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真面子の社会観察日記

社会で起きている様々なできごとを真面目に言いたい放題!

旅館で泊食分離

2025年04月16日 | Weblog
今は温泉ブームという事もあって、人気の宿泊先といえば、温泉旅館だが、食事を付けない”素泊まり”を選ぶお客さんが増えているそうだ。インバウンドのお客様が増えるほど素泊まりが増えているとのことだ。

旅館業界にとっては”食事ナシ”のプランを売り出すことは、人手不足でも稼働率を上げる工夫となり、まさに泊食分離は旅館とお客さんにとってウィンウィンらしい。確かに旅館で豪華な食事をしなくても、一歩外に出てその街の名物を食べ歩くのも魅力かもしれない。

ただし、街の受け入れ態勢や雰囲気が、夕食を外で食べてもいいような温泉街になっていて、街の魅力ができていないと素泊まりの魅力もない。

1泊2食付きが当たり前だった有馬温泉で、今、素泊まり限定の宿が生まれているのだ。部屋に風呂はなく、シャワールームだけ。歩いて1分の場所にある上大坊の温泉に無料で入ることができる。他の外湯も徒歩圏内にあり、部屋にある浴衣や下駄を身に着けて、温泉街の風情を楽しむこともできるのだ。

2024年は約20%の宿泊客が朝食付き、約25%が素泊まりのプランを選び、約45%が夕食を宿で取らなかったことになる。 2023年までは素泊まり率が15%だったので、わずか1年で”夕食ナシ”のお客さんの割合は3倍に急増している。

価格設定は季節によって変わるが、1泊2食付きは約3万円、朝食付きが約1万7千円。素泊まりは1万から1万5千円ほど。この価格差が旅館で夕食をとらない主な理由になっているらしい。

2025年1月の帝国データバンクの調査では、旅館・ホテル業の企業で正社員が不足していると回答した割合は60.2%(業界別10位)、非正社員が不足していると回答した割合は50.0%(業界別7位)に達している。

つまり、旅館やホテルでは、”夕食ナシ”のプランを売り出すことで、調理や配膳などの人手がかからず、従業員の人繰りに余裕が生まれたり、休みを取りやすくなったりといったプラスの効果が現れているそうだ。

泊食分離が進めば、街も潤うし、もっと気楽に旅館に宿泊し、宿泊客も自由に旅先の名物を食べる事もできる。ただし、高齢者にとっては、旅館で提供される豪華な部屋の夕食は、非日常を楽しむものでもあるので、食事付きと食事なしの旅館が今後は大きく分かれ、より鮮明な棲み分けが起こるだろうと思う。

安価で旅館に泊まれれば、旅行にも行きやすくなるから私は大歓迎だ。食事付き旅館って、少し敷居が高いと思っているところもある。他方、地のモノを使った豪華な食事も食事付き旅館の魅力であることも間違いがない。


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