高齢化社会の日本は、高齢者を街中で見かけることが多くなった。特に午前中は、カートや杖をついたご高齢者が一様に帽子を被りゆっくりと歩いている姿を見かける。女性の高齢者のおひとり様暮らしの方が多くなっていることがよくわかる。
一人暮らしの友人男性が、熱中症と脱水症と何かもう一つの病気で急遽入院していた。血液検査で肝臓、腎臓の数値が尋常ではなかったそうだ。一人暮らしは健康なら問題ないのだが。
これはスペインでの話だが、「ひとり時間」の大切さや「孤独」との決定的な違い、「ひとり時間を楽しむ方法」、「自分のためだけの時間」をもつ勇気なという記事を読んだ。
その方が実践している方法を5つご紹介していた。
1.お気に入りのカフェで席を決める
その席に座るだけで心がほぐれる「自分の定位置」を持つと、安心感が生まれる。
2.景色や音を意識して味わう
窓の外の日差しの色、通りを歩く犬の足音、カップを置く音、五感で受け取る日常は、ひとり時間が豊かになる。
3.あえて寄り道を許す
用事のついでに小道へ入る、見つけたベンチでひと休みする、予定外の時間をあえてつくることで、思わぬ空気が身体に流れる。
4.小さなぜいたくをする
気になっていたチョコを買ってみる、季節の花を一輪だけ飾る、本来なくても生活できるものに意識を向けると、満ちるものを感じ、心が落ち着く。
5.SNSにのせない「自分だけの記憶」を持つ
写真や動画に残さず、心の中だけにしまう瞬間。私だけのその時間は、価値がぐっと上がり、気持ちが少し温まる。
「孤独」と「ひとりで過ごす」ことを同じもののように感じていた。でも、スペインの人たちを見ていると、この2つには決定的な違いがあることに気づく。 「孤独」は、欠けている感覚。だれかとの繋がりがないことによる、どこか寂しさや不安が中心にあるのではと思います。
それに対して、「ひとりで過ごす」は、満ちている感覚。自分との時間を心地よく過ごす力があって、そこに寂しさはありません。 そして、その違いを決めるのは、周りからどう見られているかではなく、自分がその時間をどう感じているか。
スペインでは「ひとりでいる=人に恵まれていない」という発想自体があまりないように思います。 ひとりでいる姿は、その人の成熟や自立の証のように見られることさえあり、自分時間を堂々と楽しむ、大人の風格すら感じます。「だれといるか」より「自分とどう過ごすか」のほうが、人生の彩りを決めるていることを強く思わされる環境です。
年齢を重ねた今だからこそ感じる「ひとり時間の価値」を見出したということだが、日本とは少し環境が違えども、いくつか取り入れることができると思う。
私も、ほとんど毎日、朝9時前にお気に入りのカフェに行き、朝食を摂り、決まった席で2時間くらい読書をする様にしている。今ではカフェのスタッフの方が顔を覚えてくださり、入店すると、いつもの席が空いていますよ、と声をかけてくださる様になった。
ひとりでいることは、決して寂しさの証ではなくて、「自分と過ごす時間」も同じくらい価値がある。自分を整え、深めるための大切な時間。心が満ちていれば、人にも自然と優しさや余裕があふれ出す。ひとりを誇れる人の強さとしなやかさは、自分を生きる美しさを教えてくれる風景でもある。
しかしである。それもこれも健康あってのことですよね。