木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

政党について(2)

2012-11-14 14:46:29 | 憲法学 憲法上の権利
お久しぶりです。
用事がどざざとあって、しばらく更新していませんでした。
すいません。

さて、政党なのですが、
そんなこともあって、最初のうちは
政党を結成することに対し否定的な国が多く、
フランスなどでは、結社をつくる事に刑罰を科していたりしたそうです。

まさに敵視。

しかし、敵視の段階は長くは続きません。

近代社会になり、
産業面でも情報流通面でも、社会の構造が変わってきて、
政治に参加する余裕のある経済力を持つ人が登場し、
新聞などの政治に関するメディアも発達してきました。

この段階に至ると、全国民ではないものの
かなりの数の人が政治に参加できるようになり、
それを求めるようになります。

議会が、
西洋法制史学会から、
日本SF大会になったような感じですね。

何万、何十万という数の人が政治に参加するようになると、
ある程度グループができることはやむを得なくなり、
また、政治的な議論も、各グループで
ナシまとめてからやることにしようや、と
政党を許容せざるを得なくなるわけです。

というわけで、積極的に支援するわけではないが、
弾圧するわけでもない、という態度になって、
政党が許容されるわけですね。

日本やドイツが近代憲法を作ったのは、
恐らく、これくらいの時期なので、
国家(憲法)が政党を敵視する段階というのは
明治憲法成立後の歴史を見ていると、
良く分からないですよね。

ただ、日本に政党敵視の時代がなかったか、というと
それはそうでもなく、

明治憲法=近代議会制の導入=政党という新しい政治アクターの承認を

どういうスピードで進めるか、
については、明治政府のなかで深刻な対立があった
というのは良く知られたお話しです。

というわけで、許容の段階にやってきたわけです。

そして、その後、メディアと経済の発達により
一般市民が政治アクターたり得る現代になると、
政治のイメージは、
少数の専門家が真理を探究する場、というものから、

「国民の意見」を反映する場というものに変わるわけです。

というわけで、次回はそんなお話しをしてみましょう。

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2 コメント

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本当なのかなぁという疑いを持つ必要性の有無 (山中博士に触発)
2012-11-15 13:16:52
トリューペルの四段階説は、世界史上、仏のみあてはまり、他の地域ではあてはまらないし、一般論としても狭い範囲ではないかと仮説をたてました。
社会科学が成り立っているかは別問題として、検証は困難かというと、?。アフリカ諸国は部族が政党。じゃ政党の定義は?民主主義の一部分のみ?イギリスは支配階級の貴族が政党?いや政党がないまま…。日本はカオスから容認そして敵視戦後容認?
四段階説はメモリみたいな考えなのでしょうか?
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>山中博士 (kimkimlr)
2012-11-18 19:37:24
こんにちは。
いろんなよみかたができるんでしょうね。
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