馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

8月20日は、94歳の誕生日。

2018-08-20 15:20:44 | 日記

8月20日(月)

松涛の介護病院で暮らすお袋は

本日、94歳の誕生日だ。

32年前、親父が越後湯沢の旅館で客死して

32年の歳月が流れた。

 

先週、金曜日 弟と見舞った。

車椅子に腰かけ、計算ドリルに鉛筆で書き込んでいた。

私達を見上げ、虚ろな目で

「帰らないで、帰らないで」

 

息子3人を育てたが、娘がいないのが

つまらないと嘆いていた。

老いた母親が振り返る。

息子3人は、3度の飯と学費を

パートでの僅かなお金から出したのだ。

 

私の妻は93歳の実母を妹と交互に戻り

介護していた。

今でも、月命日は墓参りを欠かさない。

 

それに引き換え、男兄弟3人は

介護病院へ夕方短時間顔を出すだけ。

 

何も出来ない焦燥感が重い。

 

親父が亡くなり、弟と二人暮らしになった。

部屋数は多かったが、築25年以上経過した

木造家屋は、隙間風が入り込む。

晩婚だった弟が娶り3人住まいになった。

弟は自営、嫁さんは看護師

掃除洗濯、食事はお袋全てした

家も建て直した。

東日本大震災当日一人でいた。

真向いの奥さんが面倒みた。

それから、急激に心身が弱りだした。

弟の嫁は、その頃大学病院の副院長兼看護部長になっていた。

その縁で、入院したが、連携介護病院に転院。

5年が経過した。

 

お袋の容態はけして悪くない。

病室は4ベッドがあるが

ずっと生き続けるのはお袋だけ。

何人もの老女が召されてベッドは空くが

直ぐにベッドは埋まる。

遺漏を施して延命させてしまったことに

間違いではとの後悔と自責がある。

私の顔も忘れてしまったお袋だが

生前写真、動画が幾つあっても

母親の仮想の姿なのだ。

生身の母親は愛おしい。

 

見るには辛いが生きてと願う。