私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

トランプ米国大統領は世界の秩序を乱し、各国は自国の利益を確保するための戦争を準備するだろう。

2017年01月22日 | 混迷の国際情勢

 

 岐阜市松尾池のジョウビタキ

米大統領トランプは選挙において、人気取りの政策を裏付けもなく国民に約束したが、当選して就任演説では外国との折衝が必要な事項についても一方的で根拠も希薄な経済政策を表明した。

「米国第一主義」を宣言して、米国の雇用に障害があるとして、早々にTPP脱退を表明し、医療保険制度改革の見直しに向けて大統領令に署名し、イスラム過激派によるテロを地上から根絶すると述べています。

オバマ政権が推進した地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」のために作成した温室効果ガス削減計画については、削減計画を廃止して石炭やシェールガス生産を推進すると大統領補佐官に指示しました。

雇用では法人税の軽減や規制緩和で「10年間に2千5百万人の雇用を創出する」と明記。「アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇うことだ」と強調。

1994年発効の北米自由貿易協定の再交渉を求めて、カナダ,メキシコが応じなければ脱退するとして内向き保護主義を鮮明にしています。

日米同盟関係では、米軍駐留系負担を要求し、同盟の在り方の見直しを迫っています。

治安強化策として不法移民や薬物の流入を止めるため、国境の壁を建築することを掲げています。

このトランプ政権に対して、20日に行った安倍首相の施政方針はどの様に述べたのか検討して見ます。

首相は、昨年末にハワイ・オアフ島でオバマ元大統領と会い、「かって敵として戦った二国は和解の力はによって強い絆で結ばれた同盟国となった。わが国の外交・安全保障政策の基軸だ。これは不変の原則だ。」と誓い合っている。早期に訪米してこの同盟の絆をさらに強化すると述べただけです。

内閣の対応は、普天間飛行場の即時全万返還と沖縄の基地負担軽減に結果を出したいと述べているだけです。

トランプ大統領の「米軍の劣化を招いた他国の軍に資金援助をしてきた」とする米国第一主義には何も答えていません。

保護主義からのTPP脱退表明して自由貿易主義を否定しているのに、首相は真逆の自由主義の旗手として地球を俯瞰する外交をするとしています。

首相は、TPPの合意は今後も経済連携の礎とするとして、米国との合意は極めて困難です。

米国のTPPから脱退による日米二国間交渉での政府の具体策も無いのでは、米や牛肉、自動車での貿易摩擦が報復戦争になりかねません。

パリ協定に対しては、日本では原発事故処理や自然エネルギー対策が進まず、首相は施政方針では全く触れませんでした。

安倍内閣のトランプ政権対策は、施政方針演説とトランプ大統領の就任式が同時だたこともあり、準備出来なかったことは了解するとしても、トランプ大統領の当選から2か月が経過します。

政府の対策で考慮すべき事項の参考に、今後、日本が進むべき進路について注意したい事項を模索してみよう。

トランプ新政権は、「米国に富を取り戻す」と宣言しました。

今までの米国は、軍事的に最強で経済的にもっとも豊かであったから、米国は「その富を他国に分かち与えた」から世界のリーダーであったのです。

「日本や他国に与えた富を取り返す」という発想と「米軍の劣化」は、他国への援助により生じたものではありません。

米国は今でも世界一の軍事力を持っており、トランプ政権は「力による平和」による取引で経済の実利を得ようとしています。

経済の「劣化」は、どの国においても資本主義のグローバル化により生じております。

英仏独など、個々の国自体に移民や格差の課題が山積して「劣化」が始まっているのです。

日本には大規模な米軍基地があります。

米軍の駐留は、戦後、日本が再び天皇制の下で軍国化しないために、連合国の意向と75年前の日本の政府と国会において、太平洋戦争の反省により、武力の行使と戦争を永久に放棄した憲法を制定して、米軍の駐留を認めたのです。

