私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

日本を戦争に巻き込む、空母カールビンソンと自衛隊の共同訓練開始。

2017年04月26日 | 戦争責任

 

海上自衛隊は23日、朝鮮半島に向かっている米海軍の原子力空母カール・ビンソン打撃軍艦隊と西太平洋上で共同巡航訓練を開始しました。

海上自衛隊からは、護衛艦「さみだれ」とイージス護衛艦「あしがら」の2隻が参加し、フィリピン沖で合流しました。

参加艦艇は東シナ海を北上しながら、同一指揮下で陣形を整える戦術運動訓練や、通信訓練などを行うことで「日米連携のプレゼンス」を誇示します。

この訓練は、朝鮮人民軍の創設85周年記念日の25日に予想した軍事的挑発を牽制する狙いがありました。

空母カール・ビンソンは今月8日シンガポールを出港し、当初予定したオーストラリアから朝鮮半島に進路を急に変更したもので、変更は北朝鮮の核開発、新型弾道ミサイル発射の挑発を警戒する中で行われました。

トランプ大統領と安倍首相は、北朝鮮に挑発行為の自制を求めて今月の6、9、24日の3回電話会議をしています。

北朝鮮に対して国連安保理事会や、中国はじめま関係国と連携していく他、首相は、米政権が対北朝鮮には軍事行動をも排除しない政策を高く評価すると伝えました。

米空母カール・ビンソンと海上自衛隊が、朝鮮半島危機の最中、北朝鮮の目と鼻の先の海上で「共同訓練」を行うことは、実際には、自衛隊を米軍による北朝鮮軍への先制攻撃をアシストさせ、なし崩し的に米朝戦争に参戦させるシナリオになっていたものと思われます。

政府は昨年12月末に国家安全保障会議が開き、自衛隊法第95条の2の運用に関する指針を決定しました。この指針は、安保法改正で日本が北朝鮮に対して武器使用を可能にするために規定された疑いがあります。

安保法改正で新設した95条の2は、自衛隊の武器使用条件を米軍など外国軍との共同武器警護に拡大したのです。

そして運用基準として、自衛隊の武器使用が可能な「我が国の防衛に資する活動」として

(ア) 弾道ミサイルの警戒を含む情報収集・警戒監視活動                   (イ) 我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に際し行われる輸送、補給等の活動                                  (ウ) 我が国を防衛するために必要な能力を向上させるための共同訓練

の3点が規定されて、 カール・ビンソン艦の「武器防護」が可能になり、北朝鮮に対して「武器使用」で可能になりました。

注目されるのは、空母カール・ビンソンとの「共同訓練」が、朝鮮半島有事への布石として日本側から安保法制の実績作りをしようとして、安倍首相官邸主導で働きかけて進められたことです。

このように新安保改定は、日本がなし崩し的に米朝戦争に引きずり込まれて行くのです。

北朝鮮は、現時点では在日米軍基地への報復攻撃を宣言していますが、自衛隊がもし北朝鮮を相手に米戦艦と武器を使えば、北朝鮮は日本を敵国として、日本全土をミサイル攻撃の対象にするでしよう。

ペンス米副大統領が日本を訪れ、19日には米海軍横須賀基地に寄港の原子力空母ロナルド・レーガン艦で米兵と海上自衛隊2600人を前に演説で「日米同盟は地域安定の礎だ。全戦力で日本を防衛する」と述べました。

そして、北朝鮮の軍事的挑発に対する牽制から「力による平和」を追求するトランプ政権の基本戦略を前面にしたシリア空軍基地攻撃を北朝鮮にも適用することを排除しませんでしたが、日韓など中国とも連携・協力して北朝鮮攻撃の動揺を抑える動きを見せました。

米高官ペンス米副大統領の米朝の衝突回避したい意向が示されたことは、緊迫した状況にある中で北朝鮮の強硬策は軽率には取れないと思われます。

日本にとって現在必要なことは、東南アジア諸国との平和と安全を確保し、中国とロシアの協力を得て、話し合い、どんな理由があろうとも、戦争を回避し、国民に血を流させないことです。

