本と映画とアイドルと ~数少ない趣味の記録~

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【本2冊目-2012】アルキメデスは手を汚さない

2012-02-07 23:07:09 | -読書 2012
小峰元さんの江戸川乱歩賞受賞作『アルキメデスは手を汚さない』を読みました。


なぜこの小説を読んだかというと、東野圭吾さんが作家を目指すきっかけになった作品と言われているからです。

どこに魅力があったんだろうと気になり、手に取ってみました。


舞台は70年代の学園。

女子高生のお葬式から物語は始まります。

病いのために亡くなったと女子高生の父親は説明しますが、実際は中絶の手術中に命を落としています。

娘が残した「アルキメデス」という言葉を胸に、父親はなんとか娘の相手を探し出し、復讐を果たすことを誓います。

クラスメイトの中に相手がいるらしいことを知り、直接話を聞いて真実を突きとめようとしている最中、娘のクラスで毒殺未遂事件が起こります。

さらに、疑わしいと思われていた一人の男子生徒の姉の不倫相手が行方不明になるという事件が起こります。

一見すると関係なさそうな事件ではあるものの、この男子生徒の周辺で立て続けに事件が起こることに不審を抱いた刑事が真相を追究していき、最後には事件だけでなく、その背景となったものが明らかに。。。


この作品、学園ミステリーということですが、解説に書いてあるとおり、推理に重点を置いているというわけではありません。

時代を反映した若者の考え方、心の動きの描写に重きを置いているようです。

そういうこともあってか、あまり自分には合いませんでした。

当時と現在では若者の置かれている環境、そしてそこから生まれてくる文化や考え方などはもちろん違うわけです。

そういう意味で当時は共感する人も多かったでしょうけど、自分の心にはそれほど響きませんでした。

また、当時の時代背景や出版の意図を反映して本作発表時のままであるが故に、現在ではあまり好ましくないとされる表現が出てくる点も少し抵抗がありました。

若者の言葉遣いなども気になりましたが、これは綺麗事なのかもしれません。


正直に言えば、今現在の自分が読むには少し重かったかなという感想を持ちました。


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