木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

政党について(1)

2012-11-07 14:37:34 | 憲法学 憲法上の権利
本日は、ひさかたぶりに憲法の話題など。

先日、チャタレイさんから、ご質問をいただきました。
政党は、憲法上いかに位置づけるべきか?と。

これについてトリーペルという偉い学者さんが
憲法は政党を、はじめ敵視し、
やがて認め、最後は積極的に保護するに至る
と言ったということは多くの教科書にかいてあります。

ただ、なんで
敵視(ベジータ地球侵略)→許容(対フリーザ戦で協力)→擁護(ゴクウとフュージョン)と
まるでジャンプの漫画じゃん、と言う展開になるのか、
と言う点は、なんか、分かったような分からんような気がします。


で、これはどういうことかと言いますと、
議会と国民の関係が変化するということです。

その昔、マスメディアもなく、
経済的な生産能力が低くて
民衆の多くが余暇を持っていない時代、
政府を監視し、政策を議論する能力のある人は少数でした。

そんな時代の議会は、
政治に関する知識
(これは現在の量子力学の専門知識なみに
 マニアックな専門知識です)を持つ
専門家が集まって、忌憚なく議論して
政治的真理を発見する場でした。

今で言うと、物理学会や日本国文学大会に相当するといえるでしょう。

ここでは、個々の専門家が独立して自らの能力を発揮して
議論すべきだということになり、
政党なんて、二流政治家の作る徒党にすぎないわけです。

例えば、学会で、一流学者の議論を
二流学者が派閥作ってつぶしにかかったら、
ああ、なんて情けない、というかお前ら消えろ
と言われるでしょう。

これが憲法が政党を敵視する段階です。
                       (つづく)

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3 コメント

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Unknown (バックのハイボレー)
2012-11-07 20:46:18
>例えば、学会で、一流学者の議論を
二流学者が派閥作ってつぶしにかかったら、
ああ、なんて情けない、というかお前ら消えろ
と言われるでしょう。

先生方でもそういうことってあるんですかね、、、笑

現代政治は烏合の衆でも集まりゃ勝ち!
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Unknown (チャタレイ)
2012-11-08 08:49:47
さっそく記事にしていただきありがとうございます。

>敵視(ベジータ地球侵略)→許容(対フリーザ戦で協力)→擁護(ゴクウとフュージョン)

これは基本書に書くべきですね。読者の便宜のため、単行本の引用も不可欠でしょう。

先生のご説明で敵視の意味はよくわかりました。
「政党について(3)」くらいで判例の理解も進みそうな予感がしております。
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>みなさま (kimkimlr)
2012-11-11 11:05:34
>ハイボレーさま
学会の徒党は、理念的な話であり、
幸いなことに憲法学会の現状はそうした
漫画のような状況とはかけ離れております。
個人プレーが好きな人の集まりなので・・・。

>チャタレイさま
忙しくて更新が遅れ遅れですいません。

長い目で見守ってください。
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