安倍首相が目指すのは、日米同盟による、軍隊を強化し、国民の生命や生活より、一部の軍事産業のために国民を利用するだけです。

アメリカの先制攻撃に手を貸してはいけません。米軍空母との共同訓練は戦争を誘発します。 メディアで国民に恐怖心を与えて、日本国民の戦意を高揚させてはいけません。

戦前の日本政府、ドイツのナチス時代を学習して、反省し、武力を行使することがないように新安保法を廃棄して、憲法改悪を阻止しましょう。

蘇生

 

 

 


真珠湾攻撃から75年を迎えて、安倍首相の大戦の犠牲者を慰霊して「不戦の誓い」「和解の力」を協調しました。次は中国とアジア諸国への慰霊が欠かせません。

2016年12月06日 | 戦争責任

 

 横浜港大桟橋

安倍首相は、今月26日に旧日本兵による真珠湾攻撃で沈没した米戦艦アリゾナの残骸があるアリゾナ記念館にオバマ米大統領と訪れ、大戦の犠牲者を慰霊するという。

米ホワイトハウスは「かっての敵同士を共有する価値観により結束させ、最も緊密な同盟国に変えた和解の力を示す機会となる」ことを強調しました。

安倍首相は、ハワイ・オアフ島の真珠湾で「2度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。その未来に向けた決意を示したい」と語りました。

年末の公務多忙なこの時期に、突如、計画された日米両政府首脳の訪問は、安倍首相の4月訪米時の米議会演説と、8月の戦後70年談話発表、オバマ大統領の広島訪問時から検討されて来て、首相が先月ペルーの首都でオバマ大統領に会った際の立ち話で、決めたことを明らかにしました。

この訪問は、次期米大統領にトランプ氏が当選し、選挙ではトランプ氏が日本との同盟関係の見直しを示唆していたことが念頭にありました。

安倍首相はトランプ次期大統領に、日本が一方的に太平洋戦争を起こした真珠湾に出かけて 「日米和解の価値を世界に発信する機会にした。」と述べたいのです。

首相と大統領が、双方国内にはこの訪問に反対する意見が多くある中で、太平洋戦争で多くの犠牲者を出したハワイ・オアフ島を「相互訪問」することになったのです。

来年発足のトランプ政権との良好な関係維持のために、私も大いに歓迎したいと思います。

首相は、「真珠湾訪問では、戦争の犠牲者に心からの哀悼の意を表するとともに、戦後日本が歩んできた平和国家を国際社会に発信する好機である。」としています。

戦争の反省の下に「戦後70年間歩んできた平和国家日本」の自衛隊は、新憲法第9条の「武力の不行使」を守って来ました。

昨年、その憲法に反する集団的自衛権の行使を閣議決定し、国会で強行採決した首相の言葉とは思えない立派な「不戦の誓い」です。この言行不一致は、厚顔無恥、虚言癖、大風呂敷に見えます。

真珠湾攻撃では日本空軍が宣戦布告なしで、ハワイ・オアフ島に戦闘機による奇襲攻撃を加えて、約2400人の米国人を死亡させ、戦艦アリゾナの沈没で搭乗兵1177人の命を奪いました。

12月8日にオアフ島アリゾナ記念館で行われた真珠湾攻撃75年追悼式典において、生き残った元米兵150人が参列して、安倍首相が年末の26日にオアフ島を訪問することが遅くなったと怒ることや恨みを口にすることもなく、多くは賛意を示していることに感動を覚えました。

一方では首相が進めている安全保障関連法に基ずく自衛隊海外派兵や、南スーダンでの内戦ではPKO部隊での「駆けつけ警護」他国軍との「宿営地の共同防護」が具体化しています。

日本国憲法の下で自衛隊が守ってきた「自衛のための武器行使」と集団的自衛権の行使は矛盾しないのでしょうか。

オバマ大統領の「原爆不使用宣言」と安倍首相の「不戦の誓い」は、世界各国やAUが同盟・協調・共助から自国優先主義・保守主義に転じ、国内・国外に紛争を抱えている時期に表明するのは素晴らしいことです。

