私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

IS(イスラム国)のテロ攻撃を鎮めるには、武力でなく国際関係構築を

2015年02月25日 | 混迷の国際情勢

 

河原での凧揚げ 

 ISIL(イスラム国)のテロ攻撃は、世界に広がりを見せて、力ずくの攻撃では収まる兆しがありません。紛争解決のため地上軍の投入したイラク戦争では、完全に終息させることができなかったため、ISは、スンニ派が部族を超えた組織に発展したのです。ここに再度の武力介入である米欧と有志連合に日本が協力しても紛争を抑え込むことは困難です。

 世界の中で、イスラエルとパレスチナ、スコットランドとイギリス、ウクライナ紛争などのナショナリズムの火種は絶えません。解決には困難であっても国際協力を得て、互いに話し合いをする他ありません。

 先にウクライナ紛争で、独仏の仲介でロシアが停戦に応じたように、それぞれの国は歴史と現実を踏まえ、多くのものを共有してきたことを踏まえた、解決方法を見つけなければ紛争は無くなりません。

 近代の国家は高々200年の歴史しかありません。今までに設定された国境線が経済状況や人の移動により生活環境が最適配置できなくなって来たのです。米欧が目指す、暴力(悪)には武力(善)で解決する方法は過去のものです。

 第1次世界大戦の軍人死者は、米11万人、独204万人、伊65万人、第2次世界大戦は米40万人、独約500万人、日230万人、伊29万人、朝鮮戦争は米3.7万人、韓国18万人、ベトナム戦争は米5.8万人、アフガニスタン攻撃とイラク戦争は米5300人である。(民間被害を除く)

 世界人口が80億に増加する状況で、争いを無くすには、世界中を戦争に巻き込み、原爆を使ってでも町を破壊し尽くして、新しくそこに平和国家を作り直すしか無くなって来ました。

 必要なのは、過去の歴史を踏まえた現実的な国際的協議で、紛争解決を図からなければなりません。地球上の人口は2050年には90億人になるでしょう。地球には、人が住むことができる地理的なペースもなく、必要な資源が不足することは明らかです。この状況での国際的協議は当事国が歩んだ歴史、はぐくんだ思想、多様な宗教観にも理解を示さないと協調が進みません。

 悲惨な戦争をどれだけ続けたら平和が来るのですか。ワイツゼッカードイツ元大統領は「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる。若かろうと年を取っていようが、みな過去を受け入れなければならない。」「政治とモラルの対立は、殺戮と戦争といった悲惨な結果を生む。若い世代は前の世代の過ちから学び取ってほしい。」と述べています。

 戦後70年の首相談話にも、ワイツゼッカー氏の戦争責任を負う覚悟を示してほしい。

蘇生 

 

 


イスラム国人質事件の政府対応に国民が50%支持。

2015年02月20日 | 混迷の国際情勢

 

F15戦闘機とカエルが並んで凧が揚がる

 朝日新聞社の新しい世論調査の結果である。安倍内閣の支持率は50%に上昇しました。今回のイスラム国による人質事件の政府対応を50%が評価しました。評価しないは29%です。

 国会でも、中東との関係の安定を求める各界でも、批判のある今回の中東訪問と、その際の首相の行動と演説には、殺害予告の引き金になったと指摘されました。更に二人の映像が公開された後、政府は救助する手立てを何も取ることなく、ヨルダン任せでテロに屈してしまいました。

 世論調査結果は、犯行が極悪非道なテロ行為で、想定外の事態として、国民は首相に同情したのでしょう。しかし、日本の責任を持って事に当たるべき首相として、もう少し中東各国の動きや、米やヨルダンによるイラク攻撃に対する過激派組織ISILの被害感情、憎しみ、増悪からの報復であることを理解して欲しかったと言わざるを得ません。

 世論調査は「イスラム国」対策の難民支援や食糧援助を続けるとした首相の方針に賛成ですと答えた人は72%いました。「イスラム国」対策とした中東支援策の理解がなされず、残忍な結果となった人質事件の直後では、賛成が多いのは当然かもしれませんが、従来のODAによる幅広い支援から見返りを求める海外援助に変更した結果が72%ではがっかりです。

