私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

あなたはテロを憎みますか。私は過激派に「憎しみと言う贈り物を贈らない。」過激派を増やさないために。

2015年11月21日 | 国際協調

 

単線駅の日暮れ時 

パリでの同時多発テロは、劇場や国立競技場など6か所に銃を持って押し入り、128人の死者と300人の負傷者を出しました。劇場にコンサートを聴きに行っていた女性をなくした夫はフェイスブックに「私の憎しみを君たちに与えない」と投稿しました。

テロ被害者の夫はフランスのジャーナリストですが、フェイスブックで最愛の妻を亡くした悲しみに触れつつも、憎しみを超えて、残された息子と共に「自由」であり続ける大切さを訴えています。

そして、夫は犯人に対しては「君たちに憎しみと言う贈り物を贈らない。君たちはそれを望むだろうが、怒りでで答えることは、君たちと同じ無知に屈することになってしまう。」として、犯人が望む、犯行に恐怖心を持って、人を疑いの目で見たり、安全のために自由を犠牲にすることはないので、犯人の負けだと書いています。

フランスのジャーナリストの投稿は、フェイスブックで世界中で共有され共感されています。テロを無くする投稿です。これに対し世界各国には即効策がないのに、威嚇を拡散しています。

残虐なテロ行為が繰り返される国際社会において、テロを防ぐことは難しく、今回のテロ直後にトルコで開催された20か国地域首脳会合(G20)においてロシア、中国を含む共同声明で外国人戦闘員の流入を防ぐ情報共有化、資金源を断つ措置を打ち出しました。

224人が犠牲になったロシア機墜落についても、ISの爆弾テロだったことが明らかになって、ロシアが加わった米仏のシリアへの空爆に、更に、今まで慎重だった英国も前向きな姿勢に転じて、IS包囲網が出来上がり、国際連帯が強化されました。

19日閉幕のフイリッピンのマニラで開かれた太平洋経済協力会議(APEC)でも、テロは世界経済の不安定化につながるとして、テロの資金源を断つ共同声明を採択しました。

この様な国際的結束で国境管理を強化しても、イスラム国(IS)は既に欧州など各国に潜入して「テロリスト予備軍」が形成されており、パリでの同時多発テロと同じような欧州やアフリカ諸国でのテロ防止には無力です。

威嚇射撃や空爆は、テロを終わらせることはありません。

それは20年前のイラク戦争がイスラム国誕生に繋がったことからもで明らかです。イスラム国のテロやサダム・フセインと米欧ロの威嚇射撃や空爆は同じ発想から来ています。町や住まいを破壊し難民を増やすだけです。

莫大な軍事費を使って、町や工場、市民や工員の命を奪って、平和や経済成長が図れるのでしょうか。20世紀に経験した幾多の戦争を見れば、負けた国ばかりでなく、勝った国も沢山の命と大きな損失を負っています。

連合国とISのこの戦争は、どちらも勝負が着く戦争ではありません。

21世紀のテロとの戦いでは、武力行使は止めるべきです。被害ばかりが双方に膨らんで、憎しみばかり増大させます。民主主義を育てて来たフランスは、避難民と共存して自由、友愛、平等を守る必要があります。

世界各国は、9・11の飛行機テロとパリの多発テロを経験したのです。

地球も傷んできました。資源も枯渇し、環境悪化も進み、70億の人口を養いきれません。   最早、資本主義も共産主義も帝国主義も民族主義も機能しません。

ミャンマーを見習って、国連を機能する連合体に作り直して、無駄な戦争を今すぐに止めましょう。

成長、進歩の経済政策は限界に来ています。地球は老齢期に入ったのです。成熟、保護、安定の社会に舵を代えて、富を求めず、急がず、競争はせず、贅沢をせず、憎しみを消すことです。