真珠湾訪問を自衛隊員はどの様の見ているでしょうか。

隊員の肉声は聞けませんが、新聞によると元隊員や家族の意見は、安全保障関連法の国会審議や、強行的な法案可決を見ていると、真珠湾攻撃を実施した当時の内閣の動向と非常に類似しており、将来の自衛隊の先行きを心配をされています。

世界が景気も良く、経済成長率が高い時代は、先進国がリードして生産性向上によって、後進国を援助して、労働力を確保できました。

しかし、現在の日本は強い経済力や軍事力を作ろうと背伸びして、企業は利益を追求して非正規雇用を増やして格差社会と貧困層を増やしてしまいました。

地球の未来は市場原理主義の台頭で、格差社会が常態化し、社会保障を軸にした再分配システムも機能不全に陥っております。

英ではAU脱退表明、米では共和党トランプ氏の当選、オーストリア極右派の自由党ホーファー氏は僅かの差で大統領選挙落選、イタリアでは憲法改正国民投票で右派政党「五つ星運動」「北部同盟」が憲法改正を阻止しました。

格差社会の拡大、難民、移民政策の行き詰まりで保守主義、極右勢力が拡大し、先進国までが貧困層の大幅な拡大により、ポピュリストの扇動があり世界は大きく右傾化しようとしています。

今こそ過去の歴史を丹念に検証し、各国は国際連合に結集して安全保障常任理事国は解体して、国連全体により多数決原理により、コロンビアの内戦のように紛争国を「和解の道」に向けたいものです。

日本は、75年前の真珠湾攻撃を思い出して憲法改正を持ち出すことなく、安倍首相の「不戦の誓い」を堅持して、集団的自衛権を排し「和解の力」を「国際紛争を解決する手段」として自衛隊の武力は使用すべきでないことを確認したいと思います。

12月26日追記。日米両首脳、真珠湾で戦争犠牲者を慰霊

日米両政府首脳はハワイ・オアフ島を訪問して、先の大戦の犠牲者を慰霊して日米両国が「和解の力」で強固な同盟関係を築いたことを協調しました。

予想通り、両首脳が過去に区切りをつける「未来志向」を優先する同盟を評価しました。

この「和解の力」が米国第一主義をとるトランプ次期政権に通用するのでしょうか。   キューバ、南スーダン、ウクライナ、シリアに対して安倍首相の「不戦の誓い」が有効に機能するかのでしょうか。

南スーダンへの武器禁輸の制裁決議案に日本は、南スーダン政府が反発しているとして支持をせず、制裁案は否決になり英米仏から批判をうけています。南スーダンでは民族間憎悪が深まり大量虐殺の心配が懸念されており武器禁輸の決議採択が望まれます。

安倍首相の美しい言葉でする演説は、国会での平和法制の審議での言行不一致、厚顔無恥、大風呂敷であっても、真珠湾演説の中身も首相を知らない若い人には、世界に一つだけの花、申し分のない指導者の演説に映ります。

安倍首相がいれば日本だけでなく世界中が、瞬く間に全ての紛争国において和解が出来てしまうような幻想を受けます。

首相が、日本国内でもう少し国民の気持ちに近づき、真珠湾演説で戦争の犠牲者の慰霊に示した深い誠意を、国民や沖縄県民、少数野党議員にも示して欲しいものです。

蘇生

 


71回終戦の日に、世界中の国が、「核廃絶の道」、「世界恒久平和」に結集しよう。

2016年08月15日 | 戦争責任

 

 犬山花火大会

日本は、71回目の終戦の日を迎えました。終戦の日を知っている昭和生まれの人は、国民の1割となって、終戦の日に何があったのか、戦争を知らない人が多くなりました。 

過去の3代同居家族は70年間に極端に核家族化して、世代間の共存が無くなり、平和が長続きすると、苦難、貧乏、戦争がどうして起きるのか、理解することはできなくなります。

