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重粒子線ガン治療の装置の小型化を達成

2023-11-24 10:37:51 | 健康・医療
もう亡くなった友人の話ですが、膵臓ガンが見つかりましたがもう手術ができない状況でした。

ちょうどコロナの自粛期間でしたので、よくオンラインの飲み会をやっていました。そこで彼は日本には数施設しかない重粒子線治療を受けると言っていました。その後のオンライン飲み会で、膵臓ガンの重粒子線治療前後のPET画像を出して説明してくれました。

自分のPCにPET画像があるというのもすごいのですが、彼はコンピュータの専門家なので可能になったのかもしれません。その画像によれば、治療前は膵臓が大きく光っていたものが、治療後は本当にどこか分からないくらいになっており、十分有効であったことが分かりました。

ただその画像で脊椎の一部が光っているような感じで、本人もやや気にしていました。その後その友人はやはり骨転移が起き、その3か月後に亡くなってしまいました。しかしこの重粒子線治療は、非常に高額なのですが予想以上の効果が出るものだと感心していました。

さてこの「重粒子線ガン治療装置」を小型化するために、量子科学技術研究開発機構などの研究チームは、新型イオン入射装置の原型機を完成させたと発表しました。

2030年の実用化を目指しており、専用建屋が必要だった大きさが建物1階分に収まるサイズになり、導入費用も安くなり普及が進むと期待されます。重粒子線がん治療装置は1994年に放射線医学総合研究所で初めて稼働しました。

その後面積で3分の1程度に小型化した装置もできましたが、まだ巨大で高額なため、現在国内で1年間に治療を受けられる患者は7施設で計約4000人に留まっています。重粒子線は炭素イオンのビームを出すため、どうしても装置が大型になるようです。

この装置はイオン入射装置と円形加速器で構成されており、イオン入射装置はメタンガスから作った炭素イオンを線形加速器で予備的に加速する仕組みです。研究チームは2000年に海外で報告されたレーザー・プラズマ加速現象に注目し、飛躍的に小さくした原型機を開発しました。

原型機では炭素が付着したニッケル薄膜にチタンサファイアレーザーを照射し、瞬時にプラスのイオンとマイナスの電子に分離します。先に電子が飛び、それに引っ張られるように炭素イオンが強力に加速される仕組みです。

こうして小型化ができれば、設置施設も増えるのかもしれませんが、友人が治療を受けたときに治療費が数百万円(それも上の方)と言っていましたので、早く保険適用となり安価に治療できるようにするのも大きな課題かもしれません。


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