ごっとさんのブログ

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運動が乳ガン再発リスクを下げる

2024-03-05 10:34:22 | 健康・医療
乳がんは女性のガンの中では多い方ですが、少し前まではガン組織だけではなく広範囲に切除する術式が一般的でした。最近は他のガンも含めてガン組織だけを除くという手術に変わってきたようです。

また運動をするかしないかで、乳ガンの再発リスクに歴然とした差が出るという研究結果が報告されています。

日本乳ガン学会の患者向けガイドライン(2019年版)では、「適正体重を維持すること」「運動不足を防ぐこと」が再発予防として推奨されており、1週間にトータル1時間程度運動する人は、全くしない人と比べて再発リスクは25%低下し、死亡リスクも40%下がるというデータが示されています。

乳ガンを経験すると治療の影響で筋肉量が減りやすく、太りやすくなる人もいるようです。そうやって体脂肪が増えると、乳ガンの発症・再発に関係する女性ホルモンの生産量も増えてきます。

またガンの治療後、抗ガン剤などの影響で10年分の筋肉量や持久力が減ることが論文で報告されています。乳ガン患者対象の持久力に特化した論文では、50代の乳ガン経験者の持久力は、60代のガンと診断されていない女性とほぼ同じというデータが発表されています。

持久力が低下すると疲れやすく、歩いたり動いたりするのがおっくうになります。次第に活動量が減り、筋肉量減少と体重増加につながります。加えて活動量低下はさらなる持久力低下を招くので、より活動量が減る(筋肉量減少と体重増加)という悪循環に陥ってしまうようです。

運動はホルモン療法の副作用で多く見られる関節痛を、緩和させる効果も実証されています。乳ガン治療で不安定になりがちなメンタルヘルスも前向きにします。抗ガン剤治療中で気分が悪い時は無理にする必要はありません。

乳ガンの手術を受けた後、乳房再建手術までの間は激しすぎる運動は避けた方がいいこともあるようです。自宅で始めて見たいとひとには、スクワットと、仰向けに寝て両脚を上げ下ろしするレッグレイズが良いようです。

スクワットは体で最も多くの筋肉を占める下肢を鍛えられます。腹筋運動は多くの運動種目で使われる筋肉群であるため、腹筋が弱いと高い強度のトレーニングが行えません。

運動によって体内の免疫は強化され、ガン細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞の働きが活性化するなどの理由で、乳ガン再発リスクが低くなるとする論文も発表されています。

重要なのは運動習慣を作ることで、3か月間継続できれば習慣化できるといわれています。