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肥満は万病のもと、内臓脂肪のはなし

2022-07-26 10:35:42 | 健康・医療
このブログでも何回か書いていますように、私はやせ型が一生続いており肥満とは縁のない状態となっています。

肥満が健康に良くないといわれて久しいのですが、肥満はその60%が遺伝子によって決まっているという説があります。肥満は体質(遺伝子)か環境かという議論が出ていますが、一卵性双生児による調査研究などで体質の占める割合は高いようです。

もちろん肥満体質であっても食事量が制限されていれば太ることはないはずですが、1970年代から「飽食の時代」といわれるように、食生活は改善しこれからも肥満は増え続けるような気がします。

ただし生活が豊かになり、余暇の充実やファッションの多様化に合わせて「もっと痩せたい」と考える人は増えてきました。さまざまなダイエット法が「現れては消え」を繰り返していますが、適切な食事と運動による健康的なダイエットが定着してきたという見方もあるようです。

メタボリックシンドロームにつては、現在腹囲の基準値は男性85センチ、女性90センチと定められています。この基準については、腹部CT画像において「へその位置の内臓脂肪面積が100平方センチを超えると、高血圧、高血糖、脂質異常を招きやすくなる」が根拠になっています。

内臓脂肪は男性、皮下脂肪は女性の方が溜まりやすいことが顕著で、腹囲の基準値における男女差はここにあります。

当然ですが、肥満は摂取エネルギー量が消費エネルギー量を上回り、余ったエネルギーが脂肪として身体に溜まった状態です。従って「肥満とは体脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態」と定められています。

ただ単に生活習慣だけではなく、そこに至るまでに肥満遺伝子や自律神経の異常なども関係してくるようです。基礎代謝や運動で使いきれなかったエネルギーは、腹の内側や内臓を覆う腹膜の表面にため込まれて行きます。

それが脂肪細胞となり中性脂肪が蓄積していきますが、過剰に増えると脂肪細胞の体積は3倍にも膨らみます。これが内臓脂肪型肥満のからくりですが、あまり太って見えない人でもCTスキャン画像で過剰に蓄積された内臓脂肪の存在が明らかになりこともあります。

かつては内臓脂肪の働きはエネルギーの貯蔵のみと考えられていましたが、近年さまざまな生理活性物質(サイトカイン)のバランスを崩してしまうことが分かってきています。

内臓脂肪が増えると、血糖値を上げる物質「TNF-α」や血圧を上げる「アンジオテンシノーゲン」の分泌が過剰になり、糖尿病や高血圧の原因になります。

この辺りが肥満は万病のもとといわれる所以ですが、肥満体質の人にとってはどう対処するかはかなり難しい課題といえそうです。


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