ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

10月度いつものメンバーでの定例麻雀

2020-10-26 10:28:16 | ギャンブル
先日10月度の定例麻雀を開催しました。

この麻雀仲間にはSHさんがいたのですが、昨年正常圧水頭症を発症してしまいました。手術はうまくいったのですが、そろそろ外出してリハビリをという時期にコロナ騒ぎが起きてしまいました。メールでは麻雀をしたいといっていますが、どうもそれだけの元気が出ないようです。

今回もいつもの雀荘の窓の横といういつもの卓で始めましたが、周りに3卓女性雀士(かなり高齢風でした)がやっていましたが、どうもやや高齢女性に麻雀が流行ってきたようです。

さていつも力を入れている最初の半荘ですが、私が荘家になってしまいました。実は私は荘家が嫌いで、できればなりたくないと思っています。

特に理由はないのですが、東の1局は皆さん上りを急ぐ傾向があり、親をやったという気がしないうちに流れるような気がして、親を1回損しているといった気分という様なものです。この回もSTさんが軽く上がり、何もしないうちに流れてしまいました。

それでもそれほどツキがないというわけでもなく、まあまあ順調に手は進んでいました。しかしSTさんが絶好調で、リーチをかければ自模るししっかり高めが出たりと手が付けられない状況でした。

残り3人は同じような点数でしたが、オーラスに安い手が上がれて何とか2位を確保できました。ところが次の半荘も私が荘家となり、なんと4回続けて荘家という珍しいことが起こりました。

それなりに頑張ったのですが、いまひとつトップが取れず4回連続2位というこれもかなり珍しい展開となりました。私は高い手は全く上がれなかったのですが、非常に惜しいことがありました。

その局は非常に竹の入りがよく、中盤前に面前清一色で6,9竹待ちの9竹でイーペーコウという自模れば倍満を聴牌しました。まあ跳満でもよいということでリーチは掛けず回していましたが、上家のSKさんが5ピンを切り私が自模ったところ9竹でした。

ところがその瞬間H君から5ピン当りの声がして、幻の倍満となってしまいました。その他私は全体的に配牌が悪く、8種9牌で流してしまったことが3回もありました。

私は原則流せるときは国士無双は狙わないという方針ですが、その他流せず国士を2回挑戦したのでひどい配牌が多いことは確かでした。結局全員これといった綺麗な高い手はなく、淡々と進みましたが、半荘6回で一度もトップを取ることはできませんでした。

それでもドベになることはなく、2位5回、3位1回と硬い麻雀ができましたので、最終的に少しプラスの2位になることができました。今回はSKさんが大不調で、6半荘すべてマイナスというこれもまた珍しい記録を残して終わりになりました。

私にとってはかなり疲れた麻雀だったような気がします。

多発性骨髄腫の治癒に挑戦

2020-10-25 10:34:38 | 健康・医療
従来治癒が難しいと考えられていた血液ガンの一種「多発性骨髄腫」に2020年6月、新薬が登場しました。

21世紀に入ってから登場した薬によって、画期的な進歩を遂げたこの病気の治療法に新たな選択肢が加わりました。

多発性骨髄腫は日本で3番目に多いといわれる造血器腫瘍(血液や骨髄、リンパ節などに生じる腫瘍)で、日本では人口10万人あたり約5人が発症するとされています。人間の血液中には、赤血球や白血球、リンパ球、血小板などの細胞が存在しています。

多発性骨髄腫ではこの中の「形質細胞」がガン化します。ガン化した形質細胞は骨髄腫細胞と呼ばれ、骨髄の中で増加していきます。本来形質細胞には、細菌やウイルスなどから体を守る抗体を作り出す働きがあります。

ところがガン化した骨髄腫細胞の場合、異物から身体を守る能力のない「Mタンパク」を生み出してしまいます。それによって貧血、免疫低下、腎障害、病的骨折などさまざまな症状が引き起こされます。

多発性骨髄腫の治療の中心となるのは薬物療法です。21世紀に入ってから登場したポルテゾミブとレナリドミドの併用が、一般的に初めての治療に用いられます。

ポルテゾミブは、ガン化した形質細胞である骨髄腫細胞の増殖を抑え、レナリドミドは免疫調整薬といい、体内の免疫の働きを調整して骨髄腫細胞を抑制します。ただどちらの薬も徐々に効かなくなる(抵抗性が生じる)ことがこれまでの治療のネックの1つでした。

