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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

ネコとストレスのはなし

2018-08-16 09:54:09 | 
8月8日がIFAW(国際動物福祉基金)が2002年に制定した「世界猫の日」という記事を見ました。

これは何を意味し何かをやる日なのかはよくわかりませんでしたが、他にもネコの日はいくつかあり、日本では2月22日が一般的かもしれません。まあこういった語呂合わせ程度で特別な日ではないようです。

ペットフード協会の2017年の飼育実態調査によると、完全室内飼い(散歩や外出しない)ネコの割合は74.9%にもなるようです。イヌの場合散歩がほぼ必須であるのに対して、ネコは住環境にもよりますが、狭いワンルームマンションなどで飼われているケースもあり、室内飼いや多頭飼いは猫にとってストレスになるのかもしれません。

トラやヒョウなど単独行動をするネコ科のネコは、もともと社会的な動物ではありませんでした。ライオンやチーターのように群れを形成し、社会的な生態を持つネコ科の種もいますが、人間の近くで暮らしはじめ、家畜化が進んでもネコの基本的な生態は孤独で非社会的といえます。

これはネコの祖先が、ライオンなどではなく単独行動をとるヤマネコと考えられているためです。ネコが家畜化したのはせいぜい約1万年前で、それ以来人間とはつかず離れずの関係を構築してきました。

ネコがヒトと一緒に暮らしたり、多頭飼いを許容したり、集団を形成したりするという生態は、家畜化が進む過程で獲得されたのか、それとも家畜化以前から持っていたものなのかは議論が分かれるようです。

社会性の強いイヌの場合、ヒトや同じイヌ同士の生態を評価する研究は比較的容易ですが、気まぐれなネコの場合はなかなか難しいとされています。

個体差もありますが、ネコが自宅に放置された時間経過で、飼い主に対する反応の変化を調べた研究によれば、放置されていた時間が長いほどネコが社会的な関係性を構築するように振る舞ったようです。

さてネコのストレス評価については、身体の姿勢や各部位の様子などによってスコアが確立されているようです。フルリラックスで体は横寝か仰向けになり、恐怖におびえるストレスフルな状態になると四肢を縮めて震えることになるとしています。

多頭飼いの場合、ネコでは飼育面積によってストレスが変わってくるようです。ストレススコアを使った多頭飼いの研究によれば、1頭当たりの面積が増えればそれだけストレスも軽減されます。

私の家も多頭飼いをしていますが、もともとネコがストレスを感じるとは思えません。どのネコも勝手気ままに暮らしているように見えますし、飼い主との関係もそれぞれのネコが好きなようにくっついたり離れたりしています。

今も私の後ろで伸びて寝ていますので、多分ネコは最もストレスの少ない動物のような気がします。

猫の寿命が2倍に? 腎不全特効薬

2018-02-22 10:34:09 | 
久しぶりに猫の話ですが、家猫ではなく猫の死因トップの腎不全の薬の話です。

猫は全体的に腎臓が弱いようで、原因はわかりませんが腎機能が低下してしまうことが多いようです。症状としては初期には水を多く飲むようになり、食欲が落ちてきて体重が減ってくるというものですので、よほど気を付けていないとなかなかわかりません。

痩せてきたからといって獣医に連れて行っても、もう腎機能がかなり落ちており、静脈への点滴などが応急処置になります。これも単なる対症療法ですので、腎機能が改善することは無くそのまま弱って死んでしまうということになります。

私の家でも何匹かがこの腎不全で死んでしまいました。最近になりこの猫の腎不全の薬が開発されたようです。

東京大学の研究チームが猫の腎不全の特効薬を発見したと発表しました。研究チームは、血液中にある「AIM」というタンパク質に注目しました。これは細かい部分は省略しますが、約350個のアミノ酸からなるタンパク質で、人間やネコの腎機能改善に大きく寄与していることを立証しました。

ネコは人間と違って、先天的に活性化しないAIMしか持っていないため、腎機能障害に陥りやすいというメカニズムも解明しました。そこで人為的に大量抽出したAIM製剤を開発し、それを猫に投与すれば腎不全の治療に画期的な効果を及ぼすことを確認しました。

