本と映画とアイドルと ~数少ない趣味の記録~

本や映画、アイドルについてまとめた、作詞家「福田花音」推しによる、記録のためのブログです

本58冊目-2017|君の膵臓をたべたい

2017-12-13 16:31:26 | -読書 2017
クラスメイトである山内桜良の秘密を偶然知ってしまった主人公。

彼女は膵臓に病気を抱えていて、長くは生きられない。

クラスでも目立たない存在の主人公と明るく目立つ存在の桜良。

普通に生活していれば決して交わることのなかったであろう2人が秘密でつながり、そこから奇妙な関係が始まった。

桜良の強引さもありながら徐々に打ち解けていく2人。

しかし彼女たちに残された時間は長くはない-



話題になった小説で映画化もされているので、今さら解説はいらないでしょう。

正直、自分はあまりこの類の本を読みません。

ある時期から流行りだして今もよく映画化される、若者の恋愛を描いた携帯小説的なものだと思っていて、それは自分の好みでもないなと考えていたからです。

流行りものには乗りませんよ、というあまのじゃく的なところもありました(笑)


それがどうして読むことになったのか。

きっかけはハロドラです(笑)

道重さゆみさん、笠原桃奈ちゃん、川村文乃ちゃんの回のときにこの小説の話が出たんです。

そのときに「ラブストーリーとは思ってほしくない」とか「最後が意外だった」というキーワードが出てきて、うかつにもちょっと気になるなと思ってしまったのです。

(3:39あたりから)



というわけでとにもかくにも読んでみました。

その結果。

悔しいけれども思った以上に良かったんですよね、この作品。

たしかに単純なラブストーリーとは一味違うなと。

途中は「若いな~」とか「青春だね~」とかオジサンぽいことは思いましたよ(笑)


でもそれだけじゃなかったんですよね。

生きることについて考えさせられるというか。

会いたいと思ったときにその相手がいないと後悔するから会えるときに会っておこう、的な話はよくありますが、なかなか実行できなかったりします。

そうはいっても大丈夫でしょ、と心のどこかで安心していたり。

そんなだから、いざそういう場面がやってきたときにやっぱり後悔してしまうのでしょう。


最後のほうで主人公と桜良のお互いの印象が描かれていたところも良かったです。

自分は大したことがないと思っていても、他の人から見れば良いところはたくさんある。

そしてそれを認めてくれる人もきっといる。

そういうふうに考えることができていれば、辛いと思えることも乗り越えていけるのではないでしょうか。


最後が意外、というのはなるほどと思いました。

たしかに頭で思い描いていた結末とは違って虚を突かれた感じです。

こういうある種の騙された感じが小説のおもしろさでしょう。

そしてまた、生きることについて考えさせられる結末でもありました。


読み進めていくと止まらなくなるので、読み終わるのにそんなに時間はかかりません。

読まず嫌いの方も手に取ってみてはいかがでしょうか。

本57冊目-2017|カエルにキスをしろ!

2017-11-11 23:16:06 | -読書 2017
前回紹介した『カエルを食べてしまえ!』の続編です。

本書でいうカエルとは困難な出来事であり、それに対するネガティブな感情を指します。


嫌なことは避けたいもの。

そして嫌なことが目の前にあるとネガティブになってしまい、他のことへも影響してしまいます。

そこを変えていきましょう、というお話です。


ネガティブに走りすぎない

物ごとの捉え方は人それぞれ。

同じことでも良く捉える人もいれば悪く捉える人もいます。

結局は自分次第なところがあるので、悪く捉え過ぎないようにすることが大事です。

自分ができないことで「自分はダメだ」と否定しすぎないようにしましょう。


カエルと向き合う

誰だって嫌なことからは目を背けたいもの。

でもそれでは何も進まず、何も解決できず、いつまでもつきまといます。

嫌なことにしっかりと向き合うこと。

意外と大したことないことだってあります。

自分自身ができていないので、嫌なことから逃げないようにします。


問題を好機と捉える

目の前に問題が現れたとき、それは成長のチャンスと捉えます。

何かを気づかせてくれるために敢えて現れてきたのだと。

それもまたポジティブに考えること、そして向き合う機会を与えてくれます。



前作と違って、こちらは感情にまつわる話なので、なかなかスッとは入ってこず、少し難しかったです。

本56冊目-2017|カエルを食べてしまえ!

