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科学的根拠の信頼度が低い血圧の基準値

2024-02-16 10:31:15 | 健康・医療
私は血圧が低い方で、77歳になっても120代しかありません。低血圧かもしれませんが、特に症状もなく問題なく過ごしています。

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」では、上が130~139かつ下が85~89の場合は、高血圧予備軍とみなされます。上が140、下が90を超えるとひとくくりに高血圧とみなされ、薬を処方されるというのが今の高血圧事情です。

1960年代後半に日本の医学部で最も広く使われていた「内科診断学」という教科書には、日本人の年齢別平均血圧の算出法として、「最高血圧=年齢+90」という算式が載せられていました。つまり私なら160以下で正常ということになります。

ところが1999年にWHO(世界保健機構)とISH(国際高血圧学会)が「140/90」以上は高血圧と定義しました。すると日本高血圧学会もこれにならい、2000年に140以上を高血圧とし、目標数値を130未満にまで引き下げたのです。

しかしこの時点ではまだ、70歳代の高血圧の目標値は150〜160、80歳代では160〜170と年齢によって幅を持たせていました。ところが2003年になるとこの年齢別の数値も撤廃し、何歳だろうと一律に140/90以上で降圧剤を処方するとしたのです。

その一方で日本人間ドック学会は、2014年に「健康の検診の基準範囲」で、健康な血圧上限を147/94としました。このため高血圧の基準がゆるくなったと報道されたりしましたが、日本高血圧学会は「科学的根拠の信頼度が低い」と強く反論しました。

その為多くの医師は140を超えたら「高血圧」と降圧剤を処方しているのです。私は最低血圧はあまり気にしていませんが、120/90などと幅が狭めだったり逆に150/80と広かったりすると気になる人もいるようです。

一応の目安としては血圧の差が40〜60の範囲に収まっているなら、特に心配する必要はないとしています。差が狭い場合も、最高血圧が正常範囲なら気にしなくてもよさそうです。実際は血圧計の使い方が間違っている場合が多く、病院で測定してもらう方が確実です。

むやみに高血圧を恐れる必要がない理由は、いろいろあります。そのひとつに「血圧の個性」があります。上が140ぐらいでちょうどいいという人もいれば、反対に100ぐらいしかないという人もいます。

血圧にも個性がありますので、140以上は高血圧ですとしてしまうのはおかしいといえるようです。薬を飲むと血圧は下がるが、またすぐに上がってしまう。薬を飲む前の血圧が自分にとっての正常値ではないかという意見はかなり正しいようです。

結局極端に高くなければ、140という数値にあまりこだわる必要はないと言えるのかもしれません。