連合国を代表した米国の管理下に置かれた日本が、後に独立して安全保障条約を締結してからは、自衛隊は米軍に守られているのです。

トランプ政権が、米軍を引き上げると言えば、安倍政権になってからは着々と自衛隊の兵器・兵力を増強されており、政府は喜んで承知するでしょう。

米軍が引き上げるのであれば、駐留米軍の軍事費は払わなくて済みます。

安全保障条約改正で日本は真の独立ができます。自民党が念願するの憲法に改正して軍隊を持つことができます。

日本国民は今後、トランプ政権と安倍政権の折衝を注視し、真剣にこの事態の推移を見て行かなければなりません。

トランプ大統領は、「米国第一」を就任演説で20回以上連呼しました。

歴代大統領は就任式に世界に向けたメッセージを行いますが、トランプ大統領の演説は崇高な精神的理念はなく、希望がない内向きで閉鎖的な話だけでした。

米国は1776年の建国以来、初代大統領ワシントンと5代目モンローが欧州の野望や抗争、利害に絡まらず内政不干渉を宣言して同盟を拒否してきましたが、第一次世界大戦で38代大統領ウイルソンは国際連盟を設立して、理想主義を目標にしました。 

米国が世界中の同盟国と価値観を共有する民主主義、人権、法の支配という国家原理と移民を拒わない開放性、他者を認める寛容さは建国以来の「建国の精神」で、自由と平等を謳ったのは米国の独立宣言以降だったのです。

豊かな国になった日本は「建国の精神」を棄てたトランプ大統領の米国に、助け合いの精神で恩返しすべきでしょうか。

「建国の精神」を今も掲げる国には恩返しをすることが必要ですが、トランプ大統領の「駐留米軍の駐留費の全額返金」「同盟関係の改定、米軍の撤退」「TTP脱退」「貿易不均衡是正」要求は、いずれも自国の利益だけを要求する取引外交です。

相互共助の精神に反する実利を追求する要求で「力での支配」をモットーにしています。

従来の国際慣行や条例、同盟関係、経緯にはとらわれないエゴは国際社会には通用しません。

英国の欧州連合離脱と共に世界の警察官不在となる国際情勢は、混迷を深めることになります。

蘇生

 

 

 

 

 

 

 

 

 


平和と和解と正義のために戦う人々がいる限り、地球上のすべての敵対関係に終止符が打てます。

2016年10月08日 | 混迷の国際情勢

 

 飛騨古川「狐の火祭り」

今年のノーベル平和賞は、世界のすべての民族紛争の和解を、決してあきらめないことを示しました。

南米のコロンビアで左翼ゲリラ、コロンビア革命軍との内戦終結に向けて政府は、5年越しの交渉の末、今年8月に和平に漕ぎ着けました。

コロンビアの内戦は、半世紀以上前に、マルクス主義を掲げる反政府勢力が台頭して最盛期には国土の3分の1を実効支配しました。内戦では22万人を犠牲にし、600万人が家を失いました。

「すべての犠牲者に謝罪する」「民主主義へようこそ」。大統領は平和を象徴する白いバッジを外して、和平合意署名式典においてゲリラ革命軍最高司令官に渡しました。

司令官はこのバッジを胸に着けました。

ノーベル平和賞を受賞したコロンビア大統領が、革命軍との和解合意条項の中に、麻薬犯罪に手を染め、殺害や誘惑を繰り返した革命軍がコロンビア議会に進出することを容認する内容だったことと、元戦闘員への処罰が軽かったことがありました。

国民は和解には賛同であったが、この条項に反発したのです。

和解合意の承認を求める国民投票は、ノーベル賞受賞式の5日前10月2日に行はれ、その合意を否決したのです。

国民投票の否決に対してノーベル賞委員会は「和平合意は死んだわけではない。国民投票は平和に反対した訳でない」として大統領と各党に建設的な関与と責任を分担するように求めました。

和平交渉は仕切り直しとなりましたが、大統領は「反対は和平合意の1部についてであり、団結力によっていさかいや憎しみは過去のものとしなければならない。」と言っています。

私は、サントス大統領がノーベル平和賞を受賞するまで、日本から地球の裏側にあるコロンビアにおいて悲惨な内戦があったことについて全く知りませんでした。

シリア、アフガニスタン、イラク、ナイジェリアの各紛争地は、国民を統合する国家の枠組みが揺れています。中東では民族や宗教対立が消えず、紛争の中で過激派組織イスラム国が建国を宣言しました。

欧州やロシアでもそのはざまで民族を結ぶ動きが広がっています。 

なぜ国家は不安定になってきたのでしょう。作家の佐藤優さんは次のような見方をしています。

紛争の背景として、共産主義に勝利して、資本主義と資本家はあまりにも貪欲になりすぎ、資本の増殖に血道をあげ、過剰で不公平な競争を押し付けて、人間の気持ちを顧みなくなったことにあるとしています。

