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小惑星リュウグウ試料から有機分子2万種を発見

2023-03-12 10:36:54 | 化学
私は基本的に宇宙にほとんど興味はなく、宇宙開発というのは莫大なコストがかかるだけで、あまり意味が無いものと感じています。

ただ今回の小惑星リュウグウの試料の分析などは、生命誕生の謎を解く手がかりがある可能性から、若干興味を持っていました。生命誕生には宇宙飛来説などもあり、私は地球発生説を推していますがその辺りの解明も面白いような気がしています。

探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った砂状資料を分析している宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは、試料から約2万種もの有機分子が見つかったと発表しました。

地球生命の源となる物質は宇宙から飛来したとする仮説を、補強する材料になりそうです。見つかった有機分子は、炭素を骨格として水素や窒素、酸素、硫黄などが多様に組み合わさっています。生物の体に必須のアミノ酸のほか、カルボン酸や炭化水素などが含まれていたようです。

私は生命の起源とは別に、有機化学者としてこの原始の惑星ではどんな化学反応が起きていたかには興味があるのですが、残念ながらすべての化合物の構造を調べるほどの量はなく、未知の化合物を同定することはできそうにないでしょう。

アミノ酸にはヒトの左手と右手と同様に、互いに鏡に映したような関係である左手型と右手型があり、地球の生命を構成しているのは左手型です。

リュウグウ試料のアミノ酸の多くは左手型と右手型の比率がほぼ1:1で存在しており、アミノ酸が地球で混ざったのではなく、宇宙空間で合成されたことの証拠になるとしています。これは当然ですが、私はこんな微量の試料の光学純度まで測定できる分析技術の進歩に驚いています。

また別の分析で、試料が大量に含む黒色の個体有機物を調べたところ、複数の炭素などが無秩序に結合した高分子構造であることが判明しています。

最古の太陽系物質である炭素質隕石に含まれる有機物の構造とよく似ており、炭素質隕石のもとはリュウグウのような炭素質小惑星であるとする説を初めて直接的に証明しました。

これらから生命の材料となり得る物質が存在するリュウグウのような炭素質小惑星の一部が、何らかの理由で隕石になるなどして地球に飛来し、生命の源をもたらしたとする仮説の補強が一歩進んだとしています。

私はこの結果は、単に地球を含む太陽系はどこでも有機化学反応が進む環境であったことの証拠にすぎず、宇宙発生説を進める材料ではないと感じています。

生命が発生するためには大量の有機物の存在が不可欠で、隕石に付着する程度ではとても高濃度にはなり得ず、やはり地球発生説ではないかと考えています。

それでも他の惑星にどんな有機物が存在するかは、興味あるテーマといえるのかもしれません。

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