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成人の2割が罹患「下戸の肝臓病」

2020-02-10 10:13:43 | 健康・医療
肝炎から肝硬変や肝臓ガンに進行する原因として、肝炎ウイルスの感染や大量の飲酒が良く知られています。

しかしこの両方に該当しなくとも、食生活が偏っていたり肥満傾向(メタボ)があると、肝機能障害を起こすとされています。大量の酒を飲み続けていると、最初の段階ではアルコール性脂肪肝になりますが、日本人は食べ過ぎによる脂肪肝の方が多いようです。

アルコール摂取量が1日20グラム以下で起こる脂肪肝を「非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)と呼んでいます。

NAFLDは成人の2割ほどいると推定されていて、うち10~20%が肝細胞が壊死して炎症や線維化が起こる重症型の「非アルコール性脂肪肝(NASH)」とみられています。NASHを治療せずに放置していると、5~10年で20%程度が肝硬変に進行するとされています。

脂肪肝では体がだるい、疲れやすいなどの症状が表れますが、多くの人は気づきにくいようです。NAFLDの疑いを見るサインのひとつに、健康診断(血液検査)の数値があり、アミノ酸を代謝する酵素の「ALT(GPT)」と「AST(GOT)」の項目に示されます。

アルコール性脂肪肝ではALTよりASTが高くなりますが、NAFLDが疑われる場合にはASTよりALTが高くなることが目安になります。

ただこういった値も正常値を示すケースもあり、飲酒習慣がなくメタボにも該当しない痩せ型の人の隠れ脂肪肝もあるので注意が必要です。重症型のNASHを拾い上げる方法として「肝線維化スクリーニング」という指標もあります。

これは「年齢」「ALT」「AST」「血小板数」の数値から計算して、肝線維化の進行を評価する指標です。

NASHのリスクは、低値、中間値、高値で評価され、高値では肝生検の検査が必要になりますが、肝臓に針を刺して組織を採るので身体の負担が大きく入院が必要になります。

現在は超音波検査に似た機器で、外来で体を傷つけることなく肝臓の線維化の程度や脂肪量が調べられるフィブロスキャンという検査法があります。このNAFLDを防ぐ生活改善では、炭水化物(糖質)中性脂肪、コレステロールの取りすぎが大きいとされています。

C型肝炎やNASHの人は鉄の代謝異常をきたし、肝臓に鉄分が過剰に蓄積されることがあります。鉄と過酸化水素が結びついて大量の活性酸素が発生して、肝臓の細胞が障害され正常な働きができなくなってしまうようです。

脂肪肝を指摘された人は鉄分を多く含む食品(レバーなど)の食べ過ぎに注意した方がいいとされています。肝臓の薬はほとんどありませんので、生活改善ぐらいしか方法がないのかもしれません。


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