問題はこのAIMタンパク質をいかに大量に純度良く製造するかです。この程度の大きさのタンパク質であれば化学合成も可能ですが、研究チームは体外で培養した細胞の培養液から抽出する生物学的な手法を選択しました。

この方法はいろいろなメリットはあるのですが、抗体医薬などと同様に効率的に大量生産するには、コスト面で高いハードルがあるようです。これは研究室で培養してきた細胞と比較すると、最大500倍という効率の良さで、かつ高純度のAIMが生成できる細胞を開発できたとしています。

研究チームは、全世界のネコが潜在的な患者になり、最終的にはヒトへの応用を見込んでいると話しています。

今後は農林水産省への薬事申請に向けて、薬剤の安全性や安定性を確認し、順調に行けば今年10~11月には第1号の治験原薬を完成させる予定です。その後、半年〜1年かけて臨床試験を行い、最短で2年後の商品化を見込んでいます。

一方、高齢猫に多く見られる体内の老廃物を排出できなくなる「慢性腎臓病」の進行を遅らせる抑制剤が昨年4月に発売されています。このようにネコの腎不全が改善されれば、ネコの寿命が2倍になるというのも夢ではなくなるのかもしれません。

外猫キツネを捕獲できました

2018-01-26 10:42:55 | 
久しぶりのネコの話ですが、昨年10月に外猫のキツネの話を書きました。

キツネは家の庭に他の外猫と一緒に住んでいたのですが、他のネコが死んでしまい庭からどこかに行って、一日1,2回餌を食べに来るだけになってしまいました。

家の庭で暮らしていたのも10年近くになりますので、もう相当歳も取っており家の中に入れたいといろいろやっていたのですが、人に飼われたことがないようですのでなかなか難しい状態でした。

前回書きましたように近所の黒猫に襲われますので、餌やりもかなり手間がかかっていました。知り合いの動物愛護の会の人から捕獲機を借り、かかりつけの獣医さんから大きな布製の網のようなものも借りて捕獲を試みていました。捕獲機には近所の家の茶猫や黒猫はかかるのですが、肝心のキツネは全く入りませんでした。

昨年暮れの30日に捕獲器を仕掛け、おとりの餌もそのままになっていましたが、何と1月2日の朝、外から猫の声が聞こえるので行って見ると待望のキツネが捕まっていました。

私の家には2階にネコ部屋があり、家猫と仲が悪い猫や一時預かる猫を入れてあり、現在は2匹いるのですがいきなりそこにキツネを入れるのは難しいだろうと、別な部屋に移しました。予想では暴れたり外に出たがったりすると思っていたのですが、おとなしくテーブルの下の隅で固まっていました。

食欲は旺盛で外にいたときと同じようによく食べ一安心です。問題はトイレでネコ砂を入れたトイレを置いていたのですが、1回その近くにした後は必ずトイレでするようになり、この辺りも猫の不思議なところです。

私が近づくとファーファー、シャーシャーと威嚇し、手を出そうするとネコパンチが飛んでくる状況でした。捕まえてから2,3日は時々鳴き声が聞こえていたのですが、その後は静かに寝ているようでした。

1週間ほどでかなり慣れてきたのですが、人が入ると威嚇の声もだんだん治まってきました。それでも触ろうとすると逃げるかネコパンチで、かみさんは無理に触ろうとして手が傷だらけになっています。

10日ほど経ったとき、家猫のコブンが一緒に入ってしまいました。すると机の下からコブンの近くに行き、なんとゴロゴロ言い出したのです。コブンは怖がっていましたが、その周りをキツネがうろうろして嬉しそうでした。こんなネコ好きな猫というのも始めて見ました。

この分なら元の住人と3匹でネコ部屋で過ごせそうです。近頃はやっと鼻を触ったりしても何もしなくなりましたので、時間をかけて人間にも慣れさせようと思っています。


家の外猫キツネの話

2017-10-02 10:39:41 | 
久しぶりにネコの話を書きますが、最後の外猫(家で餌をやっている野良猫)になりそうなキツネという猫の話です。

私の家では庭に住み着いている外猫が常時2,3匹はいたので、玄関前に寝床を作ってやったりしていました。そのため餌を出してある時間が長いため、通りすがりの野良猫が来たりと色々なネコが来ていました。

