ごっとさんのブログ

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「老後」とは生物学的にいつからなのか

2024-02-17 10:34:00 | 自然
私はもうすぐ77歳の喜寿を迎える歳になり、「老い」を感じることが多くなりました。

59歳で長年勤めてきた会社を退職し、すぐ住んでいる市にある企業研究所に派遣社員として勤務し、同時に2つの大学の非常勤講師を始めました。

こういった仕事も67歳でいわば定年となり、その後英文特許の翻訳という自宅でできることをやっていましたが、アメリカの特許制度の改革により中止となりました。現在は囲碁や麻雀、スロット、ギターやマリンバといった趣味を中心に過ごしています。

こういった生活も10年近くなり、何となく物足りない気がして、昨年末市の高齢者支援施設である「生きがい事業団」に登録しましたが、まだこれといった仕事の紹介はありません。

さてどこからが「老後」と定義づけられるのか、ヒトと似たゴリラやチンパンジーも老いを感じるのかという問題です。多くの生物にとって、老化して動きが緩慢になることは生存には不利なので、老化で身体がだんだん衰えていく状態は、積極的に選択されてきたものではなかったと思われます。

つまり生物の種の存続から考えれば、老化などない方が良く老いずに死ぬ、つまりピンピンコロリと死ぬほうが良いことになります。ヒト以外の動物は、単純に子供の産める期間まで、つまり未成熟期および生殖可能年齢を老いていない期間としています。

ヒトは50歳前後で閉経を迎える女性が多く、この時期で排卵がなくなるので以降は子供を産めません。その前後でのホルモンバランスの変化(いわゆる更年期症状)によって体の不調を訴えることもありますが、それ以外の肉体の衰えはそれほど顕著ではありません。

他の動物との比較の都合で、ヒトの場合も閉経を老いの境界線として使っています。ヒトでは未成熟期間も含めた生殖可能年齢、つまり「老いていない期間」は閉経までの約50年で、その後亡くなるまでの期間が約30年あります。

つまり生物学的には人の約40%の期間が産むという機能を喪失した、ある意味老化した「老後」となります。ここで着目するのは人と同じ大型霊長類であるゴリラとチンパンジーです。

だいたいヒトと同じ時期に閉経を迎えますが、その後子供が産めなくなったらすぐに寿命を迎えて死んでしまい、老後はないのです。他の哺乳動物を見ても、若干の例外はありますがほとんどが「老後」はなく、死ぬまで子どもが産めるのです。

このように老後は人という「種」の特徴となっていますが、なぜ老後があるのかについては色々な説がありますが、主なものは子育ての特徴のようです。この点については色々な面白い説がありますので、また取り上げるかもしれません。