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ごっとさんのブログ

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道徳的な直観に反して不平等な社会が残っている

2025-03-24 10:32:49 | その他
現代社会が平等かというと、決してそんなことはない気がします。例えば私がよく行くパチンコでも、いつも勝っている人もいれば負け続けている人もいます。

まあこれは不平等とは言いませんが。社会的不平等はおのずと発生し、世代を超えて受け継がれ排除するのは極めて難しいとされています。

簡単に言えば、生じた社会経済的不平等ははなくなりません。誰にもその本質はわからないし、いくら探しても最善の解決策は見つかりません。完全に平等な社会は、今後もしばらくは実現しないでしょう。加えて際限のない不平等と過激な平等を対比する行動は混乱を招きます。

それでもある程度平等な社会には利点があると考えられます。不平等が拡大していくことの最大の問題は、不平等な仕組みが社会資本を損なう、言い換えればその社会の全構成員間の円滑な協調を可能にする非公式な社会規範網を破壊してしまう点にあります。

特に問題になるのが、社会的信頼のダメージです。何しろ基本的に人が互いに信頼できるときにのみ社会のつながりは維持され、社会のつながりが維持されるときのみ繫栄する平和な共存が可能だからです。

社会的不平等による信頼の損失が引き起こす症状には、共同体の基本形態の浸食、公衆衛生の悪化、さらには社会の大部分が自分にはチャンスが公平に与えられることがないと考えることからくる心理障害、暴力傾向、あきらめの増加などが数えられます。

結果として、自殺や薬物の乱用による絶望死が増えることもあります。現代社会は、ある程度の不平等を許容せざるを得ませんが、それは不平等を引き起こしている諸制度が、不平等から生じる心理的・感情的被害を埋め合わせられるだけの利点をもたらす場合に限ります。

市場がとてもうまく機能している場合でも、経済的成功は幸運な偶然や出自や個人の才能に依存するため、社会経済的な非対称性は必ず生じます。それでも非対称な社会が可能とする効率や利益は、すべての人に有益となりえます。

不平等は道徳的な直観に反するにもかかわらず、人類はいまだに明らかな不平等のない社会を築く方法を見つけていません。原始的な生活にロマンを感じる人は多いかもしれませんが、実際そのような形の共存生活へ回帰したいと考える人は少ないです。

不平等は、それで誰も得をしないときはじめて問題とみなされます。結局やや哲学的な話になってしまいましたが、この社会の不平等はなるべくしてなったということのようです。

実際にはこれに実力主義の問題などが絡んでいるようですが、長くなりましたのでこの辺で終わりにします。