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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

健康を失う人が見落とす落とし穴

2025-07-26 10:32:18 | 健康・医療
人生100年時代といわれていますが、私もいつの間にか78歳という高齢になってしまいました。今の生活に不安があるわけではないのですが、いくつまで生きられるのかを気にする歳になったといえそうです。

ここでは夫婦そろって健康に100年ライフを送るための医学的心得について紹介します。大事なのは、100歳まで今の身体のままでいられるわけではないというのを認識することです。

老いは必ずやってくるし、時には車いすや寝たきり生活になるかもしれません。まずはそのイメージを持つことが大切です。そのうえで老後どんな健康状態になるかは、子育て世代といわれる30~40代が大きく影響していることも、しっかり意識しなければばりません。

その時点で老後、老化、認知症と並べられてもリアリティがないかもしれませんが、健康的に過ごせるか否かの分岐点はその時期にあるのです。

自分は長生きしなくてもいい、好きなことをしてコロッと行ければという人もいますが、今不摂生をしていると、思い描いていたコロッともできなくなるということです。

ピンピンコロリを時間だけ短くしてと想定されているのだと思いますが、60歳で脳梗塞を起こし、身体の機能を失って寝たきりのまま、その後何十年と生きるケースもあります。日本は健康寿命と実際の寿命とのギャップが長い国なのです。

食事は本人の喜びや幸せに直結するものなので、特別な事情がなければ、食事制限は後回しに考えることも多いです。食習慣を見直したい人には、地中海式ダイエット(野菜や果物、魚、豆類、オリーブオイルを中心に、精製していない穀物を主食とした食事法)がよいといわれています。

日本で完全に真似するのは難しいので、好きな食事の中で無理のない範囲で取り入れるのがよいのではないかでしょうか。食事は過剰な偏りがなければよいと思います。次は運動ですが、一番は自分が楽しく続けられるものがよいです。

他にも勉強も脳を動かすという意味で効果的です。脳は筋肉と同様に、動かさないと衰えます。逆に動かせばしっかりその働きを維持することができます。たとえば歯磨きは、何も考えずとも毎日します。

あのくらいかってに身体が動く、むしろやらないと気持ち悪いぐらいの習慣化を目指しましょう。それにはなにかひとつ引き金を作るとよいと思います。例えば電車に乗ったらすぐにイヤホンを漬けて英語のレッスンの時間に充てるとか、寝ようかなと思ったら筋トレをするとかです。

なにか行動をセットして紐づけておくと、自動的に体がやるようになるはずです。私は何かやろうとすると比較的習慣化しやすいので、何をやるべきか考えてみます。

膵臓ガンの早期発見は可能か

2025-07-22 10:31:48 | 健康・医療
私の身近な人で膵臓ガンになった人はいませんが、なんとなく重篤なガンというイメージがあります。

これはなかなか早期発見が難しいためのようですが、膵臓自身あまりよく知らないような気がします。膵臓は胃の後ろ側、脊髄の前に位置する、成人で長さ15~20センチ、重さ60~100グラムの臓器です。

食べ物の消化に関与する消化酵素を分泌したり、血糖値を調節するホルモンを分泌したりしています。膵臓ガンは、膵臓細胞から発生するガンです。線ガンという組織型がほとんどで、多くは膵管に起こります。

初期の段階から膵臓の周りのリンパ節や肝臓に転移しやすく、腹膜播種(腹腔内にガン細胞が広がること)が生じる場合があります。膵臓ガンは初期段階では症状に乏しく、進行すると腹痛・背中の痛みなどが認められるようになります。

年齢別では、膵臓ガンの発症者は40歳ごろから見られ、その後年齢が上がれば上がるほど増えます。男女で比べた場合には、若干男性に多く発症しています。糖尿病の人は、膵臓ガンになる危険性が大きいです。

糖尿病の急激な悪化は、膵臓ガンの可能性が疑われます。また喫煙者は非喫煙者と比較して膵臓ガンになりやすい傾向があります。膵臓ガンは肥満も関係しており、特に20歳代でBMIが30以上の肥満の男性は、発生リスクが非常に高いとされています。

その他アルコールを多量に摂取し急性膵炎を繰り返した人や、自己免疫性膵炎が原因で慢性膵炎を起こした人、血縁者に膵臓ガンの人がいる人は膵臓ガンになり易いといえます。膵臓ガンは、初期段階では自覚症状がないことが多いようです。

進行すると腹痛・食欲不振・腹部の膨満感・体重減少・下痢・黄疸・糖尿病の発症や急激な憎悪・腰や背中の痛みなどの症状が出ます。膵臓ガンを早期に発見するためには、以下の画像検査と腫瘍マーカーのチェックが有用です。