こうした状況の中、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬イサツキシマブが製造販売承認を取得しました。イサツキシマブは、ガン化した形質細胞である骨髄腫細胞の表面に存在するCD38という抗原に結合して、腫瘍細胞を直接的に細胞死に誘導します。

もう1つイサツキシマブの大きな特徴として、骨髄腫細胞に対する免疫細胞からの攻撃にブレーキをかける(免疫反応を抑制する)酵素の活性を阻害する、つまり免疫の働きに対するブレーキを外す点が挙げられます。

それにより骨髄腫細胞が免疫細胞からの攻撃をより受けやすい状態するようです。イサツキシマブは今のところ、再発または難治性の多発性骨髄腫への効能・効果が認められています。

特に既存の治療薬であるポマリドミドと併用することで、より高い治療効果が期待できる点にあります。ポマリドミドは、初回の治療に用いられるポルテゾミブとレナリドミドが効かなくなった際、次に選択される標準的な薬です。

こうしてみると多発性骨髄腫は簡単に治るような感じですが、実際の医療現場ではそれほど簡単ではないでしょう。しかしこのような進歩によって、確実に治る病気に近づいていることは確かな気がします。

薬の作用機序による問題点

2020-10-24 10:23:07 | 
このところ2回にわたり、薬の有効性は100%ではなく、多くの薬が使った患者の半分強ぐらいにしか効果を出さないということを書いてきました。

私は現役時代の大部分を新しい医薬品の合成という仕事に従事していましたが、作ることが専門でありなぜ効果が出るのかということは、評価グループに任せていました。

ある受容体や酵素に強く結合する薬ができれば、こういった疾患の治療薬となるという理論で進めていたのですが、若干疑問を持っていました。つまり生体内の機能を止めることは、ある疾患にはクスリとなるかもしれませんが、他の生体機能に問題は出ないのかというところです。

現在非常に多くの薬が使用されていますが、こういった副作用というのはあまり議論されておらず、それほど問題ではないのかもしれません。ここでは私のやった仕事ではないのですが、高脂血症治療薬として最も多く使用されてきた薬の例を紹介します。

高脂血症は言うまでもなく、血液中の中性脂肪やコレステロールが高くなり、放置すると動脈硬化となる可能性があります。そこで開発されたものが、コレステロール合成酵素阻害剤であるプラバスタチンです。

コレステロールは、食品から体内に入るだけではなく、体の中で合成される量が多い物質です。この辺りの量はよくわかりませんが、食品からよりも体の中で合成される量の方が多いようです。

つまり血中コレステロールが高くなった場合、食事を変えることだけではコレステロール値を下げることができません。コレステロールは糖や脂肪から作られるスクアレンと呼ばれる物質を原料に、かなり長い工程でコレステロールに変換されます。

そこでその合成酵素の1種を阻害してしまう物資を探索しました。その結果プラバスタチンという薬を開発したのです。この薬は非常によく効き、血中コレステロールを低減するということで世界中で何百万もの人に使用されました。

ところがコレステロールは人体にとって必須の化合物であり、生体膜成分や色々なホルモン原料となる重要な物質です。そのため人体はこの酵素を使わないルートでコレステロール合成を始めてしまうのです。つまり長く服用していると耐性ができ効かなくなるわけです。

そこで問題は効かなくなるというよりは、この様に人間にとって必須の物質の合成を止めてしまって問題はないのかという点です。プラバスタチンはかなりの長期間、非常に多くの患者に使われましたが、これといった副作用は出ていません。

だから合成を止めても安全であるというのは、あまりにも安易な非科学的な解釈のような気がします。この副作用というのは非常にとらえにくいものなのです。

この例では、何かホルモンが作られなくなって症状が出たとしても、別な病気を発症したとして副作用と捉えることはありません。

こういった点をしっかり検証していくのが、医薬品メーカーの役割だと思いますが、現在ではそういった体制は取られていないのが問題だと思っています。

「75歳、医療からの卒業」を出版しました

2020-10-23 10:21:43 | その他
このブログでも高齢者の医療の問題をいろいろ取り上げてきましたが、それをまとめて1冊の本としこの度出版となりました。

表題は「75歳、医療からの卒業」で、農文協プロダクションという出版社から出しています。ここではその宣伝ですが、内容の代わりに目次を出しておきます。

第1章 近所のおばあさんとY先生
第2章 高齢者の健康診断と各種検診
第3章 老化と身体のサビとコゲ
第4章 老化は本当に防げるか
第5章 健康は食事と睡眠
第6章 医療からの卒業
第7章 人生会議
第8章 病気を治すのは薬ではなく自分自身

