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ガンの「画像下治療」が広がる

2020-11-15 10:24:05 | 健康・医療
ガン患者に対し、画像で体内の様子を見ながら治療する画像下治療(IVR)が広がっているようです。

進行したガンの苦痛を和らげたり、ガンを縮小させたりすることを目的に、大掛かりな外科的処置をせずに行う治療です。患者の負担も軽減されるため、体力が低下した高齢者にも対象を広げられる特徴があります。

IVRによる治療はコンピュータ断層撮影法(CT)や超音波などの画像を確認しながら、カテーテルと呼ばれる細い管を血管内に通したり、皮膚から針で刺したりして進めます。IVRはガン患者の苦痛を和らげる治療で効果を発揮しています。

ここでは具体例として東京都の50代の女性のIVRについて紹介しています。この女性は進行した膵臓がんを患っており、両足が腫れあがり膝が曲がらなくなり、椅子に座ると皮膚がひっぱられ激しい痛みにおそわれました。

いろいろ検査をした結果、肝臓に転移したガンが下大静脈と呼ばれる血管を圧迫し、下半身の血液が心臓に戻りにくくなっていることなどが、むくみの原因と分かりました。

足の付け根と首からカテーテルを通して核磁気共鳴画像(MRI)で確認しながら、血管の狭くなった部分にステントと呼ばれる金属製の網状の筒を挿入しました。治療を終え血流が良くなり、むくみや痛みを取ることができました。

これはガン自身を治療したわけではありませんが、こういったQOLを改善する治療も増えているようです。ガンを縮小させる目的でIVRを活用するケースとしては、肝臓ガンや腎臓ガンなどへの治療に公的医療保険が認められています。

どちらもまず超音波の画像などでガンの位置を観察します。肝臓がんの場合は、特殊な針を皮膚の表面から患部に刺し、ラジオ波と呼ばれる電磁波を発生させてやくラジオ波焼灼療法があります。

腎臓ガンでは先端が極めて低温になる針を皮膚からガンまで刺し、ガン細胞を凍らせて破壊します。チューブを通す小さな傷ができる程度で、局所麻酔で済み治療時間や入院期間が短いのが利点としています。

私の友人は膵臓ガンが見つかりましたが、透析を受けていることや高齢であるため手術ができませんでした。そこで内視鏡を入れ、そこから膵臓に重粒子線を照射するという治療を受けています。

これはIVRといえるかどうかわかりませんが、単なる外科手術以外にも色々治療法は広がっているようです。現状の問題点は、IVRを実施する医療機関が限られています。

IVRは主に放射線科が担当しますが、日本IVR学会によると、学会認定の専門医は1085人、専門医が在籍する病院は331カ所で、東京や大阪など大都市に偏る傾向があるようです。

高齢者でなくても身体に負担の大きい外科手術ではなく、こういった手法が広がることは患者にとっても良いことだと思っています。


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