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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

放っておいてもいい老化・見逃すと危険な老化

2025-07-15 10:32:48 | 健康・医療
全国の100歳以上の高齢者が過去最多を更新しました。日本人の平均寿命が伸び続けているいま、老化との向き合い方が人生の充実度を決めてしまいます。

老化は全身にさまざまな現象を引き起こします。脳が老化すると神経細胞が減って、脳が委縮して認知症になります。心臓の心筋細胞が老化すると、心臓が収縮しなくなってポンプ機能が低下し、慢性心不全になってきます。

腎臓は機能が落ちると尿を作る能力が低下し、半分以下になると腎不全になります。誰でも毎日体の中でガン細胞が生まれていますが、NK細胞や白血球、リンパ球が退治してくれるのでガンの発症が抑えられています。

しかし免疫力が低下するとガンになりやすく亡くなる人も増えてきます。また誤嚥性肺炎や感染症で亡くなりやすくもなります。女性の老化には、女性ホルモンエストロゲンの減少が大きく関係しています。

35歳ごろから女性ホルモンの低下が始まると、コラーゲンやエラスチンの減少により、皮膚が乾燥しやすく、シミやしわが増えます。髪のボリューム低下や白髪が増えるなどの症状も出ます。

40代以降は病的に骨密度が低下して骨粗しょう症のリスクも増え、加齢で筋肉が減るサルコペニアになると、骨粗しょう症と相まって骨折しやすくなります。エストロゲンは膀胱や尿道の組織を維持する働きがあり、低下すると組織の弾力性が失われて、尿もれしやすくなります。

出産や加齢による骨盤底筋のゆるみや尿道の変化も尿漏れの原因です。いくつもの老化現象に悩まされますが、実は健康寿命を伸ばすためには対処すべきものと、放置していいものがあります。

高齢だから仕方がないとあきらめずに、少し努力すれば健康長寿につながることがあります。ただ一方で、老化は自然現象です。神経質にならず老いを受け入れることで、幸せに過ごせることもあります。

高血圧の診断基準は140-/90ですが、この数字に明確な裏付けはありません。人は加齢によって血管の壁が厚くなるので、全身に血液を送るために自然と血圧が高くなります。

老化による自然現象なのに、降圧剤を飲んで無理に下げようとすると、頭がぼんやりするなどの副作用が出やすくなります。思わぬ転倒や事故にもつながるので、注意が必要です。

血糖値も同じで、数値が高いからと薬を飲むと、急激な低血糖を招いて意識障害や発作、最悪の場合は死につながることもあります。閉経後はエストロゲンが減少するので、コレステロールの値が上がりやすくなります。

病院に行くとスタチンなどの薬を処方されることがありますが、コレステロールは免疫細胞の材料なので、不足すると免疫力が低下しガンになるリスクが高まると指摘されています。

まあ結局あまり数値にこだわらなくても良いということかもしれません。

高齢者に降圧剤は必要ない

2025-07-10 10:31:46 | 健康・医療
私は若いころから低血圧気味で、100前後しかありませんでした。医師によれば何か症状があれば対処するが、特になければ放置しての良いということで何もせず暮らしていました。

最近はさすがに歳をとり120程度となっていますが、血圧を気にする必要はなさそうです。降圧剤の問題点については、海外でもこのテーマに関する調査が発表されています。しかしなぜか日本の医学会は、これに注目していないのが現状のようです。

2020年6月、英国に本部を置く医療研究団体のコクランが、高齢者が降圧剤を中止するとどのような影響がでるかと題する論文を発表しました。

その結論は、・降圧剤を中止しても、死亡リスクにはほとんど影響しないか、全く影響しない、・入院や脳卒中のリスクにはほとんど影響しないか、全く影響しない、というものでした。コクランは今年3月にこの論文を更新しましたが、主な結論は依然として当てはまるとしています。

コクランの調査の対象者は、高血圧症または心臓病の予防のために降圧剤を飲んでいた50歳以上の合計1073人です。被験者の年齢は58歳から82歳までとなっていました。

研究期間は最短4週間から最長56週間で、中には降圧剤の投与量を徐々に減らしてから投与中止しているケースもありました。英国は医療費が無料で、全額を国が公費で支払っているため、無駄な医療は極力辞めたいという社会的なニーズが高くなっています。

そのためこの薬は本当に必要なのかという点について科学的根拠をもとに検証するエビデンス・ベースド・メディスンが発達しています。

この調査背景として、高血圧は心血管疾患の重要な危険因子ですが、降圧剤の使用は高齢者において、薬物有害反応や薬物相互作用の発生といった有害事象と関連しています。一部の高齢者においては降圧剤の服用中止が適切と考えられる場合があるといったことです。

