも価値があります。

自分用のお土産を買って、あとは飛行機に乗り込むだけです。
土曜日の最終便は乗客も少なく、エアコンから零れる冷気が
ヒタヒタと出発ロビーを浸しています。乗機もスムースで、
あっという間に終わってしまいました。

窓から見えるのは暗いコンクリートと誘導灯。ニュートンに
載っている銀河の想像図のようです。瞬間、宇宙にいるように
感じますが、ターミナルビルの明かりが現実に引き戻します。

離陸、はるかに花火が一輪。

夜の飛行機に一人で乗るなんて、孤独の極みです。つまり、
私以外には誰もいないのです。私の世界に。ですから、色々な
事を考えてしまうのです。色々な・・・たとえば家族のことや
恋人であった人のこと、友人のことと自分のこと。死ぬことと
生きること。生きないことと死なないこと。

1時間なんてあっという間でなのですよ。
私、すっかり忘れていたのですが、「H」席は窓際でも
淡路島側なのですよ。窓の外には漁り火を炊く船が闇い海に
点、点としています。神戸空港まであと数分。内包された東京の
空気が零れ漏れるまで、後数分。
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reactor's action

2007-07-07 22:43:14 | Weblog
お葬式は素直に悲しいと思えるのに、
結婚式は素直に嬉しいと思えないときがあるのです。

私は色々、あまりにも近い距離で見聞きしてしまったの
かも知れません。刻印は一生消えないのです。皮膚が
生まれ変わろうとも。
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