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老眼鏡なしで見えたら「白内障」のサイン

2020-09-03 10:25:10 | 健康・医療
白内障とは、加齢によって目の中でカメラのレンズのような役割を担う水晶体が白く濁り、視力が低下する病気です。

60代で約半数、80代に至ってはほぼ全員が、程度の差こそあれ白内障にかかります。高齢化に伴い今や「目の国民病」と言っても過言ではないようです。

目の大きさや形は人それぞれですが、眼球そのものは直径約2.4センチの球形で、個人差はほとんどないようです。一般に黒目と呼ばれる部分は、真ん中が最も黒くその周囲はやや茶色になっています。

その中心部を瞳孔といい、周辺部を虹彩といいます。眼球は強膜という1〜1.5ミリ程度の白色の壁で構成されています。黒目の部分はやや薄くなり、0.5ミリほどの角膜でできており、目の組織の中では厚みのある丈夫な膜です。

その角膜の奥に水晶体があり、これはチン小帯という毛様体からできている小さな糸のような組織で、全周をつられるように支えられています。眼球の内側には網膜という膜が張られ、その中の視神経線維が集まって束となり、脳へとつながっています。

眼球の中は硝子体というゼリー状の物質で満たされており、目の形を保っています。外から入ってきた光はまず角膜を通ったあと、瞳孔を通り抜けます。瞳孔はカメラでいう絞りにあたり、目の中に入る光の量を調整します。

光は瞳孔からレンズの役割を果たす水晶体に届きます。毛様体の働きでチン小帯が伸び縮みし、水晶体の厚みを変えピントを合わせます。こうして外から入ってきた光は水晶体を通った後に屈折し、網膜上に像を結びます。

それを視神経が感知し電気信号化して、脳に情報を送ります。目の組織はどれも小さいものですが、どれかひとつでも不具合が生じると、見え方が悪くなってしまいます。

白内障はその中でも、レンズにあたる水晶体の不具合が原因となって起こるというわけです。水晶体は直径9ミリ、厚みは中央部で4ミリ程度で、虫眼鏡のレンズのと同じような形をしています。主成分はタンパク質で、健康な状態ではほぼ透明です。

正常な水晶体は生卵の白身のように柔らかく無色透明ですが、加齢によりタンパク質の修復能力が失われ濁ってきます。異常なタンパク質が水晶体の中に集まると、濁ってきてもう透明な状態には戻ることはありません。

水晶体が硬くなると調整力が低下し、これが老眼となります。屈折力も変化し、手元が見やすくなって遠くが見にくくなる、逆に遠くが見やすくなるという人もいます。

手元の老眼鏡で見ていたのに、なくても見えやすくなったら要注意といえるようです。この様に精密機械のような眼球ですが、少しでも見え方が変わってきたらタンパク質の硬化のサインであり、眼科の受診が必要かもしれません。


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