私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

150日間の通常国会では、安倍政権は幾多の憲法違反政策を続けている。集団的自衛権、改ざんや文書廃棄、国会召集要求を拒否して疑惑隠し、1強ゆえの便宜供与・独善的政権運営を続けている。

2019年06月29日 | 国会運営

 

 立山プロムナード・雄山

6月26日通常国会が閉会しました。この150日間について、国民として真剣に国会の在り方を見直したいと思います。

政府や内閣・行政各省に幾多の法令違反や不適正な行政処理がなされ問題になりました。

3月の19年度予算成立までは、森友・加計問題や「毎月勤労統計」の不正で追及していた野党も、参院選が近づき 政府が対決法案の提出を控え「安全運転」に徹したため、静かな会期末になりました。

予算委員会は2月に厚労省の統計担当者を参考人招致しましたが、与党側は参考人に質問をしませんでした。

国会として不正の原因の解明と再発防止の検討に努めたとは言い難く、与党も政府の不正を見逃しています。

言論の府である国会がこんなことでよいのでしょうか。

根本匠厚労相は「毎月勤労統計」の不正調査問題では、不正を調査した特別監査委員会の厚労省職員への聞き取りの3分の1は、同省の他の職員が担当し、監査委の報告書も同省職員が原案を作成したことが明らかになりました。

監査委メンバーは聞き取りに同席せず、第3者による検証がされない不正調査であり、調査報告書の中立性が揺らぎました。

厚労省が56基幹統計を点検したところ、半数近い22の証拠統計で計31件の不適切な処理案件が見つかりました。

統計不正があった基幹統計は、政策決定に影響がある総務相が指定した特別に重要な統計です。

見つかった統計不正は、統計法違反の可能性がある事案。財務省の調査項目を公表していなかった法人企画統計。調査対象を変更する際に、総務相への申請を怠っていた経済産業省の商業動態統計などです。

