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若い人にも起きる原発性アルドステロン症

2021-03-13 10:25:11 | 健康・医療
高血圧の患者は国民病と言えるほど多いのですが、その内副腎から血圧をあげるホルモンが過剰に分泌されることが原因の高血圧を「原発性アルドステロン症」と呼んでいます。

この病気は若い人でも発症し、脳卒中や心筋梗塞になるリスクが高く、また降圧剤を飲んでも血圧が下がりにくいことが特徴です。

副腎は腎臓の上にある3センチほどの臓器で、いろいろなホルモンを分泌しています。副腎皮質ホルモンは代表的なものですが、アルドステロンもそのひとつで、腎臓に作用して塩分を取り込み血圧をあげています。

家のネコが血液検査でカリウム値が低く、エコーで検査したところ副腎が腫れているという診断を受けたことがありますが、経過観察で問題なく治まりました。

副腎に異常があるとホルモン類が必要以上に分泌され、体内に塩分をため込み過ぎて高血圧になります。副腎の異常は両方の副腎が腫れて大きくなる場合が6〜7割、片方に良性の腫瘍ができる場合が3〜4割といわれています。

原発性アルドステロン症は若い人でも発症し、生活習慣とは関係なく高血圧になります。国内の高血圧患者の約1割、約200万〜400万人がこの病気と考えられ、予想以上に患者数の多い病気です。

アルドステロンは細胞や神経の機能維持に必要なカリウムを排泄する働きもあり、血液中のカリウムが不足して手足に力が入らなくなることもあるようです。原発性アルドステロン症は、血液検査でホルモンの分泌量を調べることで見つかります。

健康診断で高血圧と分かったり、降圧剤を服用しても血圧が下がり難かったりするということがきっかけで発見されることも多いようです。40歳以下で脳卒中になったり、不整脈がある、腎臓の病気を患っている人もこの病気が疑われます。

アルドステロンの数値に異常があれば、CTで腫瘍の有無などを調べ、副腎につながる血管にカテーテルを入れてアルドステロンの量を直接図る検査なども行います。副腎の手術は比較的簡単で、腹腔鏡を使って腫瘍のある副腎を摘出でき、入院も1週間ほどで済むようです。

薬物療法としては、受容体拮抗薬を処方し腎臓細胞の受容体をふさいでしまう治療法が有効です。アルドステロンが出過ぎる理由は詳しく分かっていませんので、完全に治すにはやはり手術が必要なようです。

それでも薬を飲むことによって血圧が下がれば、心臓や腎臓の機能を正常に保つことができます。

アルドステロン症は単に血圧が上がるだけではなく、ホルモンの過剰分泌による症状も出ることもあるようですが、降圧剤の効果が出ない場合など早めに精密な検査を受けることが重要なようです。


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