ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

抗生物質を飲みすぎると起こる悪影響

2023-06-13 10:37:23 | 
私は30代のころ5年以上抗生物質の合成研究を行っていました。新規な抗生物質を開発するためには、そのメカニズムや対象となる微生物について知る必要があり、多分普通の医師などよりは詳しくなっています。

最近抗生物質については、タイトルのような否定的な論調が増えている気がしますが、感染症については非常に有効なものと思っています。

20年ほど前までは、風邪をひいたときには必ず抗生物質も処方されていました。その後風邪の原因ウイルスには抗生物質は効かないことや耐性菌の問題が出てきて、抗生物質を処方されることはなくなっています。

これは正しいのですが、研究者の間では風邪はウイルスと細菌の複合感染という事が常識となっていました。複合感染といってもウイルスと細菌に同時に感染するというより、ウイルスによって体が弱るため、元々わずかに存在している常在菌が増殖してしまうというタイプです。

ウイルス感染によってかなりの発熱やひどい咳、胃腸症状などがでますが、これは病院に行っても行かなくても数日で治まることがほとんどです。ところがこういった激しい症状が治まっても、のどの痛みや軽い咳など体調不良が残ってしまうことがよくあります。

これは炎症やウイルスがいるためではなく、常在菌の繁殖によるもので、常にいる菌のため免疫も働きにくく長期化するのです。

これは抗生物質を飲めばすぐに良くなるのですが、この投与法にも問題があります。医師が抗生物質を処方するときは、1日2.3回、1週間ほどになります。そしてほとんどの医師とすべての薬剤師はこれを飲み切るように指示を出します。

これは100いる菌を0にするにはある程度長期服用が必要となるため、正しい指示といえます。しかし実際は100いる菌が1になれば、免疫がしっかり働いて0にすることができるのです。この100いる菌を1にするには、抗生物質を1回か多くても3回程度飲めば十分なのです。

つまり医師が処方する抗生物質は明らかに過剰投与で、そのため腸内細菌を乱したりという悪影響が出るといえます。抗生物質を1,2回飲んでも効果が出ない場合は、その菌に合った抗生物質ではないためで、1週間飲んでもほとんど効かないでしょう。

患者は自分に合った(常在菌によく効く)抗生物質を知っておくことが理想で、そのためにはいろいろな抗生物質を試す必要がありますが、現状では難しいかもしれません。

医師はその患者に合った抗生物質など分かりませんので(熱心な医師は症状から選択しますが)、自分の好みの物を処方するだけです。

その他耐性菌の問題などいわれていますが、これは免疫機能が低下した長期服用患者にとっては問題ですが、普通の人にとっては全く問題ありません。100の菌が1になれば、残りが耐性菌であろうとなかろうと免疫が完全に排除します。

医師に抗生物質を処方してもらい、風邪の治りかけに1回飲み残りを常備薬として取っておくのが私のお勧めです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