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高齢者のガン治療効果の調査

2017-08-14 09:41:15 | 健康・医療
政府は高齢者の抗ガン剤治療の効果について大規模な調査に乗り出す方針を固めたようです。

これはかなり前から高齢者にとって身体的な負担の大きい抗ガン剤による延命効果を疑問視する声が上がっていたようです。

抗ガン剤はガン治療に効果を発揮するものの、痛みや吐き気、肺炎などの副作用を伴うことがあります。特に高齢者では若年層や中年層と比べて他の病気を併発していることも多く、抗ガン剤による副作用で体力や気力が落ちることで、結果的に延命効果は限定的になるのではないかという指摘が医療界にあるようです。また高価な抗ガン剤の使用拡大が医療費の押し上げの要因になっています。

そこで国立がんセンターは、2007~08年に同センター中央病院で受診した約7,000人のガン患者を対象に予備調査を行いました。ガン種別(肺、胃、大腸、乳ガンなど)に抗ガン剤治療を受ける患者と、痛みを緩和する目的で放射線治療などの緩和治療中心の患者に分け、それぞれどれくらい存命したかという生存率を年齢別に比較しました。

例えば末期の肺ガン患者の場合、75歳未満では明らかに「抗がん剤治療あり」のほうが延命効果は高かったのですが、75歳以上では大きな差が出ないとの結果が出ました。しかし75歳以上の末期肺ガン患者に限ると対象者は20人程度と少なく、また他のガンについてもサンプル数が少ないため化学的根拠を得るためには大規模な調査が必要と判断しているようです。

厚生労働省は、全国の病院のガン患者の治療データを集約する「全国がん登録」制度などを活用して大量のデータを集め、詳細な分析を行う予定です。緩和治療のあり方など生活の質の観点からの調査も実施します。

こういった調査は、国民の2人に1人がガンになる時代に、適切な治療のあり方を探る基礎データとなることが期待されています。

私の個人的な感想としては、高齢者に抗ガン剤(従来の細胞毒性型)を使用してもあまり効果はないだろうと思っています。抗ガン剤開発にも携わりましたが、既存の抗ガン剤の副作用は本当に強いものがあります。高齢者でなければ吐き気や脱毛として現れるだけですが、体全体を痛めてしまうことは確かです。

ですから高齢者は延命効果が出ないことは十分ありうることで、私もガンになっても化学療法は受けないつもりでいます。現在は学会などの治療指針も年齢によって変えていませんが、高齢者には緩和療法が適していると考えています。

こういった大規模調査で高齢者の治療方針が変わることは、本人の負担だけでなく医療費の面からも必要なことと思われます。

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