日本は、敗戦後、連合国が提供した平和、自由、平等主義を憲法にして70年の間、武器を使うことなく平和な暮らしをしてきました。外国とも良好な関係を維持してきました。

国連の安全保障理事会は20日、パリ同時多発テロを強く非難し、国際社会が団結してISと戦う決意を示す決議をしました。決議は、ISが広範囲に民間人への攻撃を続けていること、戦闘員の勧誘や訓練して、さらなる攻撃意思があるとしてテロに対抗するとしています。

国連の安全保障理事会は、テロ被害を非難するのでなく、20世紀に延々と繰り返してきた戦争と破壊を止めて、21世紀では、連合国の方から戦闘を無くする方策を協議することが、テロをなくする何より大切なことではありませんか。

国連とISは、互いに相手を非難することでなく、武器での解決や、この悪の連鎖を断ち切り、戦争と破壊を無くする責務があります。

過激派の憎しみの原因は、抑圧や格差、貧困、差別があるからです。この憎しみの原因を作っているのは有志連合国ではないでしょうか。

テロ防止有志連合国は、冒頭のテロ被害者の夫の言葉「君達に憎しみと言う贈り物を贈らない」を、同じテロ被害国として肝に銘じて欲しいと思います。

蘇生

 

 


安倍政権への批判が、各所で問題化されて、表現の自由や集会・結社の自由を奪っています。

2015年11月06日 | 憲法

 

 各務原飛行場 航空祭飛行給油シーン 

日本が大正末期から昭和にかけて、治安維持法ができて国体の変革を目的とした結社を組織したり、それを支援したりした者は、死刑その他の重罪に処せられることになりました。

国家総動員法で忠君愛国、大政翼賛、一億総決起という掛け声の下、少しでも治安維持法に反する言動をした者は非国民扱いされました。

安倍政権の安全保障法制と特定秘密保護は、戦前の国体の変革を目的とする行動を取り締まる治安維持法とは、憲法や法律を守る立場が、保守と革新、国家と国民の立場が逆転しました。

政府と国会が違憲解釈、違法な審理によって自衛隊員と国民の人権と命を侵害しようとしているのです。

政権が自衛隊を外国に派遣し、戦闘を欧米と共同して、武器を輸出しようとして憲法を都合よく解釈するのに対し、学者や市民は70年間守ってきた平和憲法を守り外国での戦争をさせない運動をしています。裁かれなければならないのは、政権の方です。

攻守が変わっても政治状況は100年前に似て来ました。憲法を擁護すべき政権が違憲立法を強行し、その憲法を守ろうとする研究者、学者、国民・市民・学生・母親の活動が政権により自由と人権を制限されようとしています。

日本の平和を守るために、1万4千人を超える日本を代表する全国の学者・研究者だ加わる「安全保障関連法に反対する学者の会」が学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)」とともに大学でシンポジュウムを企画しました。

学者の会は、立教大学池袋キャンパスの使用を申し込みましたが、立教大学側は主催者側団体は従前の活動から見て政治的な意味を持つとして会場の使用を不可としました。

学者の会は、法政大学の市ヶ谷キャンパスを代替会場にして実施しました。

立教大学は、自らのホームページで「自由の学府」「開かれた大学」を強調して、今年になって憲法学者らによる「全国憲法研究会」講演会を開いていたのに今回の会場使用申し込み拒否は 不可解です。

明治大学でも昨年、日本ジャーナリスト会議やマスコミ「九条の会」が平和をテーマに企画した集会で会場使用が拒否されています。

「大学は開かれた公共機関」であるはずです。「学者の会」は研究者たちが学術的視点から憲法問題を語る集まりです。会場使用拒否は、学内での自由な意見交換ができる空気を無くなしてしまいます。

「大学の自治」の危機です。自由は人の根源的な思想です。人を育む大学で自由を軽んじて自由で豊かな発想が生まれるのでしょうか。

最近、放送大学において日本美術史の単位取得の認定する試験問題で、戦時中に弾圧を受けた画家らについて出題して、その冒頭に「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的というが、ほとんどの戦争はそういう口実で起こる。」と記述しました。

