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軽症からいきなり重症化「幸福な低酸素症」

2020-10-16 10:25:24 | 健康・医療
このところ新型コロナに関する記事が多くなっていますが、どのメディアを見ても最も関心が高いようです。

最近は新規感染者数も落ち着いており、収束の方向に向かっている気がします。私が住んでいる地域(神奈川県)では、報道のメインが東京都の感染者数になっていますのでそればかりを気にしていますが、それでは本当の感染状況が分からないような気もします。

私はコロナ自粛前とそれほど生活に変化はないようです。確かに電車に乗る回数は減っていますが、囲碁会や麻雀なども復活し、かみさんとの外食も以前と同じようになってきました。外に出るときにマスクをするというのが、昔と変わったところかもしれません。

新型コロナウイルス感染症の特徴のひとつに、軽症に見えた人が突然重症化することがあります。本来なら生命維持が困難なほどの低酸素状態にありながら、呼吸困難の兆候がない「幸福な低酸素症」と呼ばれる、「無症候性低酸素血症」の存在があるようです。

低酸素血症とは、動脈血中の酸素が少なくなる状態のことをいいます。人は呼吸によって酸素を吸い込むと、動脈血に酸素を溶かして全身に巡らせ、身体の細胞の隅々に酸素を供給します。

低酸素血症になると、動脈血に溶ける酸素量が著しく少なくなるため、体の隅々に酸素を送ることができなくなります。通常はそうなると、頭痛やめまいなどと共に息切れ、呼吸の増加などの呼吸困難な症状が出ますが、進行がゆっくりだと比較的に楽に呼吸ができて初期症状が出ずにいきなり重症化します。

これが幸福な低酸素症で、新型コロナには低酸素症になっても初期症状を起こさない仕組みがあると考えられています。呼吸の調整は延髄を中心にした呼吸中枢で行われ、脊髄を介して横隔膜や肋骨筋などの呼吸器の筋肉に情報が伝わり呼吸運動が行われます。

呼吸中枢は、大動脈や頸動脈に接して動脈の血液ガス(酸素、二酸化炭素、pH)の変化を感知する化学受容体と呼吸運動を感知する気道、肺、胸壁の機械受容体からの情報などを迷走神経や舌咽神経などを介して得ています。

通常二酸化炭素が増加、酸素不足で呼吸困難を生じますが、新型コロナの患者の中には血液中の酸素が通常の90%以上から大きく低下していながら、比較的楽に呼吸できている人がいます。

この原因は分かっていませんが、ウイルスによりセンサー機能が障害され、二酸化炭素の増加と酸素不足を認識できなくなっているのかもしれません。

慢性肺疾患の場合、炭酸ガスのを監視するセンサーが機能しないため呼吸の調整は酸素の量の変化だけで行われ、少し酸素を吸うだけで呼吸中枢が充分だと思い込むことによって、呼吸が止まるケースがあるようです。

やはり新型コロナのような新しい病気は、今までにないようなケースが出て来るため、注意が必要といえるのかもしれません。


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