・腹部超音波検査(腹部エコー):膵臓ガンのスクリーニング検査として最初に受けるべき検査です。膵管の異常や膵嚢胞があるかを把握するのに役立ちます。

・腹部CT検査:X線を用いて膵臓ガンおよび、多臓器への浸潤や転移の有無まで診断できます。造影剤を使用して撮影すると、より正確な診断が可能です。

・腹部MRI検査:磁力を用いた検査で、病変や周囲臓器の状態を画像化します。

・超音波内視鏡検査(EUS):胃カメラの先端に超音波装置が備わっており、胃から膵臓を観察することにより、正確に膵臓ガンを観察するのに役立ちます。

腹部エコー・CT・MRIで膵臓ガンを疑われた場合の精密検査に用います。こういった画像検査以外にも腫瘍マーカー検査などがあり、現在は見つけにくい膵臓ガンの診断が正確に行えるようになってきたようです。

糖尿病になりにくくなる運動のコツ

2025-07-21 10:33:29 | 健康・医療
糖尿病というとギター仲間だったT君を思い出します。彼は若いころ糖尿病を発症し、それが原因で重い腎臓病となり透析になってしまいました。

透析の話はいろいろしてくれましたが、かなり大変で腎臓病にはなりたくないと思っていました。T君はその後ガンを発症し、結局亡くなってしまいました。

日本人の6人に1人が罹患しているといわれる2型糖尿病です。糖質や脂質を含む食習慣が主な原因ですが、それだけではなく運動不足も糖尿病を招く大きなファクターになっています。

日本の糖尿病の患者数は、糖尿病を引き起こしやすいライフスタイルの広がりと、平均寿命の延伸による高齢者の増加が相まって、増加の一途となっています。食事などで摂取した糖質が、体内で処理しきれずに血液中に高濃度で残ってしまい、持続的な高血糖状態となります。

その余分な糖が様々な細胞、特に末梢組織の毛細管にダメージを与えるのです。血糖値は空腹時にはやや低下していますが、糖質を含む食事や飲料を摂取すると、次第にその値は上昇していきます。

それは摂取した糖質が小腸で消化・吸収され、門脈を経由して肝臓から血液中に放出されるからです。よく知られているように、脳は通常では血糖をエネルギー源として、その機能を維持していますので、健常者でも2型糖尿病患者でも脳は同じように血糖を取り込んでいます。

また内臓や脂肪組織でも、糖取り込みに健常者と糖尿病患者の間に差は認められません。大きな違いがあるのは筋肉です。筋肉は体内の最大の糖処理機関で、健常者では血糖の80%程度が筋肉に取り込まれて処理されていますが、2型糖尿病患者ではそれが半分程度まで低下しているのです。

筋肉細胞で糖取り込みに重要な役割を担っている調節タンパク質が糖輸送体(GLUT4)です。GLUT4は筋肉や脂肪組織に特異的に発現しており、インスリン刺激と筋収縮刺激では異なるメカニズムによって血糖を取り込んでいることが、ラットの骨格筋を用いて解明されています。

筋細胞内にはGLUT4がプールされており、それぞれの刺激によってGLUT4が細胞膜上に移行して、血糖が筋肉内に取り込まれます。

食後に上昇した血糖値の低下や、運動に必要なエネルギー源である血糖を筋肉内に速やかに取り込むためには、GLUT4の筋肉内の量が多いこと、そしてGLUT4が円滑に筋細胞膜上に移行できることが重要です。

心肺体力が低い人ほど糖尿病の発症率が高くなっていることが報告されています。このようにGLUT4が糖尿病発症に関与していることは確かですが、ほかにも要因が多数あり、糖尿病予防はかなり難しいことのようです。

予防接種の後進国である日本

2025-07-19 10:32:18 | 健康・医療
予防接種というと私は何年か前、新型コロナのワクチンを打って以来全くやっていませんが、帯状疱疹などいくつか予防接種はあるようです。

基本的に現在健康だとあまり予防接種はする必要がないという考えが、予防接種後進国となっているのかもしれません。

2009年当時は、日本は本当にワクチン後進国で、米国から20年は遅れていたようです。小児の髄膜炎を予防するインフルエンザ菌や肺炎球菌のワクチンも定期化されておらず、子宮頸ガンを予防するヒトパピローマウイルスのワクチンも定期接種ではありませんでした。

そもそも定期と任意に分けているシステムそのものが日本独特で、有効性と安全性が確認されているワクチンが、推奨されず定期接種になっていないこと自体が不思議な制度でした。

