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全身の健康にかかわる「オーラルフレイル」

2021-09-11 10:45:21 | 健康・医療
最近フレイル(心や体の働きが弱くなるだけではなく、社会的なつながりも含めるようです)という言葉をよく目にするようになりましたが、体調などの不調をすべて加齢によるフレイルで片づけてしまう傾向もあるようです。

このフレイルの中には口腔機能の虚弱を表す「オーラルフレイル」というものがあります。オーラルフレイルは心身や社会性に深いかかわりを持ち、高齢化が進む日本では重要な課題になっています。

オーラルフレイルとは、口腔機能の虚弱と言われています。具体的には加齢に伴う様々な口腔状態の変化(歯の数の減少、口腔内の衛生状態の悪化など)があり、心身の予備能力の低下(病気に罹り易くなる)や口の健康に対する関心の低下が重なります。

結局これが口腔の脆さ・弱さが増加して、食べる機能が心身の機能低下にまでつながる一連の過程を指します。この説明ではどうもスッキリしませんが、歯が悪くなることによる食べにくさなのかもしれません。

些細な口の脆弱はフレイルの入り口になるという点で、オーラルフレイルが顕在化するような状態であれば、口だけでなく体の他の部分も弱っている可能性があるようです。

体の筋肉は脚、腕、体幹の順番で弱っていきますが、口の周囲の筋肉は体幹筋との関連が強くなっています。つまり口の筋肉が低下して脆弱性が現れている場合、手足の筋肉(骨格筋)と体幹筋の両方が低下している可能性が高いとしています。

オーラルフレイルに陥りやすい状況は幅広く、さまざまな原因があります。たとえば歯をあまり磨かない、虫歯があっても治療をしない、人とあまり会話をしないといった場合、歯の形態や口腔内の衛生状態を良好に保ちにくく、嚥下機能も低下しやすくなります。

オーラルフレイルになると食べる機能が低下し、食事の量や摂取カロリーが不足しやすくなります。硬いものが食べにくい場合には炭水化物など軟らかいものに偏りがちで、栄養のバランスが崩れやすくなります。

こういった栄養不足や偏りは、体重や筋肉量の低下につながり、体の虚弱をさらに進めてしまう可能性があります。またオーラルフレイルは社会性の低下にも密接に関係しています。社会性の低下は精神面の健康にも悪影響を与える可能性が高いとしています。

日本のある調査では口腔機能が低下すると、身体的なフレイル、サルコペニア(筋肉量の減少)、要介護状態、死亡の発生リスクがそれぞれ2倍以上高いという結果も出ています。

オーラルフレイルは以上のように重要な現象ですが、体幹筋がしっかりしているつまり普通に歩ければ、あまり気にすることもないのかもしれません。


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