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切断したカエルの脚の生え代わりに成功

2022-02-22 10:25:22 | その他
再生医療という言葉が一般的になってきましたが、まだまだ実用化という面では先の話となっています。

タフツ大学とハーバード大学の研究チームが、アフリカツメガエルの切断した後肢を一部再生させることに成功したと発表しました。

この実験には5種類の薬品と「バイオドーム」と呼ばれるウエアラブルデバイスが使われました。後肢が再生していく過程をコントロールし続けたのではなく、薬品にカエルの患部を24時間漬けることで、18か月かかる再生プロセスを促進させました。

研究チームはカエルや他の動物も再生能力が体に眠っていて、きっかけを与えればそれを稼働できるということかもしれないと述べています。

サンショウウオやヒトデ、カニや一部のトカゲは失った体の部位を再生できますが、カエルはその能力を持っていません。また哺乳類も肝臓は90%切除しても、フルサイズまで再生できます。

2019年の研究で分かったように、人間には関節の傷ついた軟骨を修復する能力があります。しかし指や足全体をなくした場合、哺乳類における傷の回復過程からして、肝臓や軟骨のように再生はできません。

傷ができると瘢痕組織が覆ってしまい、細菌感染や更なるダメージから身を守る役割を果たしているためです。

今回のアプローチは幹細胞移植やゲノム編集に注目する他の手法とは違い、プロセスを細かく管理するのではなく、細胞に対して胚発生でしたことを再スタートさせるような短時間のシグナルを探った手法としています。

このシグナルを探すため、5種類の薬品を混ぜ合わせ、それによって細胞の増殖を激増させ炎症を抑え細胞を修復モードに押しやりました。また傷跡の形成につながるコラーゲンの生産を抑制し、神経線維と血管、筋肉の成長を促進させました。

実験ではメスのアフリカツメガエルの成体115匹の後肢を切断しましたが、倫理面から苦痛を最小限にするため全身麻酔が使われたそうです。この研究で使われた薬品の中身が成功のカギを握りますが、ウエアラブルデバイスも同じく重要です。

このデバイスは切断部分を閉じようとする通常のプロセスを抑制し、後肢の再生を促進しました。生えてきた後肢はほぼ完全に機能していて、骨の構造や内部の組織、神経までもが元の脚とよく似ていました。

実験ではカエルたちは水中を普通に泳ぎ、脚をつつかれると普通に反応しました。研究チームは次のステップとして、マウスに対する実験を行い、新たな薬品の配合を試し必要に応じて最適化していくとしています。

薬品の内容などは分かりませんが、再生医療への新しい試みとして評価できると思われます。


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