国家ができると資源と利害の対立を呼び、戦争を引き起こします。敵味方は互いに人で無くなり物(兵器、戦闘機、戦艦、爆弾)としか見えなくなって、国家と国民の間に大きな解離性を生みます。

18・19世紀には産業革命がおこり帝国主義による植民地支配が始まります。

20世紀の暗い戦争体験を持った祖父母や父母は、手柄にならない負け戦を自己の子や孫に伝えて来ませんでした。

団塊の世代とその子は、原爆の恐ろしさ、兵器の巨大化による無差別大量殺傷、根こそぎ動員、特攻隊、集団自決、玉砕が理解できない原因です。

戦争を経験した人は、誰一人として、その勝敗にかかわらず、戦争が国や家族を守ってくれるとは思っていません。

戦争を経験した年寄りは、その殆どが今は平和主義者です。戦争を始めた為政者と共に敵を倒すために、国の1億総動員令で戦争に協力してきた反省からです。

最近、亡くなった永六輔さん、大橋巨泉さんは、国民的な作曲家、司会者ですが、戦争に協力した反省からでしょう。憲法9条の擁護を死の直前まで、本や遺言に書いています。

今日の新聞を見ても、戦争についてあらゆる角度から、戦争を無くする特集を組んでいます。どれも戦争に無関心な国民に貴重な情報を提供しています。

中日新聞は、社説で、英国の新首相メイ氏が、野党議員の核搭載の原潜4隻の更新に関しての次の質問に対してその回答を取り上げました。

「罪のない男女や子供、10万人を超す人を殺すかもしれないが、あなたは潜水艦発射型弾道ミサイルの核兵器発射スイッチを押す覚悟がありますか。」

メイ首相は即座に「あります。抑止力とは我々にその用意があると敵に知らせることです。」と答えました。核兵器の行使は首相のみが、命令できるのです。敵がいるから抑止力が必要のようです。

野党議員の意見は「核兵器なき世界の実現方法では意見が分かれるが、大量破壊兵器の抑止が正しい方法ではない。」と主張しました。

今、世界に存在する核兵器は9か国に15300個あります。地球上の全都市に1個ずつ落としても余る量の核兵器が抑止力になると真面目に答えるG7の首相は笑止千万だと言えないか。

原潜基地があるスコットランドの地元では、核は要らないとする意見が出ています。

米国オバマ大統領は、5月に日本の伊勢志摩サミットに来て、被爆地広島訪問をして、核兵器のない世界ビジョンを提起しましたが、9月にもCTBTへ核実験禁止決議案を提出する方針です。

被爆者も高齢化しています。核廃絶は、世界中に多発テロ、難民問題、宗教対立が広がりを見せているこの時期にこそ、少しでも早く国際解決を図ってほしいと思います。

北朝鮮の核開発については、関係6か国会議を早急に開いて、更なる核開発をやめさせりために北朝鮮に経済協力を進めることから始めたい。

安倍首相は戦後70年談話の後で、「不戦の誓いを堅持していくことが、最も重要なメッセージだ」と説明しました。口先だけでなく、海外の自衛隊員の安全を確保するため、危険地区に入るときには、慎重にお願いします。

「不戦の誓い」を堅持するのであれば、海外へは軍隊ではない、警察官や企業の警備員を国費で派遣することが求められています。

蘇生

 

 


米国元大統領トルーマンは、原爆投下の指示して広島・長崎市民35万人殺害したが、終戦で両国兵士と住人の命約1000万人を助けた。

2016年08月07日 | 戦争責任

 

愛知県江南市 すいとぴあ江南から養老山脈を望む 

NHKは広島原爆の日に「決断なき原爆投下」と題してアメリカが日本の広島市に原子爆弾を投下した状況を資料と証言で明らかにしました。

ルーズベルト大統領の急死で、副大統領のトルーマンが大統領になり、僅か4か月後の広島への原爆投下を指示しましたが、短期間に、どうして決断したのか。

マンハッタン原爆開発計画は秘密裏に進められ、軍部のグローブズ准将が主導して科学者オッペンハイマーなど、多くの学者と最高責任者のルーズベルト大統領の間で進められました。