世界の富の偏在が顕著になってきたこと、格差を極端にまで広げていることからも、佐藤優さんの指摘は当たっています。

昨年の世界の人口の半分である31億人の資産に匹敵する1兆7600万ドルを、世界人口の1%弱の62人が取得し所有しています。

石油が出る中東で、なぜ大勢の人が貧困にあえいでいるのか。国際石油資本とそれに連なる王族と権力者に富が偏在しているのです。

日本でも昨年1億円以上の年収があった人は、人口の0.013%1万7000人で占めました。世界と同じ状況にあります。

中東紛争には二つの流れがあります。国家の枠を超えたグローバルなイスラム主義と、国民より下の小さな民族に主権を持たせるグループに分かれています。

イラクのスンニ派とシーア派の対立は帰属意識の変化です。

ナショナリズムの火種は世界各地にあります。資本主義が育てて来た国民国家は、富の集中により貧困を増殖してきたため安定を無くしているのです。

先進国では、富裕層と貧困層の中間にある中間層が消費社会の中で退化して減少し、若者にしわ寄せが行っています。中間層の貧困化です。

やがて未婚率が高くなり出生率の低下に現われ、人口が減少してきました。

発展途上国は、読み書きができるようになりますが、教育水準は低く、グローバル化により先進国と共存することで両者には衝突や相互軋轢が生じます。

これが欧州で起きている難民問題です。

こうした先進国と発展途上国の社会状況で大切なことは、テロを憎む対テロ戦争ではなく、特に先進各国は社会的背景の理解と中東の困難に向き合い、人々に寄り添う思いを示すことです。

米欧は、20世紀で世界中の国々の警察官として、紛争解決のため武力を行使してきました。その治安保持のための武力行使が、多々行き過ぎであったことが紛争を悪化させたのです。

関係国に紛争処理解決策を示していない米国の顔色を伺っていては、日本は、世界の各国の困難に立ち向かいことはできません。

日本国憲法に明記された武力の行使と戦争放棄を示して、自衛隊を海外へ派遣したり、武器や戦艦を派遣したり、輸出をしないで、平和外交によりイスラム社会や近隣アジア諸国と向き合って行きたいものです。

蘇生 

 

 

 


安倍首相談話が首相の本心であるなら、安保法案の撤回と修正をすべきです。

2015年08月15日 | 混迷の国際情勢

 

各務原台地 B29空襲展

戦後70年首相談話は、喧々諤々の論議の結果、終戦記念日を前に大方の予想に反して、近隣諸国との関係改善を重視する内容に落ち着きました。世論調査の安倍総理支持率が50%を切ったことが影響したと思われますが、談話が、世界に日本の戦争責任を明確にしたことはよかったと思います。

首相談話の内容は、総体的には異論は有りません。歴史観、法律論、国際紛争、核問題、戦争責任,女性の人権について、丁寧に日本の立場を説明しています。しかし、戦後70年の日本を預かる政府を代表する首相談話で、過去の歴史について、戦争に関わりのない子や孫と、その先の世代の子供たちに「謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」と言及したことは不可解です。

談話は続けて「日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。」ことからも、子や孫が除外されていません。将来に向かって、全ての日本人に課せられた当然の責任です。

老いも若きも、過去の歴史はしっかりと学習して、未来に活かして行かなければなりません。安倍総理の首相談話は、国民のすべてに理解されるものとして、終戦記念日に日本の決意を新たにしたのです。首相お得意の人気受けする3000字を超える作文では困ります。

作文でなく、誠実な談話であれば、談話の内容と相反する新安保法案は、戦争に走った昭和16年以前の状況を良く学習して、法案を撤回しなくてはいけません。国会の議論を聞いていても、首相の答弁は、談話の内容の安全保障即ち「積極的平和主義」と違って、新安保法案は非常に危険な安全保障だからです。

談話の内容と新安保法案を具に見ていきます。太平洋戦争について談話は、「欧米諸国は植民地経済に巻き込み、日本経済は大きな打撃を受けました。孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まり、力の行使によって解決しようと試みました。国内の政治システムは、その歯止めになりえなかった。」として、日本が始めた戦争は、世界の大勢を見失ったと評価しています。

