Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

Vittoria Pista EVO 赤いバルブの構造とパンクの原因

2017-09-11 20:18:01 | ホイール
先日走行距離の少ない Vittoria ビットリアのチューブラータイヤを保管していたら
空気が抜ける不具合が起りました 赤い色のバルブの構造とパンクの原因を調べてみました





私が使っているトラックレーサーです このホイールに装着してあるビットリアのタイヤの空気が
抜ける症状が出ました その原因を調べてみます






リアホイールのタイヤの不具合です ホイールを外す為に
倒立台を使います






タイヤは Vittoria PISTA EVO CS 新しいタイヤを貼って
自転車競技場を 150周 60km 程度の走行距離です
バルブは赤色のタイプで タイヤのサイドにすだれが出来ています






トラックホイールのハブにはナットが使われています
これには前後共 15mm のレンチを使います







レンチを使いナットを緩めます ※ 正ネジです






左右のナットを緩め 車輪を前に送りチェーンを緩めます
チェーンを前の大ギアから外します






ホイールを後ろに引くとホイールが外れます






タイヤはリムセメントを使って貼っています
タイヤを外しますが良く引っ付いています






何処か少しでも作業のし易い場所を探し マイナスドライバーを
差し込みました この後タイヤとリムに無理をさせない様に
ゆっくりとタイヤを剥して行きます






この様な状態でリムセメントが効いています SOYO の
金リム用 白セメントです




有る程度剥がれると手を使う方が良いですね






タイヤが外れました 跡を見るとリムセメントも良く付いています




チューブラータイヤを使い捨てだと言うショップや net で配信している
所も有り それを信じている人が居る様ですが チューブラータイヤは
パンク修理をして使う事が出来ます その為にタイヤを傷めない様、
丁寧に剥しています




さて外したタイヤを持って整備テーブルの方に来ました






Vittoria PISTA EVO CS 22mm 巾 実測 154g のタイヤで
赤いバルブが使われています このバルブのコア(弁)は
外せませんが 赤い部分は取り外す事が出来ます




バルブの構造



バルブを取り外してみましょう この様な工具を使います
バルブの赤い部分の先端は小判型の形状をしています




そこに工具を使いバルブを緩めます この時バルブの根元を指で
保持し、チューブに無理をさせない気遣いは必要です






やや手応えを感じながらバルブが外れました 赤い方は
メスネジ タイヤ本体側にはオスネジが使われています
黒い物は空気漏れを防ぐパッキンです






このバルブの締め込みから空気が漏れる不具合も有る様で
私の友人達も経験しています ここに設備配管等で使う
シールテープを巻いてバルブ部分の不具合のチェックを
行ってみます




バルブを確実に取り付けました






空気を入れて水調べをします どうもバルブ部分ではなさそです
触っている間に空気の漏れ方が酷くなって来ました




では次の確認です タイヤの中のチューブの状態を
見てみましょう これからの作業はパンク修理の時も
同様に行う作業です






チューブラータイヤの内側、リムの接着面には布が貼って有ります
一般的にフンドシと呼びますがそれを破らない様、丁寧に剥します






フンドシを必要分剥しました 一ヶ所ハサミで切って
縁を切ってしまいます 一旦剥すとフンドシが伸びて
元の様に復旧出来ないのでパンク修理の時も同様にします




フンドシを剥すとタイヤの縫い目が見えます
中にチューブが入っていますがタイヤを縫う事で
高い空気圧にも耐える事が出来ます
15kgf/cm2 程度の空気圧で使う事も有ります






中を見てみましょう カッターで縫い目の糸を切って行きます
タイヤの中のものに傷を付けない様 細心の注意が必要です






タイヤの表面の糸だけ切ってタイヤを開けました






糸の切り屑も取り 中を見てみます 白い物が見えます






この白い物は中のチューブを保護する為の布です
これもタイヤに縫い付けて有るので糸を切ります
最近は少し重く丈夫なチューブを使ったタイヤでは
この布が使われていない物も有ります




これでチューブが引き出せます そっと引っ張り出します






パンクの箇所は概ねバルブ付近との見当を付けていました
シャープペンシルの先の所に穴が開いています 
丁度バルブの補強がされている部分とチューブ一枚の
薄い部分との境目です




ロードバイクや一般車の WO のチューブではたまに
見る不具合ですが チューブラータイヤでは初めて見ます
どうしてタイヤの内側でこんな状態になるのか不思議です






空気の漏れ方から他にも穴が有るはずです・・・
バルブの反対側に有りました こちらは避けています




こちらの不具合はおそらく何度もバルブを触っている間に
不具合が大きくなって行ったんだと思います 裂けてしまう
前の状態が見たかったですね






外から見てタイヤのサイドにすだれが出来ていました
これの内側はどうなっているのでしょう






すだれはバルブの両サイドとも中まで進んでいます
こうなるとまだ脹らんではいませんが、競技場を走る
トラックレーサーでは使わない方が良いですね
何時破裂してもおかしく有りません



パンクの場所



今回チューブに不具合が有った場所はいずれもバルブ付近で
トレッドの逆側、タイヤの内側でした チューブラータイヤを使い
50 年程の経験が有りますが、今回の状態は始めて見ました




修理

今回チューブの穴を確認しましたが そこは通常のチューブと
同じ様にパッチを貼り穴を塞ぎます その後修理用の糸を使い
タイヤを元の様に縫い付けます そうする事でタイヤは使う事が
出来ます、ただパンクを直したタイヤは練習用やスペアにするのが
普通です





今回のタイヤはそれなりに気を使いながら保管をしていましたので空気が抜けると言う事が
不思議でした 加えケーシングにすだれが出来ていたのにも驚きが有りました 空気が抜ける
原因はチューブに有ったと言う事は解りましたが どうしてあそこが? と言う思いは残ります
いずれにしろ軽量タイヤの扱いは慎重に行わなければいけませんね

今回のタイヤはパンクを直してもそのまま使えないですから 親子タイヤの中に使うのに
丁度良いですね 【 チューブラー 親子タイヤ制作 】

コメント (4)
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