安倍政権はアベノミクス偽装のため国民の生活環境、労働政策、金融政策について、組織的な隠ぺい工作を続けてきたのです。

遡って、2015年以降、森友・加計問題ではどんな「政と官」の歪んだ関係があったのかを見て行きます。

安倍政権からは、森友・加計問題での殆どの疑念について正確な説明は全くありません。

不正の証拠が出てきても、組織的な隠ぺいを図っています。

不正が明らかになったり、証拠や証言があれば、本来ならば、政府自ら警察・検察の捜査により明確にできるはずです。

首相の妻昭惠氏付き政府職員谷査恵子氏が「森友学園側から優遇を受けられないか総理夫人に照会があり、当方から問い合わせた」との事実が財務省の交渉記録にあります。

首相の証言は「私や妻が学園の認可、国有地払い下げには一切かかわっていません。」です。

近畿財務局の交渉記録には、認可申請先の大阪府に対し「安倍晋三記念小学校」と説明している記載があります。

首相は「校名は私の名前でなく「開成小学校」で申請されていたのが事実であろう。」です。

宇治市からの構造改革特区提案に、加計学園が候補との記載がある。

首相は17年6月、加計学園の計画を知った時期について「(国家戦略特区の前の)構造改革特区で申請されたことは承知していた」と国会答弁。

翌7月に加計学園の特区への申請を知ったのは1月20日の特区諮問会議だと修正。

加計幸太郎氏は18年6月の記者会見で、首相と初めて獣医学部新設の話をしたのは17年1月以降かとの質問に「そういうことだと思う。」と答えている。

首相は、「腹心の友」と呼ぶ加計幸太郎氏とはゴルフや会食を繰り返しているが、17年から今年(Ⅰ8年5月)は加計氏とは話をしていないと否定している。

首相は森友・加計問題では真摯な答弁はなく、公文書隠蔽・改ざん問題では原因や経緯を説明していません。

権力集中の弊害が目立ちます。「力は一つに集中すると乱用されます」

第2次安倍政権発足以来6年半を振り返ると、見逃せないのは「忖度」という言葉に象徴される「政と官」の歪んだ関係です。

首相は、衆議院選挙で大勝すると野党の質問時間を削減する「数の力」を利用して、野党の主張や疑問に耳を貸さなくなりました。

内閣法制局長官には、解釈改憲に積極的な小松一郎氏を法律遵守の慣例を無視して選任する人事を行いました。

安倍政権になってから内閣人事局において官僚の人事権を行使することになって、官邸が行政を集中管理ができるようになりました。

森友・加計問題は正に、安倍政権への「政と官」の「忖度」が働いた結果です。

国有地売却で8億円の値引きと言う核心部分を解明せず、当時の理財局長らを処分して幕引きを図り、後にこの局長を国税庁長官に昇進させたのが麻生財務相です。

憲法は、41条、65条、76条で立法、行政、司法の三権分立を定めています。

安倍政権は、一強独裁政治を体現しています。

司法も犯罪である森友・加計問題には一切手出しをしません。

麻生太郎財務相が老後の生活費が2千万円不足するとした金融庁審議会報告書の受け取りを拒むという奇策で、国会の議論封じを図りました。

民間有識者に諮問した事項について、調査内容が気に入らないとしてその調査書類を受け取らない財務相の暴挙は許されません。

麻生氏は先の国会でも両院から問責決議案を受けています。

前財務事務次官による女性記者に対するセクハラ問題で、麻生氏は「セクハラ罪と言う罪はない。」などと開き直りました。

地元福岡県では少子高齢化に関し「子供を生まなかった方が問題なんだから」と言い放ちました。

この様な首相にもなったことがある麻生氏を、続投させている安倍総理の任命責任は重いと思います。

安倍首相は、公的年金制度が将来も維持できると「百年安心」と言っています。

マクロ経済スライドによって100年安心の制度が出来た。給付と負担のバランスを調整できるとしています。

マクロ経済スライドは財源の範囲内で給付水準を自動的に抑えることから、高齢者には痛みが出ます。

年金財政の健全性は3年に1回、今年6月に生活基礎調査し、漸く7月2日になって労働省調査が出ました。

高齢者世帯で生活が「苦るしい」と答えた割合は55.1%にあがり、全世帯でも57.7%1.9ポイント増えました。

厚労省は年金不安が高まる中で「働く高齢者が増える一方、依然として公的年金で暮らす人が多い」と認めました。

5年に一度の年金財政検証の公表は、厳しい状況で選挙後に先送りです。

国の予算は100兆円を超え、社会保障制度の充実として、保育の無償化、介護人材の処遇改善、介護保険の負担策等、出費は膨らむばかりです。

安倍首相は、成果のない参院選には憲法改正を公約にしており、三分の二の議席を獲得する勢いです。

自民党政権を支える与党の国会議員は国民に代わって政権の不行跡を質問し、国政を調査、監視することがなくなりました。

この様に与党過半数の国会が国政に機能しなくなった現在、国会の民主主義も機能しなくなって行きます。

国会は最早、看過できる状況ではなくなりました。

少数野党には期待できない現実を持って、国民は参院選にどの様に臨むのでしょうか。

蘇生

 

 

 

 

 

 

 


令和元年になって1ヶ月が経過しました。新天皇の即位と4日の一般参賀で盛り上がった新しい時代は「平成の平和」を打ち破る戦争の影を見た。

2019年06月08日 | 令和の時代

 

蘇原自然公園の池

平成の天皇陛下退位の礼が4月30日正殿で行われ、85歳の天皇は最後のお言葉で「象徴としての私を受け入れ、支えてくれた国民に、心から感謝します。新しい令和の時代が、平和で実り多くあることを、皇后と共に心から願い、我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。」と述べられました。

令和の時代を引き継がれる新天皇は5月1日「常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法に則り、日本国および日本国民の統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します。」と上皇(前の天皇)の憲法を守る姿勢を引き継がれました。

「平成」は戦争のない時代でした。

上皇が支えて来られた憲法が「国民主権、戦争放棄、基本的人権の尊重を理念とする日本国憲法」だったのです。

太平洋戦争終結後、当時の幣原首相が進駐軍最高司令官ダグラス・マッカーサーと新憲法について語り合った経過は重要です。

幣原首相は「日本が戦争放棄をすれば、天皇制を存続できる」と読んで憲法改正私案をマッカーサーに示して、司令官の同意を得て、終戦後の新憲法の根幹が出来たのです。

天皇陛下の即位を祝う「令和最初の一般参賀」が5月4日に皇居で行われ、平成からの代替わりの一般参賀を3万人超える14万余人が祝いに訪れました。

陛下は参列者に「我が国が諸外国と手を携えて世界の平和を求めつつ、一層の発展を遂げることをここらから願っています。」と短いあいさつの中で、平和の大切さを述べられていました。

これに対して、誰よりも憲法を厳格に守護する義務持っている国民の代表である「総理大臣」が、5月3日の憲法記念日に公開憲法フォーラムに寄せたビデオメッセージにおいて、元号が代わったことに触れて改憲論議の加速を促しました。

安倍首相は、「2020年の新憲法施行」と「自ら改憲の先頭に立つ」ことを表明したのです。

今年の夏には参議院選挙があります。改憲には残された時間は少ししかありません。

改憲を発議できる3分の2以上の議席を維持した場合、野党の反対を押し切って改憲手続きを進めるシナリオです。

自民党主流派が求める改憲案は自衛隊を日本憲法第9条に明記するというのです。

国民は自国を守る自衛隊を憲法違反であるとは考えていません。

日本は自国は自分の力で守る専守防衛の国です。

3年前に、安全保障法の改正で、本土防衛を外れた国外での違憲的な集団的自衛権行使が容認されました。

他国軍との救出や警護協力、海外への隊員派遣、米空軍の特殊作戦用の輸送機オスプレイ、最新鋭ステレス戦闘機、地上配備型イージス・ショア等の購入できるようになりました。

