Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

ホイール組み イタリアン 8本組

2013-02-02 20:23:43 | ホイール
友人より依頼された決戦用の手組みホイールですが 使い手の希望に
少しでも近づく様に気持ちを込めて組みましょう 今回は前後共タンジェント
イタリアンの 4クロス 8本組で進めて行きます





今回のホイールは友人が競輪競走で使うもの その為の部品も用意されています
これらの部品を使い タンジェントのイタリアン、8本組で仕上げて行きます

イタリアン、JIS組みの違いは先日の記事で紹介していますので 又後で
確認してみて下さい 【 ホイル JIS組みとイタリアンの違い 】




今回のホイール組みの依頼は 現役競輪選手
彼達が競走で使える部品は NJSで認可され
NJSの刻印が入った物だけです

使うリムは ARAYA 16B GOLD 36穴でアラヤの
資料では 335gです






リムのニップルホールにはハトメが付いています




リムのジョイントはスリーブ工法です




ハブは SHIMANO DURA-ACE HB-7600 ラージの
36穴で 巾は前 100mm 後ろ 120mmの両切りを用意






スポークは HOSHI 星のステンレス段付き 15/16番
サイズは 305mm この長さは定番ですね






ニップルは真鍮 ニップル回しと有れば便利なワッシャー
スポークを保持するプライヤーと CRC 5-56 を用意して
います




では組んで行きましょう

今回両切りのハブを用意していますが 現実的には
競走で使うのは片側だけです 依ってこのロックリングを
付けている方をギア側とし解説して行きます

片側しか使わないのにどうして両切りハブを使うのかは
また改めて解説しましょう






ギア側を上にし まずギア側のスポーク穴へスポークを
通して行きます 穴は一個おきに使います






便宜上、上と表現します 上のフランジ穴にスポークを
通し終えましたが 下のフランジの穴とはこの写真の様に
半個分 穴の位置がずれています



 
次に下のフランジ穴へスポークを通しますが 左の写真の位置へ上からスポークを通すと
【 JIS組み 】 右の写真の位置へスポークを通すと 【 イタリアン 】になります




今回はイタリアンで組むのでこの様にスポークを
通します




ここでハブを天地逆にし ノンギアサイドを上にします






そして空いているスポーク穴へ全てスポークを通します
これでスポークを通し終わりました






ここからスポークの綾取りを始めましょう
片方のフランジのスポークは何かでまとめておけば
次の作業がし易いですよ 私は適当な大きさの
ワッシャーを使っています






これは必ず必要な作業では有りませんが ニップルの
ビニール袋へ CRC 5-56を吹き付け シェイクしておきます
これはニップルとスポークのネジがかじり付くのを回避し
ニップルとハトメの摩擦を軽減する為です

ホイールの触れ取りが完了するまでに必要な潤滑剤なので
それ以降乾燥の早い 粘度の低いオイルを使うのが良いでしょう




スポークのネジ部にも軽く一吹き・・・






ハブのギア側を上にします それに対しリムは
ラベルの方向に拘りが有るなら 自分の好みの
方向へ合わせば良いですね






スポークの綾取りは リムのバルブ穴の所から始めます

※ ここで絶対に守る事、 リムのニップル穴は一つ置きに
左右にオフセットされています(この写真では上下になる)
それに従い ハブの右側フランジのスポークは右に振られた
穴を使います

※綾取り、 右側のフランジの外側のスポークを一本
右手に持ち そこから左へ 8本目のスポーク フランジの
内側のスポークを左手で持ち交差させます これが 8本組の
基本です






フランジ上(外)のスポークと左へ 8本目(間には 6本)の
下側(内側)のスポークを交差 
※ 交差部分で上下を入れ替えています




交差させた フランジの下側(内)のスポークを
バルブ穴の左側のニップル穴へ入れます




片方のスポークはそこから左へ二つ目のニップル穴を
使います 間には一つニップル穴を空けています
この段階でニップルは落ちない程度に、ねじ込んで
おけば良いですね




この後、今使ったスポークの隣のスポークを同じ様に
交差させ作業を繰り返します






片方のスポーキングが終わったので ホイールを
裏返します 裏側のスポークも先程とする事は一緒です 
まずバルブの横のニップル穴から始めましょう 

スポークを通した時ハブの穴が半個分ずれていると言いましたが 
それを頭に置いてスポークを眺めると バルブの横に持って行くには
どのスポークを交差させれば良いか解ると思います ここで選んだ
スポークが間違っていても気にしなくて良いですよ その時は上手く
納まりませんから違う物を選び直せば良いですね






私がバルブ部分に拘るのは これはホイールの性能に
関係の無い事ですが リムのニップル穴は均等ですが
スポークの角度に依りその間が広い所と狭い部分が出来ます

この広い所にバルブ穴を持って来るのが基本です これは
空気を入れ易くする為です 絶対に必要な事では有りませんが
基本は守った方が良いですね

今回私が紹介した手順で組めば スポーク間の広い部分に
バルブ穴が来るはずです




バルブ穴から覗けばハブの胴が見えます ここからメーカーの
ロゴ等が見える様にするなど 拘りや好みが有るなら、一番
最初の段階でそれを考えながら作業を進めて下さい

少し長い記事になってきました スポークの綾取りは
始めてすると難しく感じるかと思いますが 一度自分で
経験すればそれ程でもないでしょう とにかく自分で
やってみる それが大切だと思います





綾取りが終わったホイールのハブ部分 何回かに別けホイールに関する事をご紹介しました
この写真は前輪ですがこれを後輪と仮定するなら イタリアンの 8本組で組んだ、この写真の
ハブは左右どちら側でしょう 記事を思い出し考えてみて下さい


ホイール組みを私が覚えた頃は 今ほど書籍も無く教えてくれる人も居ない、ホイールの
現物を見ながら組み それを自転車屋のおやじさんに見てもらい ここ間違っているよと
言われまた組み直す それを何回か繰り返してやっと完成したホイールでしたが お陰で
そうして覚えた事はもう忘れる事は無いですね  皆さんも頑張ろうか(笑)

前回の記事 【 ホイール JIS組みとイタリアンの違い 】

次の作業 【 ホイールの振れ取り作業 】

コメント (2)
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