真面子の社会観察日記

社会で起きている様々なできごとを真面目に言いたい放題!

アメイジンググレイス

2012年03月27日 | Weblog
賛美歌アメイジンググレイス、邦題は「驚くばかりの恵みありき」を一度ならずも何度も耳にしたことがあると思う。それほど、この賛美歌は世界的に有名でクリスチャンで無くても口ずさめるだろうと思う。ただ、この賛美歌が作られた背景を知る人は少ないのでないかと思う。

偶然、このDVDを観た。なんとイギリスの奴隷貿易廃止に貢献したウィリアム・ウィルバーフォースの半生を描いた先品だった。映画のタイトルは、奴隷船の船長だったジョン・ニュートンが作詞した賛美歌「アメイジング・グレイス」から採られており、映画はニュートンがウィルバーフォースに与えた影響についても描いていた。

賛美歌「アメイジング・グレイス」は、特にアメリカで愛唱され、またバグパイプでも演奏される。作詞者はジョン・ニュートン で作曲者は不詳。ジョンは、さまざまな船を渡り歩くうちに黒人奴隷を輸送する「奴隷貿易」に手を染め巨万の富を得るようになった。

1755年、ジョンは病気を理由に船を降り、勉学と多額の寄付を重ねて牧師となった。そして1772年、「アメイジング・グレイス」が生まれた。この曲には、黒人奴隷貿易に関わったことに対する深い悔恨と、それにも関わらず赦しを与えた神の愛に対する感謝が込められているといわれている。

当時奴隷として拉致された黒人への扱いは家畜以下であり、輸送に用いられる船内の衛生環境は劣悪であった。このため多くの者が輸送先に到着する前に感染症や脱水症状、栄養失調などの原因で死亡したといわれている。この様子が映画の中で詳細に語られ、人間が品物として取引されていた当時の奴隷船のことが良く分かる。

この作品は、2006年9月16日、トロント国際映画祭のクロージング作品として初上映され、イギリスとアメリカではイギリス議会が奴隷貿易を廃止してからおよそ200年にあたる2007年2月から3月にかけて公開されたのだそうだ。

歴史を知る上で一度は観ておくと良い映画だと思う。
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