 従来の日本は中東においてはODAによる難民救済や人道支援が中心でした。中東において日本人の支援は評判がよく、今回のようなことはありませんでした。

 世論調査の好評を受けて、安倍内閣は矢継ぎ早に周辺事態法から「周辺」という地理的な制約をなくそうとしています。米軍だけでなく、それ以外の他国軍への支援を海外で出来るようにしたいのです。安倍内閣の「積極的平和主義」の実体がここに現われています。        海外投資、民間企業との連携のための後方支援の拡大です。

 政府は、世界中で日本が、米軍やその他オーストラリア軍等と自衛隊の活躍により貢献できるように憲法を改正し、自衛隊を軍隊とする目的であることは明らかです。それで矢継ぎ早に、公明党を引きずり込んで、力ずくで進めています。

 憲法第9条は、桃山時代の大阪城ではないですが、外堀(自衛隊は周辺でない国外へ派遣)をほぼ埋められて、そのうちに自衛隊は外国の軍隊と比較しても見劣りのない戦力補強策がとられ、内堀も無くなり、お城(平和主義)だけになって行きます。
 
 国民は、政府の動きにあまり関心がなく、景気を良くしてくれた事だけで満足しています。政府がまだ、憲法改正を正面に出していないのは、まだ内堀が残っているからです。
 
 参議院選挙までのここ1,2年で内堀が埋められてしまうのを見ているのは、怖いですね。
 
 蘇生

混迷の時代には、国連での対話を。力と反逆では破壊と殺戮が残る。

2015年02月07日 | 平和憲法

 

大垣杭瀬川でのはだか祭 

 「テロに屈するな」「反テロ」予測できないテロの恐怖が世界全般に現われている。イスラムにおいてテロが行われている理由は、2001年の米同時多発テロ事件が震源となって米によるアフガニスタン攻撃と、さらに3年後の一方的なイラク戦争により中東に深刻な紛争や内戦を残しました。

 米国は反テロを口実に、自由や民主主義をアフガニスタンやイランに武力介入によって広めようとしましたが、武力は憎しみと暴力しか生みませんでした。国際法上も内戦には「内政不干渉」「武力不行使」の原則がありますが、これに反して、米は国連安保理決議を得ないで一方的にアルカイダ撲滅の為、アフガニスタン攻撃を行ないました。

 それでは国際的なテロに対して、各国はどの様に対応すべきでしょうか。中東の混乱は米による行き過ぎた戦闘行為が、アフガニスタンやイラクを不安定化させ、国内対立を激化させました。その責任は大きいと言わなければなりません。

 戦争犯罪は、戦勝国或いは国連によって裁かれますが、アフガニスタン侵攻やイラク戦争は実戦部隊を引き上げて戦闘は終わっても、米は自ら責任を取ろうとしません。米欧や一部の中東の有志連合は、テロ絶滅のみが非道の世界を変えるとしてイスラム国を根絶やしにしようとしています。ロシアや中国は非難をしますが、具体策がなくイスラム国の無差別殺戮、力の恐怖政策に対応しかねています。

 今やイスラム国は、中東に止まらず、アフリカ諸国まで勢力を広げています。日本にもその影響が出て来ました。報復の応酬は止めなければなりません。

 作家森達也さんは「人は不安と恐怖を持った時、一人でいることが怖くなり、多くの人と連帯して多数派の中に身を置くことで安心して、気持ちが強くなる。こうして集団化が加速します。群れの中にいると、方向や速度がわからなくなり、周囲のすべてが同じ方向に、同じ速度で動くから暴走が始まる。」と言っています(朝日新聞2/11 15面)。

 わたしは、このブログ(http://blog.goo.ne.jp/kikusono16310)で、集団的自衛権の行使容認と秘密保護法制定、総理大臣の靖国参拝、戦後70年の首相談話について、政府の方針に反する意見を書いてきましたが、今後はブログを自粛して、心の安定のため多数派の中に身を置き流されて行くことを考えています。