調査項目としては、降圧剤の服用を続けた被験者と中止した被験者の死亡率の変化です。また心筋梗塞、脳卒中、入院、薬物有害反応の発現率の変化などを算出しました。

これで前述の結果を出したのですが、エビデンスが不確かで確固たる結論を導き出すことができない部分があったようです。

今後の研究では、降圧剤の服用に対するベネフィットとリスクの不確実性が最も大きい集団、たとえば虚弱体質の人、高齢者、多剤併用の人に焦点を当て、薬物の有害事象、転倒、生活の質などの臨床的に重要な結果を測定すべきとしています。

こういったコクランの論文が、なぜ日本の医学界で話題にならないのかは、大きな問題といえるのかもしれません。

熱中症予防に効果的な冷蔵庫にある定番の飲み物

2025-07-09 10:35:48 | 健康・医療
私はまだヨボヨボになってきたという実感はないのですが、ここでは牛乳を飲むことを推奨しています。

牛乳は朝・昼・晩に飲むとそれぞれ異なる効果が得られ、ヨボヨボな老後を防げるだろうとしています。年齢を重ねると様々な変化と出くわし、悩むことが増えます。

中でも多いのが睡眠の悩みで、布団に入っても眠れない、深夜に目が覚めてしまう、朝の目覚めがよくないなどさまざまです。睡眠には、体はリラックスしているけれど脳は活動していて情報などの整理をしているレム睡眠と、体も脳もリラックスしているノンレム睡眠があります。

この二つがセットで90~110分サイクルを一晩に4~6回繰り返します。このサイクルがスムーズでないと眠りは浅くなります。またノンレム睡眠は浅い眠りから段階的に深くなるのが特徴ですが、その際深い眠りに到達できない場合があります。

これもまた、睡眠の質が下がっていることになります。睡眠の質を低下させる根本的な原因を解決させることは大切ですが、食事でも解決する方法があります。それは深い睡眠へと誘うホルモンであるメラトニンの分泌を活発にすることです。

睡眠の味方であるメラトニンは、日常生活の中で分泌が抑制されてしまうことが多々あります。その一つはストレスで、長時間ストレスにさらされることでメラトニンは抑制されます。

次が不規則な生活リズムで、起床時間が早朝だったり、昼近くだったりとばらばらだとメラトニンの分泌が乱れます。そしてここ何年かで問題になっているのが、スマートフォンなどによるブルーライトです。

これもまたメラトニンの分泌を大きく抑制するのを実感している人も多いと思います。またカフェインやアルコールの摂取もメラトニンの分泌を阻害します。こうして日々抑制されるメラトニンの分泌をスムーズにするにはどうしたらいいのでしょうか。

それはメラトニンの材料となる食材をとることです。そこで助けとなるのが朝牛乳なのです。牛乳を飲むとトリプトファンが体内に取り込まれ、セロトニンというホルモンを分泌します。

このホルモンは幸福感が増し、前向きで明るい気持ちになるなど、メンタルに大きな影響を与えるため幸せホルモンと呼ばれています。牛乳のトリプトファンはセロトニンに変換され、さらにメラトニンに変換されます。

牛乳を飲んだらすぐメラトニンを分泌するわけではなく、その点が一足飛びにはいかないところです。トリプトファン→セロトニン→メラトニンというゴールにたどり着くには14~16時間かかるといわれ、朝8時に牛乳を飲むと、夜の10時~12時ころに分泌されることになります。

朝牛乳を飲むことで、夜に向けて睡眠体制を整えることになります。自分の就寝時間から逆算して朝牛乳を飲むと、深い眠りにつけるようになります。

同様に昼と晩に牛乳を飲むメリットがありますが、長くなりましたのでこの辺で終わりにします。

遺伝的に糖尿病になりやすい人の特徴

2025-07-07 10:34:58 | 健康・医療
日本は糖尿病大国と呼ばれていますが、予備軍も含めた国内の患者数は約2000万人と推定されています。

1型糖尿病は遺伝病としてよく知られていますが、生活習慣病だと思われている2型糖尿病も、実は遺伝の影響を大きく受けているそうです。

数百万年間に地球上に人類の祖先たちが誕生したのち、長い年月を経て約6万年前、現在の祖先がアフリカの地から地球全体に広がっていきました。

寒冷や高温多湿、あるいは食料の不足などの様々な環境条件に適応するということは、身体の形質や機能を生存に適するように改変することに等しいです。生活する環境に適応するために、祖先は遺伝子配列を少しずつ変えながら、今日に至っているのです。

