糖尿病自体はそれほど怖い病気ではないのですが、合併症で重篤な病気となることがあります。
友人は腎症を発症して透析が必要になり、従妹は網膜症となりそのまま失明してしまいました。従妹は糖尿病であることを全く気付かず、眼がおかしいと眼科に行って初めてわかったのですが、すでに手遅れだったようです。
糖尿病合併症に効果がある内服薬として、「フェノフィブラート」が使用されていますが、肝障害などの副作用があることが知られています。
日本大学や近畿大学などの研究グループがこの薬を「ナノ粒子化」して点眼薬として用いることで、糖尿病網膜症の早期に起こる血流障害を改善できることを発表しました。
糖尿病の合併症のひとつである「糖尿病網膜症」は、眼の中の網膜で起こる細小血管症(細い血管が傷ついて生じる障害)であり、これは後天的な失明原因の上位となっており、その克服が課題とされてきました。
糖尿病網膜症の治療法はこれまで網膜光凝固術(レーザー)や手術など身体に負担のかかる外科治療のみでした。こういった治療は視力を脅かす程に進行した網膜症に対して行われますが、一度低下した視機能を回復させるのは容易ではありませんでした。
そのため視力が良好な早期の網膜症、あるいは網膜症の発症前からの治療が重要とされてきました。フェノフィブラートは高脂血症治療薬として広く用いられており、内服することで糖尿病合併症に対して有益な成果を示すという報告が多数あります。
しかし内服すると前述のように横紋筋融解症や肝障害などの重い副作用のリスクを考える必要があります。研究グループは、フェノフィブラートの全身への作用を最小限にしながら眼局所のみに作用する「点眼薬」として糖尿病網膜症治療に用いることができるかを検討しました。
近畿大学が開発した方法で薬剤をナノ粒子レベルまで細かくした点眼薬では、角膜での透過性を増大させること、眼内で強膜やブドウ膜を通過して網膜まで高濃度で到達させることが可能になりました。
今回の研究では、6週齢の2型糖尿病マウスを無治療対照群とフェノフィブラートナノ点眼をした治療群に分け、毎日朝夕の2回点眼を行い8週齢から14週齢まで隔週で網膜血流測定を実施しました。
その結果治療群では網膜血流障害を8週齢から改善させ、この反応は14週齢まで持続していました。これらの結果からフェノフィブラートナノ点眼が網膜まで効率的に浸透し、長期投与によって網膜の機能障害が改善され、マウスの網膜血流反応障害を改善させた可能性があるとしています。
まだヒトの臨床試験は行われていませんが、こういった点眼法であれば、患者の負担も少なく予防的な使用も可能になるのかもしれません。
友人は腎症を発症して透析が必要になり、従妹は網膜症となりそのまま失明してしまいました。従妹は糖尿病であることを全く気付かず、眼がおかしいと眼科に行って初めてわかったのですが、すでに手遅れだったようです。
糖尿病合併症に効果がある内服薬として、「フェノフィブラート」が使用されていますが、肝障害などの副作用があることが知られています。
日本大学や近畿大学などの研究グループがこの薬を「ナノ粒子化」して点眼薬として用いることで、糖尿病網膜症の早期に起こる血流障害を改善できることを発表しました。
糖尿病の合併症のひとつである「糖尿病網膜症」は、眼の中の網膜で起こる細小血管症(細い血管が傷ついて生じる障害)であり、これは後天的な失明原因の上位となっており、その克服が課題とされてきました。
糖尿病網膜症の治療法はこれまで網膜光凝固術(レーザー)や手術など身体に負担のかかる外科治療のみでした。こういった治療は視力を脅かす程に進行した網膜症に対して行われますが、一度低下した視機能を回復させるのは容易ではありませんでした。
そのため視力が良好な早期の網膜症、あるいは網膜症の発症前からの治療が重要とされてきました。フェノフィブラートは高脂血症治療薬として広く用いられており、内服することで糖尿病合併症に対して有益な成果を示すという報告が多数あります。
しかし内服すると前述のように横紋筋融解症や肝障害などの重い副作用のリスクを考える必要があります。研究グループは、フェノフィブラートの全身への作用を最小限にしながら眼局所のみに作用する「点眼薬」として糖尿病網膜症治療に用いることができるかを検討しました。
近畿大学が開発した方法で薬剤をナノ粒子レベルまで細かくした点眼薬では、角膜での透過性を増大させること、眼内で強膜やブドウ膜を通過して網膜まで高濃度で到達させることが可能になりました。
今回の研究では、6週齢の2型糖尿病マウスを無治療対照群とフェノフィブラートナノ点眼をした治療群に分け、毎日朝夕の2回点眼を行い8週齢から14週齢まで隔週で網膜血流測定を実施しました。
その結果治療群では網膜血流障害を8週齢から改善させ、この反応は14週齢まで持続していました。これらの結果からフェノフィブラートナノ点眼が網膜まで効率的に浸透し、長期投与によって網膜の機能障害が改善され、マウスの網膜血流反応障害を改善させた可能性があるとしています。
まだヒトの臨床試験は行われていませんが、こういった点眼法であれば、患者の負担も少なく予防的な使用も可能になるのかもしれません。