ごっとさんのブログ

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高い枕で寝ると脳卒中になりやすい説

2024-03-11 10:37:33 | 健康・医療
私は若いころは寝つきが悪く、ベッドに入ってもなかなか寝付けませんでした。別に枕にこだわりなどなく、どんな枕でも問題はなかったのですが、なかなか寝付けないことをやや気にしていました。

それが歳をとってからは非常に早くなり、寝酒としてウイスキーを少し飲む習慣が良いのかもしれません。寝酒はあまり良くないと言われていますが、私にとっては良い睡眠をとるうえで大いに役立っているような気がします。

脳卒中の原因のひとつ、特発性椎骨動脈解離は高い枕で寝る人ほど発症率が高いことが、国立循環器病研究センターの研究チームの分析で明らかになりました。

研究チームは「殿様枕(とのさままくら)症候群という新しい病気の概念を提唱し、何気ない睡眠習慣が脳卒中のリスクになり得ることを認識してもらい、予防に繋げて欲しいとしています。

突発性椎骨動脈解離は首の後ろの血管が裂け、脳卒中を起こします。頭痛などをきっかけに発症に気づくことがあります。脳卒中全体の2%程度ですが、働き盛りの世代を含む15〜45歳の脳卒中患者の1割程度を占め、うち2割近くが亡くなったり後遺症が残ったりしますが、根本治療がありません。

研究チームは、原因が分からない患者の中に高さ17〜19センチにもなる極端に高い枕を使っている人がいることに注目しました。

2018〜23年に国循で突発性椎骨動脈解離と診断された53人と、同じ時期に脳梗塞や脳出血で入院し性別や年齢などをそろえた53人を比較対象とし、計106人が発症時に使っていた枕の高さを調べました。

枕は寝具メーカーや業界の専門家の意見を参考に、売られている枕の中で12センチ以上を「高い」、15センチ以上を使用が進められないほどに「極端に高い」と定義しました。この枕の高さが12センチ以上は計26人いました。

枕の硬さや突発性椎骨動脈解離のリスク要因である首の屈曲(あごが胸に付く方向に曲がっている度合い)の有無も調べました。その結果、12センチ以上の枕を使っていたのは突発性椎骨動脈解離の患者が34%だったのに対し、比較対象の方は15%でした。

15センチ以上はそれぞれ17%と1.9%となり、枕が高いほど突発性椎骨動脈解離を発症しやすくなっていました。枕の高さでみると、15センチ以上の9割をこの患者が占めていました。

枕が高いと首の屈曲につながるほか、寝返りなどで首が回るときに血管が傷つくことが考えられるようです。また枕が硬いと発症との関連が強く、やわらかい枕だと緩和される傾向が見られました。

以上あまり面白い研究結果ではありませんが、枕の高さはほどほどにしておくのが良いと言えそうです。