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米活一の河童像



用事があって熊本市の中心街に行きました。
賑わう商店街の大きな書店の前になぜか
瞑想するカッパ。



帰宅して検索すると、この書店にカッパを導入したいきさつが出てきました。
http://www.kinryudo.co.jp/kappa/

なるほどこの場所にはロダンの「考える人」や抽象彫刻より面白いと思います。



昭和45年(1970)から約44年間
ずっとこの場で座禅してきた・・・



カッパの前には二人の少年が座っています。



この少年は本を開いて何か思い詰めたような真剣な表情をしています。



作品の前に作者の米活一(こめ じいち/明治29年(1896)~昭和60年(1985))の“作意”が書かれています。

カッパそのもの
を一つの人間と
して把らえ
悪から善と導
こうとしている
姿。 つまり過去
の悪夢悪態を禅
によって心身共
に清めかつ善導
仏心となる真の
心を現わそうと
したものである


米活一のプロフィール
http://meikan-web.com/sample/detail/3020.html
東京美術学校(現東京芸術大学)で高村光雲に師事したとあります。上野の西郷隆盛銅像が光雲の作でした。「智恵子抄」の高村光太郎のお父さんです。



本屋さんの正面。
画面下部にカッパ像があります。
この本屋さん、熊本県下最大級の郷土本コーナーがあるとアピールされていますが、なるほどその通りで、横井小楠や徳冨蘆花、徳富蘇峰の専門書までちゃんと並んでいます。
“本離れ”が進む時代にあって、充実した郷土本コーナーを維持できるのは、熊本の知性や郷土愛があってのことでしょう。それとカッパの御りやくでしょうか・・・