現在祖先から受け継いだ典型的な機能のひとつが、食糧が不足している条件でも、できるだけエネルギーを体に蓄えておく能力です。それは農耕・牧畜などによる食糧生産の増加が可能になってからも、それほど変わってきませんでした。

このような状況の中で、祖先が生き延びるには身体へのエネルギー貯蔵を可能にし、中等度の身体活動を推奨するような遺伝子、いわば倹約遺伝子の獲得が必要不可欠であったと考えられています。

そのような食糧不足が慢性化し、ハードな身体活動が不可欠であった時代は、つい最近まで続いていました。そのため直近の1万年ほどの間、遺伝子配列には、ほとんど変化がなかったと考えられています。

しかし現在では、食糧の増加、身体活動の減少などにより、倹約遺伝子が肥満やそれと関連する糖尿病などの生活習慣病の激増をもたらす要因になってしまったと考えられています。

2型糖尿病や脂質異常症などが生活習慣病として包括的に呼称されているのは、運動や食事、さらには喫煙などさまざまな生活習慣がそれらの発症に影響するためです。しかし生活習慣病の発症には遺伝的要因も大きくかかわっています。

体格や筋力、持久力などの運動能力と同様に、さまざまな生活習慣病の発症は、遺伝要因と環境要因がほぼ半々に影響を及ぼしていることを示しています。個人間のゲノムを比較すると、300万~400万カ所もの異なる塩基配列が存在すると考えられています。

それらの多様性の中で、ある集団において違いが1%以下であれば突然変異といい、1%以上の場合は遺伝子多型と呼んでいます。ほとんどの場合変異はそれぞれのタンパク質の機能には影響を及ぼしませんが、中には個人の疾患感受性に影響を及ぼすものが存在します。

以上のように2型糖尿病は生活習慣病と呼ばれていますが、複数の遺伝子と環境因子の組み合わせで発症する多因子性疾患であると言えるようです。

40歳以上は気をつけたい緑内障

2025-07-03 10:36:25 | 健康・医療
私が勤務していた会社の大先輩は、緑内障から失明してしまいました。友人・知人にも緑内障と診断され、眼圧を下げる目薬で治療している人もいます。

現在は多くの情報が視覚から入ってきますので、目の健康は重要性が増しているといえそうです。眼球の内部の圧力(眼圧)が高くなって視神経が傷つく緑内障は日本人の失明原因の1位です。眼圧を下げて進行を抑えることが治療の基本です。

国内の患者は推定465万人に上り、加齢はこの病気になるリスクを高めます。目の中の前のほうは房水という透明な液体で満たされています。

白目と黒目の境目の裏側で作られた房水は目に栄養を与え、出口にあたる目の表面近くの隅角と、その奥にあるフィルター状の組織線維柱帯を通って排出されます。この房水の流れが滞ると眼圧が上昇し、視神経が傷ついて視野が欠けてきます。

この病気は、おおきくは開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の二つのタイプに分類されます。開放型は隅角は開いているものの、線維柱帯が目詰まりしています。閉塞型は隅角そのものが閉じており、日本人の多くは開放型とされています。

緑内障の初期は自覚症状がありません。多少視野が欠けても、両目で補いあうからです。視力が低下して初めて気づくことも少なくありません。眼圧を下げることが治療の基本です。

正常範囲内の患者の眼圧を大きく下げることは難しいですが、無治療時から20~30%下げることが目標です。房水の排出を促す目薬や酸性を抑える目薬をまず投与します。その効果が十分でない場合、手術などを検討します。

レーザーで線維柱帯に刺激を与える治療や線維柱帯を切開して流出路を作る手術に加え、2022年に極細の管状の医療機器マイクロシャントを使った手術が新たに公的医療保険の対象になりました。

長さ8.5ミリ、外径0.35ミリ、内径0.07ミリの管を白目から眼内に差し込んで固定します。房水は管から排出され、眼圧が下がります。線維柱帯切除術と比べて体の負担が小さいうえに、手術時間は短く眼圧の過剰な低下といったリスクも比較的小さいです。

短期間で社会復帰したい人に向いていますが、適さないケースもあり、効果は切除術より少し劣るとされています。治療によって眼圧を下げることができても、一度傷ついた視神経を再生し、欠けた視野をもとに戻すことはできません。

早期発見や早期治療に向けて、40歳以上の人は定期的に検査を受けることが大切です。私は2年ほど前に眼科でかなり詳しい検査を受け、問題ありませんでしたがなかなか定期的に検査を受けるのは難しいような(面倒くさい)気がしています。