トルーマン大統領就任の10日後、グローブズ准将は大統領執務室にトルーマンを訪ねて、マンハッタン計画書を示します。大統領は原爆開発計画書は見たくないと言います。

准将は一旦始めた計画や作戦は止められないので、大統領の机上に置いて帰ります。

1か月後、ナチスが降伏直前になり、グローブズ准将はトルーマン大統領に手紙を送り「原爆投下目標検討委員会の方針」を送ります。

原爆投下目標検討委員会は、広島は、人口集中地域5キロ以内、周囲に山があり収束作用があるとして適地とします。

しかし、グローブズ准将は5月末以降、陸軍長官スティムソンに6回以上会って、目標地を広島でなく京都にしたいと伝えます。

スティムソンは、グローブズ准将に「ヒットラーの残虐性と変わらない行為、無差別都市攻撃により原爆投下することにならないか。」京都はだめだ。と答えています。

トルーマン大統領は、戦争が長引くことの不安から、自国の兵士の犠牲の拡大の心配もあり、ナチスの敗戦間近であったことがあり、無差別大量破壊攻撃と非難を受けたくないとの思いが強くあったのです。

この後、トルーマン大統領は、戦争を早く終わらせて、米兵を救うためには原爆投下もやむをえないと決断しました。

その判断の後から、トルーマンは「日本市民の犠牲を少なくしたい。」「日本の女性や子供には慈悲の思いがある。」「攻撃は対象は軍事施設にしたい。」と言っていました。

日本国民の戦後の評判では、マカーサー司令官に較べると、トルーマンは南洋諸島や沖縄での戦闘、内地の都市無作為爆撃を見ていたので、悪い大統領だと思っていました。

しかし、私はNHKジャーナルを見て、トルーマン大統領を人間的に見直しています。

NHKジャーナルが「決断なき原爆投下」と題していますが、大統領の決断をテーマにする意味も分かりますが、原爆を兵器にした科学者達も、人を殺すためだけでなく、戦争をいかに早く終わらせるかを考えて作ったとしたら凄いと思います。

日本に原爆投下をしたことをトルーマン大統領は、太平洋戦後、米国での演説で自己弁護であるかも知りませんが、広島と長崎の2個の原爆は、終戦により、米兵と日本で50万人の命を救ったと述べています。

2個の原爆を見るまでは、日本国民1億人総動員令で、本土決戦を覚悟をしていました。

長崎から6日後の、天皇陛下の「終戦の勅語」を受け入れる人は少なかったことからも、本土決戦の神風が止むまでに日米双方で1000万人以上の戦死者を出したのでないでしょうか。

私たちが今、平和に生きていることを、トルーマン大統領の決断に感謝しなければなりません。

蘇生

 

 


天皇陛下のフィリピン訪問の期に、両国の戦没者に慰霊して、天皇と一緒に戦争をしないことを誓いましょう。

2016年01月31日 | 戦争責任

 

各務原市 学びの森の雪景色 

このたびの天皇陛下のフィイリッピンへのご訪問は「慰霊の旅」と聞いていましたが、太平洋戦争の当事国でないフィリピン人が日米戦に巻き込まれて死者が111万人も出たことを知って、愕然としています。

太平洋戦争の被害は、中国と東南アジア諸国に多大な被害を与えていることは承知していました。南洋諸島の戦いでは、米日が陸・海・空軍の戦争をしていたのだと思っていました。

私が生まれた昭和12年(以下昭和を省略)頃より、日本陸海空軍が戦力を強化し、国は、私の先祖の農地も飛行場に取り上げ、大事な父親まで戦闘機造りに徴集し、太平洋戦争開戦の3か月前に飛行機墜落で死亡しました。

