ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

「尿」を利用し肥料による土壌汚染を解決

2022-06-25 10:30:29 | その他
最近歳のせいかトイレに行く回数が増えたような気がしますが、幸い寝ているときは明け方1回ぐらいですのでそれほど問題ではありません。

ただ麻雀などをやっていると私のトイレ回数は多いようで、若干頻尿になっているのかもしれません。このヒトが必ず排泄する尿を肥料として利用する試みが進んでいるようです。

工業型農業が当たり前になった今、人間の尿を肥料にするというのは時代遅れに感じますが、化学物質への依存を減らし環境汚染を防ぐ方法として関心が高まっています。

人間は植物が必要とする窒素、リン酸、カリウムなどの養分を食べ物から摂取し、主に尿として排泄していますので、尿は肥料に必要な成分を含んでいるといえます。

窒素化合物を用いた化学肥料は約1世紀前から使われ始め、人口が増えるなかで農作物の収穫量を増やすことを可能にしました。しかし大量に使用すると、河川や水路に流れ込んで藻類が異常繁殖し酸素不足で魚や水生生物が死んでしまうという環境汚染を引き起こします。

また化学肥料から発生するアンモニアは、自動車の排気ガスと結合して大気汚染の原因となっていると国連も指摘しています。一方で人間の尿も栄養素による汚染の原因となっており、ある研究によれば排水に含まれる窒素の80%、リンの50%以上が尿に由来するようです。

しかし現代社会において尿を回収するには、トイレや下水道システムそのものを見直す必要があります。実はこの問題は1990年代から欧米各国で尿を肥料に転用する試験的プロジェクトは始まっているのです。

初期の「し尿分離トイレ」は見栄えや実用性、悪臭などの問題があったとしています。それがスイスの企業が開発したトイレは、尿が別の容器に流れるようになっている設計で、こうした問題を解決できると期待されています。

尿を回収したらそれを処理する必要があり、濃縮、脱水、容積の圧縮、運搬コストの削減などのためにさまざまな技術があります。こういった技術としてはほぼ確立していますが、大きな課題として尿転用のマイナスイメージがありますので、これを払しょくする必要があります。

そのためフランスの計画当局は、店舗と住宅600戸からなるエコ地区を開発中で、尿を回収し緑地の肥料として活用する計画が進んでいます。またパリのレストランでは、無水で尿を回収するトイレが設置されており、マイナスイメージの払しょくの試みは進んでいるようです。

現在はロシアのウクライナ侵攻による供給不足で合成肥料の価格は高騰しており、各国は食糧安全保障を強化する必要に迫られています。こうした事態はこのテーマについてもっと知ってもらうきっかけになるのかもしれません。

賞味期限の切れた食品は食べられるのか

2022-06-24 10:28:07 | グルメ
現在はほとんどすべての食品に賞味期限や消費期限の記載がありますが、私はあまり気にせず期限から数日であれば食べています。

こういった期限を記載することで、安全な食品となるのかもしれませんが、一方で食品ロスにつながるような気もします。

私の年代では(75歳ですが)昔はこういった期日の表示がなく、安全かどうかは自分の鼻や味覚で確認していた世代ですので、あくまでおいしく食べられ目安程度に考えているのかもしれません。

賞味期限は食品表示法に基づく内閣府令である食品表示基準において「定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう」と定義されています。

これにはただし書きが有って「ただし当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されることがあるものとする」となっています。

こういったことから私は賞味期限というものは美味しく食べられる時期であって、それを過ぎても味が落ちるかもしれないが食べても良いと判断しています。

この期限はすべての食品に義務付けられていますが、砂糖や塩、チューインガム、アイスクリーム、氷など品質劣化が極めて少ない食品は省略することができるようです。

昔は日本の加工食品は、食品の包装年月日を製造年月日として表示することだけが義務付けられていました。それが1995年になり、賞味期限の表示に移行されました。

これは表示開始当初はかなりいい加減なもので、私に関連したある凍結乾燥食品(フリーズドライ)を扱っているメーカーでは、本来の賞味期限は5年以上ありました。

これを5年後の表示ではおかしいということで6か月ぐらいを表示し、消味期限切れとなった商品を回収し年月日だけを新しくして再出荷するというようなことやっていたようです。まあこんなこともあって賞味期限をあまり気にしないようになったのかもしれません。

