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病原菌が血液中に入る「敗血症」患者や死者数が増加

2023-05-07 10:31:40 | 健康・医療
感染症の病原菌が血液中に入ってしまう病気が「敗血症」ですが、いわば稀な病気と思っていましたが、近年患者が増加し死者数も増えているようです。

これも高齢化の一環であり、体を守る免疫機能が低い人はリスクが高くなるとされています。敗血症を起こすきっかけは、細菌、ウイルス、カビなどによる感染で、肺炎球菌、病原性大腸菌、インフルエンザウイルスなども含まれ、決して特別な病気ではありません。

発症すると炎症反応が全身に広がり、複数の臓器が正常に機能しなくなって死に至ることがあります。原因となる感染が起きる部位は、肺などの呼吸器と尿路などの泌尿生殖器で約半数を占めています。

症状は悪寒、震え、体の痛み、意識低下、息切れ、頻脈など多様でこれらが同時に起きます。多くは高齢者ですが、1歳未満の子供に発症するケースもあり、糖尿病などの持病を抱えている人や、手術直後やガン治療中の人も注意が必要です。

千葉大学などは2021年に成人患者約5000万人のデータを分析し、国内の患者数などの推計を初めて公表しました。2010年から2017年の8年間に敗血症を発症した患者数は約200万人で、このうち36万人が死亡しました。

この期間の年ごとの推移を見ると、患者数は11万人から36万人に、死者数は2.5万人から6万人に増加しています。これは高齢化が進んだためとみられ、この傾向は今後も続くと予想されています。

患者が抱えていた持病はガンが最多の35%で、高血圧26%、糖尿病22%、心不全18%と続いています。この治療は時間との勝負で、発症から1時間以内の開始が目標で、抗菌薬で感染症を抑えることが基本です。

血管から外に水分が漏れていくため、生理食塩水などの点滴で血圧を維持し、人工呼吸器で呼吸を安定させることも大切です。一命をとりとめても体調を戻すにはリハビリが必要で、個人差はありますが身体機能や認知機能が数カ月以上戻らない場合もあります。

予防には薬をしっかり飲むなどして、持病の状態をコントロールすることが大切です。免疫力を高めるため、栄養や睡眠を十分にとり、感染症のワクチン接種を受けることも有効なようです。

日本救急医学会、日本感染症学会、日本集中治療学会は生活の中での注意点や摂るべき対策などをまとめています。

敗血症は特殊な病気と考えていましたが、私の麻雀仲間はこれから肝膿瘍になり緊急入院となってしまいました。やはりたかが感染症と簡単に考えず、しっかりした対策を講じることが重要なのかもしれません。


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