2月28日午後三時半予約済みの床屋に行く。
前に散髪したのは昨年12月19日、事務所に戻ると金正日が死んだと報道された日だったので覚えている。
その日から2ヶ月以上経ち髪が鬱としかったが、時間が取れないでいた。
柳橋事務所から徒歩で日本橋の床屋に出かけた。
六年前から通っている。
極端な短髪していたので手入れ、洗髪が楽になった。
散髪回数も2ヶ月で一回になった。
午後4時頃、整髪終わりかけた頃、散髪してくれるオバサンが
「社長まだ時間あるか」?と聞く
私はうなずく!
少し前、オバサンは電話を架けていて「バカヤロウ」と怒鳴っていた。
オバサンが言った。
「次の予約の客が助平爺で困っている、私が一人になるとワイセツな言葉と
行動する」
「社長に居て欲しい、」娘に来るように頼んだのだが、池袋で夫婦と子供で
ボウリングをしていて未だ来られない」
それで先程「娘に電話で怒鳴った」
事情が飲み込めないがソファで待機することにした。
床屋の親父は2年前、夜、銀座線乗車中 稲荷町駅で倒れ亡くなった。
それからは奥さんが一人で頑張っていた。
理髪業界では有名な方で理容コンテスト日本一にもなり
全国で理容師に教え、講演していた。
店名も堂々と個人名の○○の店との看板にしていた。
しかし、若者が美容院へ行き、床屋には見向きもしなくなると
何人もの人を使っての商売は駄目になり
借金も負うようになり、夫婦だけで営むようになった。
助平爺というのは20年以上前からの客で
72歳 離婚して一人身
松戸から車で日本橋の床屋までやって来る。
「親父が死んだ途端、イヤラシイ態度になって困っている」
「私のような婆さんに、何のつもりなんだ」
このオバサンは現在65歳白髪で眼鏡架けている。
失礼ながら、とっくに女としての魅力で眺めることはない。
オバサン曰く「異常爺さんだ」
助平爺が帰るまでソファで待つことにして、オバサンが買ってきた
缶コーヒーを飲んで待つことにした。
続く