新安保法案については、国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険があるなどの武力行使3要件を満たせば、集団的自衛権の行使ができるとしています。これは中東・ホルムズ海峡での機雷除去を想定しての法案ですが、今年イランと仏独間では核協議が成立して海峡の安全も確保されています。機雷除去はなく、新安保法案は必要でなくなりました。

次に、戦争責任について談話では、戦陣に散った方々、遠い異国で亡くなった方々、広島・長崎での原爆投下、東京始め爆撃を受けた各都市、沖縄の地上戦で亡くなった310万の人々、更に、外国では中国、東南アジア、太平洋の島々では、戦闘や食糧難で多くの人が犠牲になったとしました。

更に、談話は「我が国が与えた事実と、歴史とは実に取り返しのきかない苛烈なものです。2度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはいけない。」と反省と責任を表明しました。

首相が反省と責任を本当に持つと考えているのであれば、談話で述べた「戦争の惨禍を繰返しません」「事変、侵略、武力の威嚇や行使も、二度と用いない。」のは当然です。武力行使を否定するのですから、武力行使を認める3要件を定める自衛隊派遣は許されません。

新安保法案は論ずるまでもなく、憲法違反で廃案にすべきであります。

首相は軽薄というのか、言葉の意味を知らないわけでないのに、談話の中にも至るところに人気取りに使ったとしか思えない言葉があります。憲法第9条に違反する安保法案を「積極的平和主義」と呼んで提案しているから憲法学者から「戦争法案」だと言われるのです。

暑かったこの夏も、少しだけ涼しくなって来ました。安倍首相談話を機会に、談話にある「いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的、外交的に解決すべきであります。」のとおり、紛争は国際間で平和的に解決して行かなければなりません。        新安保法案は必要ないのでありませんか。

急いで新安保法案の成立を図れば、山口県出身の人気総理の首も危うくなりませんか。

蘇生


集団的自衛権では、国益追求には弊害があります。

2015年06月26日 | 混迷の国際情勢

シモツケの花

国会は、会期を延長して新安全保障法制を時間をかけて審議することにしました。武力行使を禁じている日本の憲法が、自衛隊に認める武力行使は、自国の存立を全うするため必要な自衛のため必要最小限度のものであります。新安保法案は、密接な関係のある他国に対する武力攻撃にも拡大するので、それが自衛のためでも、必要最小限度も超える違憲法案であります。

このような違憲法案を、国会が更に90日間も延長審議することは許されません。野党から11の法案の問題点を指摘されて、怒り出すような首相答弁を聞いていますと、説得力はなく法案が自衛のためでも、必要最小限度の実力行使でもないことが明確になって来ていると思います。

憲法第9条のもとで許容される自衛のための措置とは、相手から武力攻撃を受けたときはじめて武力攻撃ができるとする受動的な専守防衛です。集団的自衛権による後方支援であっても、相手に攻撃を仕掛けることはできません。

「武力行使」を可能にする政府の新三要件は、自衛の措置として求められない海外での武力行使であり、他国への武力攻撃が我が国の存立を脅かし、国民の生命、幸福追求の権利が根底から覆される危険がある場合と言っいます。これは国の安全を守る必要最小限度の武力行使を大幅に超えています。

新三要件による制約があるにしても政府が判断するので実効性はありません。集団的自衛権は他国への攻撃であり、自衛のためでない以上、専守防衛を規定する憲法や防衛白書の変更であります。政府は法案を修正して出し直さなければなりません。

近隣諸国との関係が良好に保たれている状況で、日本に戦争の危険が迫っているわけでもないこの時期に、安倍政権が遮二無二に急いで新安保法案の成立を図るのは、ペルシャ湾での機雷掃海で米国と組んで国際的に強力な体制を作って、アジア地域と中東地区において発言力を持ちたいだけなのです。

ペルシャ湾での石油危機は、日本だけの問題でなく国際的に解決が図られる問題です。機雷掃海も今必要ではありません。

現在の国際社会の状況は、過激派組織イスラム国「IS」の勢力拡大、停滞する中東和平、民族・宗派対立は混沌としています。ベトナム戦争やイラク戦争、アフガニスタン侵攻、シリア、パラスチナ紛争に関わりを持った米国は、国際的に外交的影響力の低下がみられ、どこの紛争にも打つ手を持てずにいます。