以後はこのブログでもあまり触れていない「はじめに」の一節です。

【「人生100年の時代」という言葉が、色々な記事の冒頭に出るようになりました。
確かに30年前の1990年には約3,300人だった100歳以上の高齢者が、2019年では約71,000人まで増加し、私の住んでいる神奈川県だけで3,900人にも増加しています(厚生労働省資料)。
65歳以上のいわゆる高齢者は3500万人ですので、まだまだ比率的には少ないのですが近年急激に増加していることは確かです。

しかし私は、この人生100年の時代は来ないと思っています。
年末になると喪中の欠礼ハガキが来ますが、ほとんどが私の世代の親が亡くなった連絡で、90歳以上で100歳を超えていることもあります。
私の友人のお母さんも100歳を超え、お祝いにバラの花束を持って行きましたが、まだまだお元気でした。

このように私の世代(団塊の世代ですが)の親は本当に皆さん長生きです。この人たちは10代後半から20代ぐらいで戦争を体験しています。当然戦中、戦後の食糧難の時代を生き抜いてきた人たちです。】

こんな感じの書き出しで、「高齢者の医療とは」についていろいろ書いています。
この本を書くきっかけは、ブログに毎日いろいろと書いていますが、何か形として残したいという気がしました。

そこで今までの記事の中で、私が最も興味ある高齢者医療から「医療からの卒業」をテーマにしました。まだ冊子が手元に届いていませんので、写真などがありませんがまたその折には本をまとめる苦労話など書いてみます。
 
「75歳、医療からの卒業」 著者 持田顕一 農文協プロダクション 1200円
 販売書店 農文協・農業書センター 03-6261-4760 FAX 03-6261-4761
 ネット販売 田舎の本屋さん http/shop.ruralnet.or.jp/

手近の書店に出ていないため、やや面倒ですが購入よろしくお願いいたします。


新型コロナの人工抗体を作製

2020-10-22 10:25:25 | 健康・医療
新型コロナウイルスを捕まえ、不活化する「人工抗体」を作製することに成功したと、名古屋大学と名古屋医療センターの研究グループが発表しました。

この人工抗体が付いたウイルスは細胞に感染しなくなることなども確認さています。新たな治療薬や抗原検査キット、さらにワクチンに代わる感染防止薬の開発につながる成果と期待されます。

研究グループは、ランダムに作製した約10兆種類にも及ぶ人工抗体の候補を用意しました。そのうえで新型コロナウイルスの表面にある「スパイクタンパク質」を付けた磁気微粒子を、人工抗体の候補が入った容器に投入しました。

磁石で磁気微粒子を引き上げる方法で、スパイクタンパク質と結合した人工抗体を多数捉えました。この中でウイルスの抗原であるスパイクタンパク質と強く結合する人工抗体を選び出しました。

これまでは人工抗体を作るのに数週間程度かかっていましたが、名古屋大学などの研究グループは今回「TRAP提示法」と呼ばれる新しい技術を使って4日間で複数の人工抗体を作製できたようです。

研究グループによる実験では、作製した複数の人工抗体が新型コロナウイルスだけに強く結合することを確認しました。ウイルスとこの人工抗体を混ぜることにより、ウイルスを細胞に感染させない効果があることも確かめました。

この人工抗体は大腸菌を使って大量生産できるようです。今回作製した人工抗体は、感染しても症状を重篤化させない治療薬や抗原検査キットの開発につながるほか、ワクチンなしでも感染を防ぐことができる中和抗体としても応用できる可能性があるとしています。

新型コロナに感染すると体内に抗体ができ、ウイルスに再び感染するのを防ごうとします。ワクチンはさまざまな方法がありますが、人体に擬似的な感染状態を作り免疫機構に抗体を作らせます。

新型コロナに対しては、遺伝子を使うDNAワクチンやRNAワクチンの開発が主流になっています。人工抗体は抗体となるタンパク質を体外で作製して体内に入れます。

ワクチンはその効果と安全性確認のために開発から承認までかなりの時間がかかりますが、人工抗体の開発期間はワクチンより短く、副作用も比較的少ないとされています。

人工抗体については海外でも盛んに開発研究が行われていますが、国内では北里大学の研究グループが5月に、今回の名古屋大学とは別な手法により人工抗体の作製に成功したと発表しています。

このように人工抗体については次々に新しい知見が出ており、期待できる治療法となりそうです。人工抗体という名前を使っていますが、いわゆる自然の抗体と同じような機能はないでしょう。その観点では、体内に入れてからの安定性が問題となるのかもしれません。