その後いろいろ改定もあり、2015年からはかなり厳しい検査が義務化されています。まず菌の繁殖などを調べる微生物検査、濁りや粘り、色や酸化などを調べる理化学検査と、実際に食べてみた食感や味、臭いなどを評価する官能検査です。

それでも賞味期限の決定は各食品企業に任されていますので、ある程度のばらつきは出ているのかもしれません。専門家や食品メーカーは、賞味期限が過ぎたらなるべく早く食べるとしか言っていませんので、各食品によって違うものと考えるべきもののようです。

それでも1週間ぐらいは大丈夫そうな菓子類が3日というように、安全を見込んでか、かなり短く設定されているのも確かなような気がします。

認知症を抑える「目印役」のタンパク質を発見

2022-06-23 10:29:19 | 健康・医療
私の歳になると(75歳)やはり気になるのが認知症ですが、同い年の昔からの友人のひとりが発症してしまいました。

最初に気づいたのは数年前の飲み会の時でしたが、仲間と何かしてやれることはないかと相談しましたが、なるべく頻繁に連絡を取り刺激を与えるぐらいしかできませんでした。

それが1年前ぐらいにPCが不調だという電話があって以来、メールもつながらなくなってしまい、連絡も取っていませんのでどんな状況か心配しています。

現在は認知症の原因としてアミロイドβやタウタンパク質の蓄積があげられていますが、量子科学技術研究開発機構のチームがこの「タウ」を脳内から除去する上での目印役を見つけたと発表しました。

この目印役のタンパク質が、症状の進行を抑える要因になっている可能性があり、新たな治療薬の開発につがることが期待されています。認知症患者の脳内ではタウが蓄積し、神経への毒性が高いタンパク質「タウオリゴマー」が影響して神経細胞が傷むと考えられています。

タウが複数集まると、この毒性が高いタンパク質となるようです。タウは生物の細胞内で不要なタンパク質を分解する現象である「オートファジー」によって取り除かれると考えられていましたが、その詳細はよく分かっていませんでした。

研究チームは認知症を引き起こすようにしたマウスを使い、オートファジーによってタウが分解される様子を調べました。その結果「p62」というタンパク質が目印の役割を果たし、毒性が高いとされるタンパク質に結合し、タウが分解されていることが分かりました。

この目印役が働かないようにしてタウが分解されず認知症になったマウスで、記憶をつかさどる脳の「海馬」を調べると、毒性の高いタンパク質の量は目印役が働いたマウスに比べ約2倍に増え、炎症度合いも増しており、海馬の容積は3割強も委縮していました。

研究チームによると、今回の実験結果からヒトの認知症でも「p62」が目印となって毒性が高いタウなどのタンパク質が分解されると、発症や進行を抑えられる可能性があるものの、加齢などに伴って目印の働きが弱まり分解が滞ると脳に悪影響が出る恐れもあるとしています。

研究チームは、認知症の予防や症状の制御には、毒性が高いタンパク質を選択的に分解するよう促すことが望ましいとしています。分解の目印となるタンパク質の働きを活性化する薬剤で、病気の進行を根本から抑えることができる可能性があるようです。

ここではもうひとつのアミロイドβについては全く触れていませんが、やはりオートファジーの目印となるタンパク質はあるのかもしれません。ただ問題はあくまで進行を止めるだけで、治すまでにはいかない可能性が高いことでしょう。

オートファジーと尿酸結晶の処理

2022-06-22 10:26:42 | 健康・医療
私はビールが好きでどこに行っても最初はビールを飲んでいます。ビールというとプリン体が分解され、尿酸になるのが問題とされています。

私は尿酸値は正常なのですが、かなり上限に近い値となっており痛風を若干気にしているもののビールをやめる気はありません。

細胞内に入り込んだ尿酸結晶は、リソソームに運ばれますが、その針のような結晶はリソソームを傷つけてしまいます。ここで尿酸結晶をめぐる生体の細胞レベルでの攻防があるようです。

生物の細胞の中で起きる現象には、生命を守り維持する働きを担っているものがあり、そのひとつがオートファジーです。このオートファジーが低下すると病態が悪化する疾患もたくさんあり50代以後の男性に多く見られる「痛風」もそのひとつです。

血液中の尿酸の濃度が高くなると、高尿酸血症を発症します。プリン体が分解されてできた尿酸は、尿や汗と一緒に体外に排泄されますが、プリン体を含む食品をたくさん摂ったり、尿酸が排泄されにくくなったりすると血液中に尿酸が増えてきます。