この状況で日本が、米国の力をバックに発言力を増すこと自体、紛争当事国との危険性を予測しなくてはなりません。中東・イスラム世界の現状を把握するため、取材ボアンティアをしていた二人の日本人は、中東訪問中の首相の2億ドルの人道支援発言の直後、イスラム国に利用され命を絶たれました。

日米同盟による集団的自衛権により国際間の問題解決を図るのではなく、これまでの非戦闘地域での支援を中心に平和国家のレッテルを最大限に活用して、国際的平和作りは単独又は国連を中心として、地球環境、非核武装、国連PKO(平和維持活動)参加に参加して力を発揮したいものです。


蘇生

IS(イスラム国)のテロ攻撃を鎮めるには、武力でなく国際関係構築を

2015年02月25日 | 混迷の国際情勢

 

河原での凧揚げ 

 ISIL(イスラム国)のテロ攻撃は、世界に広がりを見せて、力ずくの攻撃では収まる兆しがありません。紛争解決のため地上軍の投入したイラク戦争では、完全に終息させることができなかったため、ISは、スンニ派が部族を超えた組織に発展したのです。ここに再度の武力介入である米欧と有志連合に日本が協力しても紛争を抑え込むことは困難です。

 世界の中で、イスラエルとパレスチナ、スコットランドとイギリス、ウクライナ紛争などのナショナリズムの火種は絶えません。解決には困難であっても国際協力を得て、互いに話し合いをする他ありません。

 先にウクライナ紛争で、独仏の仲介でロシアが停戦に応じたように、それぞれの国は歴史と現実を踏まえ、多くのものを共有してきたことを踏まえた、解決方法を見つけなければ紛争は無くなりません。

 近代の国家は高々200年の歴史しかありません。今までに設定された国境線が経済状況や人の移動により生活環境が最適配置できなくなって来たのです。米欧が目指す、暴力(悪)には武力(善)で解決する方法は過去のものです。

 第1次世界大戦の軍人死者は、米11万人、独204万人、伊65万人、第2次世界大戦は米40万人、独約500万人、日230万人、伊29万人、朝鮮戦争は米3.7万人、韓国18万人、ベトナム戦争は米5.8万人、アフガニスタン攻撃とイラク戦争は米5300人である。(民間被害を除く)

 世界人口が80億に増加する状況で、争いを無くすには、世界中を戦争に巻き込み、原爆を使ってでも町を破壊し尽くして、新しくそこに平和国家を作り直すしか無くなって来ました。

 必要なのは、過去の歴史を踏まえた現実的な国際的協議で、紛争解決を図からなければなりません。地球上の人口は2050年には90億人になるでしょう。地球には、人が住むことができる地理的なペースもなく、必要な資源が不足することは明らかです。この状況での国際的協議は当事国が歩んだ歴史、はぐくんだ思想、多様な宗教観にも理解を示さないと協調が進みません。

 悲惨な戦争をどれだけ続けたら平和が来るのですか。ワイツゼッカードイツ元大統領は「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる。若かろうと年を取っていようが、みな過去を受け入れなければならない。」「政治とモラルの対立は、殺戮と戦争といった悲惨な結果を生む。若い世代は前の世代の過ちから学び取ってほしい。」と述べています。

 戦後70年の首相談話にも、ワイツゼッカー氏の戦争責任を負う覚悟を示してほしい。

蘇生 

 

 


日本人の平均寿命80.67歳を超えました。中高大学校同級生はまだ半数以上います。戦争を知る老人は、日本について語る場が無くなりました。

憲法は、アメリカのマッカーサーに準備してもらったかもしれませんが、一院制を二院制に、土地を国有から私有に替えたのは帝国議会草案でした。 議会の審議では自衛戦争の放棄は草案の中にあり、吉田首相も正当防衛や、国の防衛権による戦争もしないと壇上で明確に述べていました。 草案は、衆議院は反対八票の絶対多数で、貴族院の満場一致で可決しました。 ただし、衆議院では九条二項に「前項の目的を達するため」を加えて修正しました。二項は戦力を保持しないとしており、後に、自衛のための戦力が議論されることになりました。 憲法改正から68年の昨年は、安保法改正で国会や、法律家、若者、お母さんが、戦争を意識させるとして、議論されるようになりました。 平和は、日本だけでなく、世界中が戦争をしない国にしないと続きません。しっかりと政治を見て行きたいと思います。