 今の日本国内の状況は、国会、TVや新聞のメディア、そして世論調査を見ても、一つ方向に走り始めたことを実感しています。森達也さんは、「多くの国民と違う視点を提示すれば「イスラム国」を擁護するのかとたたかれて、その圧力に屈して自粛してしまう。」と言っています。老人である私も矛を収める時が来たと観念しています。安倍総理の自信もそこにあります。

メディアも営利企業です。市場原理にあがらうことは難しいと思いますが、多数派と異なる視点を提示することはメディアやフリージャーナリストの重要な役割です。日本が戦争の危険性のある方向に向かうとき、このブレーキ役が無くなったら悲惨です。

 日本は平和憲法憲法を持つ国として武力でなく、国連を通じて内に籠ることなく粘り強く、海外での反米主義の風潮を和らげ、「イスラム国」など中東を理解したうえ、力むことなく外交や邦人保護の政策をとって欲しいものです。

蘇生

 

 

 


美しい地球上で、町を壊し人を理由なく殺して、楽しい生活を望めますか。

2015年02月06日 | 混迷の国際情勢

 

大垣宝光院はだか祭

 私はスペースシャトルから眺めた青い小さな地球に、世界遺産に認定された美しい自然が沢山あって、テレビでその姿を見るのがとても好きです。その自然は静かに造られたのではなく、地球の大規模な地殻変動や異常気象現象により、美しい風景を形作られました。

 人間は、多くの動物や、生物の中で、人は弱かったので共同により命を守って来ました。人は動物や道具を使ってより強固になると、今度は人同士が争うようになりなした。最初は、生活の中での争いでしたが、道具を使うようになると、船や車、遂には飛行機を使い戦争を始めます。

 国同士の戦争の歴史は、人類の歴史から見ると、ローマ帝国以降としても2000年経過して、世界を2分する戦争は無くなり、国土拡張争いは終結しました。

 人口の膨張とネットで世界は繋がるグローバル時代に入って宗教、民族間の争いに加えて、戦力的大国である欧米が、一方的で身勝手な介入によって力の政策を採った結果、例えば、町を追われたイスラム主義者は、民心の荒廃が過激な暴力より、欧米に報復の応酬に立ち上がりました。

 今回の日本人二人の尊い命は、親族の悲嘆は察するにあまりあります。どう見ても、安倍総理のヨルダンと協力支援するとした挑戦的なスピーチがイスラム国を刺激するに十分でした。

 中東の親日感情は、今回の安倍総理のスピーチで強まったとは見ていません。心配なのは今回の人質事件で日本において反イスラム感情が出てくることです。恐怖や不安が出てくると、テロリストの思う壺です。

 対テロ戦争を掲げる欧米には組せず、一線を引き、徹底的に対決するのでなく、じっくりと交渉を進め、中東について理解し、困難に向き合い、寄り添っていきたいと思います。武器輸出をするのでなく民主主義国・平和国家を通しましょう。中東では安倍総理の積極的平和主義を採るのは危険だと思います。

 中東では、対決よりも「義理と人情」で交流しましょう。

 蘇生

 


日本人の平均寿命80.67歳を超えました。中高大学校同級生はまだ半数以上います。戦争を知る老人は、日本について語る場が無くなりました。

憲法は、アメリカのマッカーサーに準備してもらったかもしれませんが、一院制を二院制に、土地を国有から私有に替えたのは帝国議会草案でした。 議会の審議では自衛戦争の放棄は草案の中にあり、吉田首相も正当防衛や、国の防衛権による戦争もしないと壇上で明確に述べていました。 草案は、衆議院は反対八票の絶対多数で、貴族院の満場一致で可決しました。 ただし、衆議院では九条二項に「前項の目的を達するため」を加えて修正しました。二項は戦力を保持しないとしており、後に、自衛のための戦力が議論されることになりました。 憲法改正から68年の昨年は、安保法改正で国会や、法律家、若者、お母さんが、戦争を意識させるとして、議論されるようになりました。 平和は、日本だけでなく、世界中が戦争をしない国にしないと続きません。しっかりと政治を見て行きたいと思います。