そして溶解度を超えると尿酸が結晶してしまい、この結晶は関節に蓄積すると炎症を起こし、激しい痛みに襲われる痛風となります。

この尿酸結晶によって損傷したオルガネラの除去や、腎臓に蓄積した尿酸結晶による腎障害の悪化防止にオートファジーが関わっていることが明らかになりました。

生体内には物質輸送システムがあり、そのひとつであるオートファジー経路は、細胞質にある物質をリソソームというオルガネラに運んでいます。まず細胞質で隔離膜と呼ばれる構造が作られます。

これは生体膜で作られて袋がつぶれたもので、最初は丸座布団のような形が延びながら曲がっていき、皿のようになりどんぶりのようになり、最終的にツボのようになっていきます。この時そこにある物質を包み込んでそのツボの口が閉じます。

こうして細胞質にある物質を閉じ込めた1マイクロほどの球形の袋ができ、これをオートファゴソームと呼んでいます。隔離膜が現れてからオートファゴソームができるまで10分程とされています。

オートファゴソームは、微小管というタンパク質でできたレールの上を運ばれ、リソソームに出会うと結合し、膜が融合します。膜が融合すると、オートファゴソームの中身がリソソームの酵素によって分解されます。

オートファジーについて、隔離膜やオートファゴソームは清掃車のようなもので、細胞中のゴミを集めて処理工場であるリソソームに運んでリサイクルすると説明されているようです。

こういった処理工程があるため、健康であれば細胞に尿酸結晶が溜まっても痛風になることはなく、安心してビールが飲めるのかもしれません。

タバコの負の側面、喫煙は老後を孤独にする

2022-06-21 10:25:40 | 煙草
先日加熱式タバコの話を取り上げましたが、私の喫煙歴ももう50年以上になります。

タバコは「百害あって一利なし」とよく言われますが、何かした後の一服は代えがたいものがあり、病気のリスクがあるとしてもこの歳まで生きてきましたので、生涯続ける楽しみと捉えています。

内容が理解しにくいのですが、喫煙は老後を孤独にするという記事を見ました。2020年と21年は新型コロナの影響で「国民健康・栄養調査」が行われませんでしたので、日本の現在の喫煙率は分かっていないようです。

この新型コロナで健康意識が高まり喫煙率は低下しているか、逆に行動が規制されたことで増加しているのかもしれません。最新のデータでは喫煙率は男性27.1%、女性7.6%となっており、男性は4人に1人が喫煙している状態でまだまだ高い状況としています。

ただ一昔前は男性の7割ぐらいが喫煙者でしたので、ずいぶん減ったという気もします。私の友人もギター仲間は11人中2人、昔の仲間は6人中2人、麻雀仲間は5人中3人ですので、こんなものかもしれません。

最近は喫煙する場所がなかなかなく、屋内は禁煙で駅のそばなどは路上喫煙も禁止されていますので、屋外喫煙場所をしっかり設置してほしいものです。

一応触れておきますが、タバコが呼吸器や心臓の病気のリスクを高めることは確かで、高齢になって発症する慢性閉塞性肺疾患(COPD)はその代表的なものです。

日本の寿命調査に参加した6万人以上の男女を調べると、喫煙者の平均寿命は男性で8年、女性で10年短かったという統計もあるようです。

さて50歳以上の8780人の喫煙者を対象に行われた大規模な研究があります。喫煙している人を対象にして、調査時から4年後、8年後、12年後を追跡し、社会的孤立や自身の感じる孤独感がどうなっていくかを調べたものです。

これによると喫煙者は非喫煙者と比べて孤独になりがちで、家族や友人との交流も少なく地域活動への参加も少ないということが判明しました。さらに時間が経過するにつれて喫煙者の社会的接触は減少し、次第に孤立していくことが明らかになったとしています。

喫煙者は呼吸器や心臓の病気などの健康問題を抱える頻度が高く、これによって外出が減り、交流が減る可能性があります。さらにタバコはうつ病のリスクもあることから、相乗的に孤立が深まっていくのかもしれません。

また孤独によってさらに喫煙量が増すという悪循環も報告されているようです。喫煙率が高かったバブル経済期と違い、少なくともタバコが社交的なツールになるということはなさそうと結論付けています。

これは突っ込みどころ満載の調査結果ですが、こういった記事が禁煙活動に少しは効果があるとしているのかもしれません。