WBS(ワールドビジネスサテライト)でこんなニュースがありました。
米 NFL ビジネス成功の背景(WBSホームページ)
アメリカで最も人気のあるスポーツとして有名なアメフトですが、スポーツで成功したビジネスモデルとして注目を集めているようです。それもそのはずで、もともと金額が大きいにもかかわらず、15年間で3倍も収入が増えているんだそうです。
NFLの試合は大学生のころに少し見てたことがあります。最初はルールがよくわからなかったのですが、何となくわかりだすと面白くなってきた記憶があります。選手はとても体格がよくて最初は「力のスポーツ」というイメージでしたが、試合を見ていくと「知的な戦略ゲーム」ということがわかりました。
このスポーツ自体が面白いと思うのですが、ビジネスで成功した秘訣はそれ以外にもあるようです。
その大原則が「各チームの戦力を均衡させること」。
ドラフト制度や収入の分配などを通じて、チームの戦力をバランスさせることで、どの試合も均衡したものになるように工夫しているとのこと。ワンサイドゲームにならないようにしているとも言えます。
これは「なるほど!」と思いました。
スポーツ自体が面白い上に、各試合が接戦でハラハラさせられれば、アメフト界全体が盛り上がるでしょうし、それが見事に収入という結果に現れています。
この制度、普通はなかなか受け入れがたいと思います。
チームを経営している人がいるわけで、その人はとにかく自分のチームを強くしたい。そうすれば自分のチームが人気になる。それが自分のチームの収入を押し上げる。
しかし、少なくともアメフト界の人は全体を押し上げるほうを選んでいるということになります。
モータースポーツでよい比較があります。
世界的に有名なF1と主にアメリカで人気のIndyCar。両者のうち、IndyCarはどちらかといえばアメフトの考えに近いかもしれません。
IndyCarのマシンはダラーラのワンメイク。タイヤはファイアストン。エンジンは今年はホンダとシボレーの2社。あとはセッティング勝負ということで、スタート地点は均衡しているわけです。
もちろんその中でも伝統があって強いチームがあるわけですが、各レースは誰が勝つかわかりません。特に今年は初勝利を得たドライバーが何人も出てきて、シリーズ全体が盛り上がっていると思います。
一方、F1はマシン開発から競争が始まるのでチーム力の差は如実に現れます。今のF1を見ても強いチームと弱いチームははっきりしています。レースを見ても、勝つチャンスがあるドライバーはIndyCarに比べると限られてきます。
じゃあF1はダメなのかというとそんなことはありません。
それぞれの仕組みに良さがあります。だから、どちらも見ているわけで。
構図として、チーム力の差があまりないほうが面白いとは思いますが、カリスマ的な強いチームがいて、そこに創意工夫で挑む他チーム、というのもありだと思います。野村監督が率いていたヤクルトのように…