この記述部分を大学側は、試験実施後、学内専用サイトで公開する際に削除しました。出題した教授は「自分自身の問題としてとらえてほしいと思った。」として削除されたことについて、試験問題まで制約を受けることについて極めて遺憾としています。

政権や与党への批判の例として、道教職員組合が組合員に配布したクリアファイルに「アベ政治を許さない。」と書いてあったことで、道教委が政治的行為として問題にしている。

JR駅トイレに安倍首相は「戦争好き」などと揶揄する落書きを、警視庁が器物損壊事件として捜査している。

道教委が、教員の政治的行為で組合活動でないとし、警視庁が、落書きで捜査・逮捕。現政権や与党が実施することが、重要事項で国民が納得することであれば、批判や反発は出ません。組合員に配布されたクリアファイルや、駅の落書きに目くじらを立てることではないと思います。

政権や与党が自信をもって、国の平和と国民の安全と命を守る法律を作ったのであれば、組合員に配布したビラや駅の壁の落書程度で問題にすることではありません。配付の方法や、壁の落書きが消せないときに問題にするの仕方がありません。

心配なのは、改正学校教育法が施行になって、私立大学を含め学長のリーダーシップ強化が盛り込まれ、学長や教育長などは大学運営が権力者に意をくむ忖度が広く蔓延していることです。この傾向は、NHKなどメディア各社にも通じる動きです。

NHKの報道番組「クローズアップ現代」でやらせがあったとして、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は11月6日にNHKに対して厳重注意をした総務省や、幹部を事情聴取した自民党を「極めて遺憾」「圧力そのもの」と厳しく批判しました。

検証委員会が政府・与党を批判することは極めて異例なことです。放送業界が作った第3者機関が権力の介入に強く警鐘を鳴らす形になりました。

BPOの検証委員会の批判に対し、高市総務相は「行政指導は法律上の拘束力がなく、相手方の自主的な協力を前提としている。」と述べています。報道の自由・表現の自由は、政府の介入を受けず、放送局側が自ら誤りを是正する「自律」により保障されます。

集団的自衛権は、日本では違憲であることを憲法研究者・法案に反対する学者の会・明日の自由を守る若手弁護士の会・NGO非戦ネットなどが明確にしています。この人たちの草の根の抗議が広がっているのに、安倍政権と国会には届きません。

政権は、日本が戦前に目指した大東亜戦争を反省することなく、再び、米国と世界に伍していき自衛隊を他国軍との憲法違反の集団的自衛権の行使するため地球的規模の連携に着手しました。

防衛大臣は、今月に入り日米両政府による新機関の運用開始で「共同計画」作りを始めました。

日本の経済力に不安が広がっている時期に、政権は何を急いでどこへ行くと言うのでしょう。 参院選まではこのままの勢いを続けられても、景気下降がまだ続きGOP600兆は霞んでしまい一億総活躍社会の新3本の矢は見事に外れて折れることが心配です。

蘇生

 

 

 

 

 

 


日本人の平均寿命80.67歳を超えました。中高大学校同級生はまだ半数以上います。戦争を知る老人は、日本について語る場が無くなりました。

憲法は、アメリカのマッカーサーに準備してもらったかもしれませんが、一院制を二院制に、土地を国有から私有に替えたのは帝国議会草案でした。 議会の審議では自衛戦争の放棄は草案の中にあり、吉田首相も正当防衛や、国の防衛権による戦争もしないと壇上で明確に述べていました。 草案は、衆議院は反対八票の絶対多数で、貴族院の満場一致で可決しました。 ただし、衆議院では九条二項に「前項の目的を達するため」を加えて修正しました。二項は戦力を保持しないとしており、後に、自衛のための戦力が議論されることになりました。 憲法改正から68年の昨年は、安保法改正で国会や、法律家、若者、お母さんが、戦争を意識させるとして、議論されるようになりました。 平和は、日本だけでなく、世界中が戦争をしない国にしないと続きません。しっかりと政治を見て行きたいと思います。