馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

蝉時雨 甥の自死。サンチョパンサは何を見たか? 君は天然色……

2020-09-03 23:03:28 | 日記

8月30日で介護病院で6年暮らすお袋は95歳になった。

2月初旬、松濤の介護病院へ見舞うと

車椅子に腰掛け、計算ドリルをしていた。

既に一桁足し算も間違えていた。

コロナの恐怖が人々に認識されると

病院は見舞いを閉じた。

 

お袋は既に夢遊の世界にいるので

子供達に会えない寂しさない。

私にとっては何時知らせが来るのか

落ち着かない日々。

 

 

今年の夏

激暑だ。

蝉時雨の言葉は、それだけで音を感じる。

山里、神社、寺

に歩んでいくと突然の蝉時雨。

 

15年前 夏、甥っ子が20歳で自死した。

ビルの屋上から下りた。

妻の妹 その夫

妻と私 

沈黙の葬儀をした。

若者の死を4人が受け入れることができなかった。

花々に包まれた棺を見詰めても涙は滲むこともなかった。

霊廟塔の階段を登り、納骨した。

塔を囲む木々からけたたましく蝉が鳴き出し、忽ち連鎖の鳴き蝉。

私達は、それぞれの帰り道で、無言の礼をして別れた。

甥っ子の刹那の生涯。

甥っ子が先祖になる。

だが、まだ墓石はない。

語るべき言葉はない。

夢で逢えたら 大瀧詠一


 

 

 

 

サンチョパンサは何を見たか?

君は天然色……

 
コロナを忘れたかの様に……ワイドショーはどこも、菅総理誕生と台風9号 10号の話題で満載になっている。
 
話題の運びが……如何にデジタル時代でも、
一度に一話題のアナログ処理しか出来ないのは仕方ないよね?……そんな事を考えながら……画面を眺めていた。
 
何気なCMに切り替わって流れて来たのは
作詞 松本隆 作曲 大瀧詠一 『君は天然色』
だった。アンニュイで気怠げな女性のヴォーカルによって化粧されている……。
✳~✳ 『君は天然色』の一節
 
✳ くちびるつんと尖らせて 何かたくらむ表情 は  別れの気配をポケットに匿していたから
 
机の端のポラロイド 写真に話しかけてたら
 過ぎ去った過去 しゃくだけど今より眩しい
 
想い出はモノクローム 色を点けてくれ
 もう一度 そばに来てはなやいで
 うるわしの Color Girl ✳
 
何度も何度も……蘇って来ては『新しい時代の商品』のコマーシャルメッセージを告げるこの曲の魅力……『何時聴いても新しい』、『何時聴いても懐かしい』のは何故なんだろう?
 
『はっぴいえんど』……の大瀧詠一、松本隆、細野晴臣……80年代に各々が各々の世界で活躍した……。
 
この曲の誕生したエピソードを読んでそうなのか?……と思った。大瀧詠一のLPの作詞を松本隆に依頼するも……松本隆の妹が心臓の病……
その経緯をうけて……大瀧詠一はLPなんて何時でも良いんだ。待つから納得のいくだけ妹さんの看病を……と告げたという。
 
それから数日後……妹さんは亡くなり松本隆は何をする気力も失ったという。
彼が病院を出て彷徨う様に歩いた『街並みはモノクロームの世界』だった……。
 
結局予定より8ヶ月送れて発売された大瀧詠一のLP……にはそういうエピソードがあった。
 
軽くポップな曲調なのに……心に入り込んでくる力……この曲にはそんな意味合いが込められているからなのか?
『夢枕で……』の一節には亡き妹さんへの思いの丈が込められていたんだ……と思った。
 
バンド『はっぴいえんど』は宮沢賢治の世界観を重視してたとか?
 
宮沢賢治も失った妹への尽きることのない愛情をベースに創作活動した。
不思議な『世界観の符号』……何時までも待つと言った大瀧詠一……そんな『縁……えにし』の綾……その末の名曲の誕生だったのか?
 
✳モノクロームのポラロイド写真が今より眩しい!……
もう一度そばに来て……はなやいでくれ!
麗しの color girl✳
 
このエピソードを知って聴くこの一節……いつの時代も『人を想う愛』は理屈抜きに胸を打つ……。
 
君は天然色  太田裕美、鈴木雅之、CHEMISTRY   2018 12 22
 

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