先月末、トランプ米国大統領が4日間、日本に来訪して高価な兵器を大量に売りつけて行きました。

安倍内閣で昨年閣議決定された年間5兆円超の中期防衛計画(2019~23)から軍備増強を見て行きます。

イージス・アショア迎撃システム2基は2404億円と、米軍による同機の維持費用は別に2000億円が日本の負担です。

ステレス戦闘機F35Aは合計147機取得予定で、これを保有すれば日本が世界第二位になります。

これを取得するには631億円掛かります。

地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」2隻は、秋田県と山口県に配備を予定しています。

1基当たり維持費を含めて1224億円が掛かります。そのメンテナンスは米軍が請け負います。

迎撃システムは基地住民には強力な電磁波による健康被害心配されます。

潜水艦は一隻約647億円を5隻取得予定していす。

無人偵察機グローバルホークは173億円掛かります。

偵察機は電子線能力向上のための改修費は1基35億円掛かりますが、20基実施予定です。

輸送機オスプレイはもはや新悦軍用機ではありません。整備でも問題が多くあり事故も絶えません。

米国で製造したオスプレイの残りは米で必要なく、総て日本に押し付けようとしています。

トランプ大統領の膨大な武器売り込みを、唯々諾々と引き受ける安倍首相には困ったものです。

大統領の日本訪問での最後の日程は、海上自衛隊横須賀基地に停泊中のヘリコプター搭載型護衛艦「かが」の船上です。

その船上では、安倍首相が同席しました。

大統領は、日本の海上自衛隊や米海軍の隊員ら500人を前に「日米両国の軍隊は、世界中で一緒に訓練し、活動している。」と述べました。

このニュースは世界中に報道され、自衛隊は世界のあらゆる地域に派遣されて、世界の紛争地で米軍と共に戦っていることを示しました。

一体化した日米地位協定の不条理がより鮮明になりました。

沖縄県が2年をかけて調査した欧州各国との比較では、米軍の活動に国内法を原則適用しないのは日本だけでした。

北大西洋条約機構本部があるベルギーは、憲法で外国軍の活動を基本的に制限して、外国軍用機の飛行には自国軍より厳しい規制を設けています。

敗戦国のドイツ、イタリアも含め欧州各国が米軍基地の管理権を自国で確保し、訓練や演習に主体的に関与しています。

日本の米軍管理の立場は、これとは正反対です。

日本では外国軍の活動について、根拠となる国際法がなく、派遣国と受け入れ国の間で個別の取り決めがない限り、受け入れ国の法令は適用されません。

沖縄では、年1件以上の米軍機の墜落事故、月1件以上の事件事故の捜査が日本の手で十分に行うことができません。

本土でも横田空域の返還が進まず、飛行機事故再発防止策が進んでいません。

政府の米国への「貢ぎ物」は軍事に限りません。

大坂への総合型リゾート施設(IR)は、トランプ氏の有力支援者米大手カジノ会社シェルドン・アデルソン氏が、日本での参入を目指しているとの情報があります。

大阪府が誘致を予定するカジノを、賭博であるカジノは日本に導入すべきではありません。

日本では米安保体制での一体化の度が過ぎます。

憲法9条の戦争放棄を明示した日本が、原爆の被爆国であることから、専守防衛を基本として自衛隊を持っていることを米国に強く主張すべきです。

蘇生


日本人の平均寿命80.67歳を超えました。中高大学校同級生はまだ半数以上います。戦争を知る老人は、日本について語る場が無くなりました。

憲法は、アメリカのマッカーサーに準備してもらったかもしれませんが、一院制を二院制に、土地を国有から私有に替えたのは帝国議会草案でした。 議会の審議では自衛戦争の放棄は草案の中にあり、吉田首相も正当防衛や、国の防衛権による戦争もしないと壇上で明確に述べていました。 草案は、衆議院は反対八票の絶対多数で、貴族院の満場一致で可決しました。 ただし、衆議院では九条二項に「前項の目的を達するため」を加えて修正しました。二項は戦力を保持しないとしており、後に、自衛のための戦力が議論されることになりました。 憲法改正から68年の昨年は、安保法改正で国会や、法律家、若者、お母さんが、戦争を意識させるとして、議論されるようになりました。 平和は、日本だけでなく、世界中が戦争をしない国にしないと続きません。しっかりと政治を見て行きたいと思います。