2017-11-09 23:12:47 | -読書 2017
カエルとは一番大きく重要なことを指します。

そのカエルを食べてしまえとは、一番重要でやっかいな仕事から済ませなさい、という例えです。

そのために何が必要か。

この本では20の格言から必要なものを説明してくれます。


大事な20%に集中する

またの名を80:20の法則と言われるパレートの法則があります。

これは物ごとの大事な20%が80%という大部分の成果を決めるという法則です。

だから全体にまんべんなく取り組むのではなく、本当に大事な20%を見極め、そこに集中することが大切です。

エッセンシャル思考にも共通するところです。


最初から完璧を目指さない

自分はよくやってしまうのですが、1つの仕事を完成させるのに最初からミスが無いように時間をかけすぎてしまいます。

時間がかかったあげく、勘違いでやり直しとなることもあったり。。。

それでは効率が悪いので、まずは粗くでもいいので全体を完成させて、方向性など確かめた上で細部を詰めていくほうが好ましいです。


細かくわけて1つずつステップアップ

仕事が大きすぎたり複雑だったりすると、どこから手をつければいいか悩み、そして面倒になって後回しにしてしまいます。

大きい仕事は細かくわけて1つずつ片づけていくことで、いつの間にか仕事は進んでいくものです。

スモールステップともいわれる方法ですね。



こういう自己啓発系の本をいくつか読んでいくと、表現は違うけれど少しずつ共通する軸が見えてきます。

何度も繰り返し読むことによってだんだんと自分の思考や行動に落とし込めていけるのでしょう。

本55冊目-2017|モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書

2017-11-07 22:51:01 | -読書 2017
こちらの本、最近話題になっているようで身のまわりで読んでいる人も多かったので手に取ってみました。

今の若者はどこにモチベーションを見出すのか。

そこに焦点をあてた本です。


昔は欲しいものがたくさんあってわかりやすい目標設定ができたので、それがモチベーションとなっていました。

一方の最近の若い世代は生まれたときから何でもそろっていて、欲しいものがないという状態です。

このような世代を「乾けない世代」と呼び、この乾けない世代の特徴を解明しようとしています。


すこし話が逸れますが、Twitterでこんな話を見かけました。

50代くらいの大学の先生が学生からレポートのためのインタビューをお願いされました。

どんな内容だったかというと、携帯がない時代はどうやって待ち合わせをしていたのか、という質問でした。

アラフォーの自分からすれば、待ち合わせ場所を間違えると二度と会えないのではないかというあの感覚はほんの少し前の話と思っていたのですが、今の若者からすれば一昔前の興味深い研究対象となっているのです(苦笑)

携帯がない生活はまったく想像できない世代であり、ほんの10年20年で驚くほどの世代ギャップが生まれています。


そんな満ち足りた「乾けない世代」。

この本では乾けない世代に苦言を呈するのではなく、むしろその可能性について後押ししてくれていると言えます。

そしてまた、乾けない世代の行動を理解できなくて悩んでいる上の世代の人にとっても、若者を理解するために役に立つ本です。

理解できないから相手にしないのではなく、歩み寄っていく姿勢が大切です。


これからの時代は個と個がつながっていくと考えられます。

そんな時代ではこれまでの画一的で平均的なことよりも、人とは違った何かが大切にされ、それが役に立っていくことでしょう。

メルカリでは、自分にとってまったく役に立たなかったものでも買ってくれる人はいて、特定の誰かにはすごく役に立つものだったりするわけです。

人の個性も同じで、自分では良いところなんてない平凡な人間だと思っていても、どこかの誰かに役に立つ何かを必ず持っているはず。

その何かを見つけるには努力する必要があるでしょうけど、見つけることができればそれが他の誰にもない強みになります。

そしてそれを仕事、あるいは生きていく糧にして、充実した幸せな人生を歩んでいけるのでしょう。


自分自身は乾けない世代よりは上ですが、団塊世代よりは下で微妙な立ち位置です。

しかしこれから変化していく世界で足踏みをしていると、あっという間に時代に取り残されてしまいます。

何が自分の強みか、真剣に考えるときが来ています。

本54冊目-2017|すべての疲労は脳が原因

2017-11-01 23:02:58 | -読書 2017
疲労について研究している著者がその成果をまとめた本です。

疲労の研究とはおもしろいですよね。


疲労は体内で発生した活性酸素が細胞を傷つけることで起こります。

エネルギーが無くなって疲れる、というイメージとは違います。

だからエネルギーを補給すれば回復するという問題でもありません。

活性酸素を抑えるために抗酸化酵素が存在していますが、年とともにその力が落ちたり、あるいは運動や仕事で活性酸素が大量に発生して抗酸化酵素が間に合わなくなることで疲れが生じます。

特に脳には自律神経の中枢があり、呼吸や心拍を調節するために常に負荷を受けていて、そこに運動や仕事でストレスが加わると負担が増し、疲れやすくなります。

このことが本のタイトルにつながっています。


疲労は、痛みや発熱と同じアラームの1つです。

飽きる、疲れる、眠くなる、は脳が疲労しているサインです。

病気になれば休むのと同じように、疲労を感じたときは無理しないことが大切です。

まだやれると思って頑張ってしまうと、知らず知らず体の限界を超えてしまいます。

それが過労死へつながってしまうことも。


人間の身体は思った以上に精密にできています。

体が発する警告は真摯に受け止める姿勢が必要ですね。