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糖尿病から来る怖い合併症のはなし

2021-10-07 10:32:04 | 健康・医療
糖尿病は全国で1000万人の患者がいるといわれており、2019年の厚生労働省の調査では320万人の患者が報告されています。

糖尿病は診断されても特に自覚症状があるわけではなく、普通の生活が送れますが、怖いのは合併症です。主として慢性高血糖に由来する合併症として、細小血管合併症と呼ばれています。糖尿病性神経障害、網膜症、腎症がが3大合併症に該当しています。

私の従妹は網膜症から失明し、腎症から透析になった友人もいました。これを防ぐためにも持続した血糖コントロールが重要と言われています。

最も早く出現する合併症が糖尿病性神経障害で、発症5〜10年程度で約30%の人に認められ、発症30年以上では約60%の人が該当すると報告されています。主に両足のしびれや痛みなどの感覚障害で、靴下を2枚はいているような感覚などとたとえられています。

進行すると知覚が低下し、足の皮膚が一部欠損している足潰瘍や皮膚や皮下組織などが死滅して暗褐色や黒色に変化する足壊疽の原因となり、さらに悪化すると足の切断などに繋がります。

合併症としての頻度は高いものの特異的な症状が分かりづらく、診断には比較的煩雑な神経障害の検査が必要となります。次が糖尿病性網膜症ですが、眼球内の網膜および硝子体内に脆い新生血管が生じて網膜剥離や硝子体出血を起こし、視力障碍に陥ります。

視覚障害の主原因疾患としてのこの網膜症は減少傾向にありますが、緑内障、網膜色素変性に次いで第3位となっています。網膜症は自覚症状が少なく、突然目の前が暗くなるなどの出血症状から眼科を受診することになるようです。

最後が糖尿病性腎症ですが、これは3大合併症の中で最も遅く出現すると考えられていました。この臨床経過は、尿にアルブミンが出現→尿にタンパク質が出現→腎臓の機能低下→腎不全に移行→人工透析というケースが多くなります。

従来評価は尿にタンパク質が検出されるかを指標としてきました。現在の診療ではタンパク質が陰性でも、腎症の早期ではタンパク質の一種であるアルブミンが微量に検出されることが分かってきました。

この微量のアルブミンが検出された早期の段階から、肥満の是正などの集約的治療を実施すれば、将来的な腎臓の保護につながることが報告されています。近年はSGLT2阻害薬が腎臓保護に有効であるとの報告が多くあり、薬剤による治療も可能になってきました。

糖尿病と診断された場合は、何も症状が無くても血糖値のコントロールなどの、適切な治療に心がけることが重要なようです。


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