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新型コロナ治療薬に「有用性なし」の評価

2024-03-27 10:32:12 | 
私は新型コロナで間質性肺炎で入院した時は、点滴でコロナ薬を投与されていましたが、3,4日で終息したようです。

最近厚生労働大臣の諮問機関である中医協から衝撃の発表がありました。新型コロナによる重症化(入院や死亡)を防ぐ薬として、国内で既に1600億円以上を売り上げている、「ラゲブリオ」に対し「費用増加」との評価が下されたのです。

この言葉はあまり聞きませんが、このクスリを使っても「新型コロナによる入院や死亡のリスクは一般的な治療と変わらず、余分なお金がかかるだけ」というような意味のようです。つまりコロナ薬としては、ほとんど効果が無いと言えるのかもしれません。

ラゲブリオは、日本で2021年12月に特例承認され、新型コロナ薬としてトップシェアを獲得し、今も診療現場で広く用いられています。目的は、新型コロナが重症化する要因(肥満や糖尿病など)を持つ人に投与することで、入院や死亡を防ぐことです。

それが「費用増加」、つまり解熱剤など一般的な治療に加えて使っても、入院や死亡を減らす有用性はないとされたのです。

ラゲブリオは、ウイルスが体内で増えるのを防ぐ働きがあり、日本を含む世界各国の170以上の施設で行われた臨床試験では、重症化しやすい要因を持つ人が感染してすぐ服用すると、入院や死亡を減らせるという結果が出ていました。

ラゲブリオはカプセル化されて「自宅で飲める」薬だったため、広く診療現場で使われるようになりました。1回の治療の薬価が合計で9万4000円という高価な薬剤ですが、5類に移行するまでは自己負担ゼロ、移行後でもおよそ1割(9000円)の自己負担で入手することができます。

ラゲブリオにはもともと、「現在の状況で本当に効果があるのか」を疑問視する声がありました。当初効果があることを示した試験の際に流行していたのは、デルタ株など毒性の強い変異株が中心でした。

また臨床試験の対象となった患者は、ワクチン接種しておらず、重症化リスクがそもそも高い人たちでした。2021年末から流行したオミクロン株以降の変異株は弱毒化し、入院や死亡率が低くなりました。また人口の大部分がワクチンを2回以上接種したことで、重症化しにくくなりました。

つまりラゲブリオは毒性が強いウイルスに感染し、しかもワクチンによる免疫を持っていない人の重症化は防げるが、重症化しにくい環境では、有効性に違いが出て来るのではないかという可能性が指摘されていたのです。

実際にヨーロッパでは、臨床試験で効果がなく、販売承認は取り下げになっています。それでも私のように重症化してまうこともありますので、どんな薬を使うのかは難しい問題と言えそうです。


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