日本の予防接種行政には理念や原則やロジックがなく、小児の髄膜炎を減らしたいとか、子宮頸がんを撲滅したいといった、目指すアウトカムも設定されておらず、ただ会議を開き定期だとか任意だとかを決めていたのです。

科学性よりも世論のほうがパワフルで、副作用の懸念がメディアで大きく報じられると、そのデータを無視して、予防接種が事実上ストップという事態が起きました。それから15年以上たち、日本と海外のワクチンギャップは狭まってきました。

当時承認、定期化されていなかったワクチンも定期接種のリストに加わってきました。しかし根っこのところは同じで、ワクチンが定期になるか任意のままかは暫定的に、そして政治的に決められています。

百日咳では、妊婦がワクチン接種を受けることで生まれてきた子供の百日咳リスクを減らすことが分かっており、米国などではワクチンが妊婦に推奨されています。日本ではこのワクチンはいまだ承認されておらず、妊婦への百日咳ワクチンの定期接種もありません。

またいつものように、この問題が深刻になって世論が政治や行政を動かすことができれば、導入されるでしょう。米国ではワクチン行政が後退しつつあるようです。

報道によると、これまで堅牢な実績があったB型肝炎ワクチン、麻疹、風疹、ムンプスの三種混合ワクチン、あるいは水痘ワクチンなどが見直される可能性があります。何十年も積み上げてきた実績が、レベルの低い政治家の鶴の一声で壊れてしまうかもしれません。

日本にも非科学的で反ワクチンな政治家は一定数います。同じ轍を踏まないよう、国民やメディアの丁寧な監視が必要です。米国の失墜を他山の石としなくてはいけないといえるような気がします。

放っておいてもいい老化・見逃すと危険な老化

2025-07-15 10:32:48 | 健康・医療
全国の100歳以上の高齢者が過去最多を更新しました。日本人の平均寿命が伸び続けているいま、老化との向き合い方が人生の充実度を決めてしまいます。

老化は全身にさまざまな現象を引き起こします。脳が老化すると神経細胞が減って、脳が委縮して認知症になります。心臓の心筋細胞が老化すると、心臓が収縮しなくなってポンプ機能が低下し、慢性心不全になってきます。

腎臓は機能が落ちると尿を作る能力が低下し、半分以下になると腎不全になります。誰でも毎日体の中でガン細胞が生まれていますが、NK細胞や白血球、リンパ球が退治してくれるのでガンの発症が抑えられています。

しかし免疫力が低下するとガンになりやすく亡くなる人も増えてきます。また誤嚥性肺炎や感染症で亡くなりやすくもなります。女性の老化には、女性ホルモンエストロゲンの減少が大きく関係しています。

35歳ごろから女性ホルモンの低下が始まると、コラーゲンやエラスチンの減少により、皮膚が乾燥しやすく、シミやしわが増えます。髪のボリューム低下や白髪が増えるなどの症状も出ます。

40代以降は病的に骨密度が低下して骨粗しょう症のリスクも増え、加齢で筋肉が減るサルコペニアになると、骨粗しょう症と相まって骨折しやすくなります。エストロゲンは膀胱や尿道の組織を維持する働きがあり、低下すると組織の弾力性が失われて、尿もれしやすくなります。

出産や加齢による骨盤底筋のゆるみや尿道の変化も尿漏れの原因です。いくつもの老化現象に悩まされますが、実は健康寿命を伸ばすためには対処すべきものと、放置していいものがあります。

高齢だから仕方がないとあきらめずに、少し努力すれば健康長寿につながることがあります。ただ一方で、老化は自然現象です。神経質にならず老いを受け入れることで、幸せに過ごせることもあります。

高血圧の診断基準は140-/90ですが、この数字に明確な裏付けはありません。人は加齢によって血管の壁が厚くなるので、全身に血液を送るために自然と血圧が高くなります。

老化による自然現象なのに、降圧剤を飲んで無理に下げようとすると、頭がぼんやりするなどの副作用が出やすくなります。思わぬ転倒や事故にもつながるので、注意が必要です。

血糖値も同じで、数値が高いからと薬を飲むと、急激な低血糖を招いて意識障害や発作、最悪の場合は死につながることもあります。閉経後はエストロゲンが減少するので、コレステロールの値が上がりやすくなります。

病院に行くとスタチンなどの薬を処方されることがありますが、コレステロールは免疫細胞の材料なので、不足すると免疫力が低下しガンになるリスクが高まると指摘されています。

まあ結局あまり数値にこだわらなくても良いということかもしれません。