親が亡くなった私は、フィリピン戦争のことは殆ど誰からも聞いていません。戦後の日本では、戦争について語る大人は私の周囲にはいませんでした。学校の教科書でも太平洋戦争の詳細については、全く取り上げて教育していませんでした。

私の4歳年上である天皇のフィリピンご訪問は、日本兵の慰霊の旅程度に思っていたのです。

天皇は出発前に空港において「マニラの市街戦においては、膨大な数に及ぶ無辜のフィリピン市民が犠牲になりました。私どもはこのことを常に心におき、この度の訪問を果たしていきたいと思っています。」と述べられました。

多くの死者を出したマニラ市街・レイテ島戦は、終戦の年の10~3月の6っか月間に死者は、米軍が1010人、日本軍が1万6000人、マニラ市民が10万人出ました。「東洋の真珠」と言われたマニラ市街も灰塵となりました。

フィリピンが終戦後の22年に日本軍のBC級戦犯151人を米軍から引き取り、2年間に亘る裁判で軍人79人を死刑判決にしました。

フィリピンの判決は、日本軍の民間人殺害に対しては厳罰でしたが、28年にキリノ大統領による寛大な恩赦により、死刑囚を含む108人が日本に帰国しました。

フィリピン戦中にキリノ氏は妻と3人の子供を日本軍に殺されましたが、そのキリノ大統領が 死刑囚に恩赦を命じたのです。

大統領の孫は後に日本の記者に、祖父が恩赦を命じたのは「国家の罪を、兵士個人に負わせてはならないと考えたのでしょう。フィリピンの復興には日本との良好な関係が不可欠だったこともありました。」と述べていました。

フィリピンのアキノ大統領は、今回の晩餐会のあいさつで、「天皇皇后両陛下に畏敬の念を抱いたのは、生まれながら国民から負託された重荷を担い、両国の歴史に影を落とした時期に他者が下した決断の重みを背負ってこられたということです。」と、両国の揺るぎない関係を築いてきたことに感謝と礼を述べています。

今、世界中で戦争やテロがなくならない時、苦痛や憎しみを原爆や空爆による破壊でもって、相手国に更なる恐怖心を増進する戦争を続けていてよいのでしょうか。

天皇陛下とキリノ大統領の戦争の処理策、過去の戦争の悲しい思いを知り、国を預かる者はこの歴史を学んで考えを深めて行かなくてはいけません。

フィリピン戦の概略は次の通りです。17年1月日本軍がマニラを占領。同年4月米軍降伏、バターン死の行進。18年1月フィリピン独立。19年10月レイテ島で日本軍敗北。20年2月マッカーサーがレイテに上陸。この3年間で双方116万8千人が戦闘で亡くなりました。

天皇が悲しい歴史を見つめておられることには、敬意を表します。私を始めほとんどの国民は、天皇の「慰霊の旅」に、歴史を学ぶ大切さと、平和の尊さを理解していなかったと思います。

中東和平を念じつつ、これからは平和に対する願いを、子孫に継承して行くことに心がけたいと思います。

蘇生


日本人の平均寿命80.67歳を超えました。中高大学校同級生はまだ半数以上います。戦争を知る老人は、日本について語る場が無くなりました。

憲法は、アメリカのマッカーサーに準備してもらったかもしれませんが、一院制を二院制に、土地を国有から私有に替えたのは帝国議会草案でした。 議会の審議では自衛戦争の放棄は草案の中にあり、吉田首相も正当防衛や、国の防衛権による戦争もしないと壇上で明確に述べていました。 草案は、衆議院は反対八票の絶対多数で、貴族院の満場一致で可決しました。 ただし、衆議院では九条二項に「前項の目的を達するため」を加えて修正しました。二項は戦力を保持しないとしており、後に、自衛のための戦力が議論されることになりました。 憲法改正から68年の昨年は、安保法改正で国会や、法律家、若者、お母さんが、戦争を意識させるとして、議論されるようになりました。 平和は、日本だけでなく、世界中が戦争をしない国にしないと続きません。しっかりと政治を見て行きたいと思います。