かなり昔の話ですが、サンボンというネコが庭に住んでいるとき、黄色いネコでやせ細っておりまるでキツネのようなネコが来ました。そのままそのネコはキツネという名前にしましたが、サンボンとすぐ仲良くなり、一緒に庭で暮らすようになったのです。

サンボンは野良猫といっても飼われたたことがあるようで、触ったりなぜたりすることができるのですが、キツネはそういう経験がないのか、触ろうとするとすぐ逃げてしまうネコでした。一時は白黒ブチのネコと3匹いましたので、車のボンネットやフロントガラスが猫の足跡だらけになっていました。

ところが白黒ブチは多分老衰のようでしたが、3年ほど前に亡くなってしまいました。その後キツネは余計サンボンにくっつき、発泡スチロールと段ボールで作った寝床は2つあるのに、一つの寝床に折り重なるように寝ていました。

ところがこのブログにも書きましたが、サンボンが悪性のコロナウイルスに感染し、肺水腫になってしまいました。もちろん何歳ぐらいかは分かりませんが、かなり歳をとっていたようです。何回か水を抜いたりしましたが、今年の1月亡くなってしまいました。

一人になったキツネはそれでも庭をうろうろしていたのですが、いわば用心棒がいなくなったことで新たな問題が発生しました。家から50メートルほど離れた家でネコを飼っているのですが(たぶん4匹)、その家もいろいろ事情があるようで昼間はネコを外に出していました。

サンボンがいる間はそのネコが家に来ることは無かったのですが、非常に怖そうな黒猫が家に来てキツネに襲い掛かるようになってしまったのです。そのうちキツネの姿が見えなくなってしまいました。散歩がてら家の周りを探したりしましたが、隠れているネコを見つけるのは難しいことです。

ところが数日後痩せてボロボロになった状態で現れました。このキツネ用にエアコンの室外機の上にエサ台を作り、窓からエサを出せるようにしました。すると毎日4時前後に食べに来るようになったのです。

ところが黒猫問題は片付いておらず、キツネが食べていると飛びかかりキツネの餌をとってしまうことが分かりました。そこで現在はキツネが来るとかみさんが餌をやり、私が外に出て黒猫を追い払うという面倒なことになっています。

なんとかキツネを捕まえて家に入れてしまおうとしていますが、知人や獣医さんから捕獲器具を借りているのですが、失敗が連続しています。かわいがることができない猫ですが、しばらくこの状態が続きそうです。


ネコの尻尾は何を伝える

2017-06-23 10:46:20 | 
ネコは時として謎の行動を起こすということで、ネコの行動についていろいろ解説した記事を見ました。

私の家にも4匹+αのネコがいますが、謎という程の行動ではないような気もします。基本的にネコというのは我儘で自分勝手な動物だと思っていますので、それほどネコの動きに注意することもありません。こういったネコはそれぞれ個性があり、様々な行動をしていますが、共通した性質があるのかもしれません。

この記事ではネコが寝転がって尻尾でトントン床をたたいているときは、全体的にはリラックスしているが、音や動きなど何かしら自分の周囲で起きていることに注意を払っているとしています。

尻尾を激しく振るのは、緊張の表れや攻撃の前触れで、あるいは触るなという意思表示のようです。しかし家の中のネコはあまり尻尾を激しく動かしているのを見たことありませんが、触ると怒るようなときは確かにあるようです。

落ち着いているネコが尻尾をまっすぐ上に伸ばして先端がかぎ状に曲がっているときは好意的な挨拶としています。しかし先端までピンと立てているときは攻撃的なときのようですので、なかなか難しいものです。

残念ながら家のネコたちは一匹は長いシッポなのですがもともと先端が曲がっていますし、2匹は尻尾の骨が複雑に折れ曲がっており、全体は奇妙な格好になっていますので、あまり役に立たないようです。

また尻尾を丸めて足の間に入れているときは、防御の姿勢というのは、けんかしているネコではよく見かける形です。ネコが突然走り出し家じゅうを駆け巡ることがありますが、これは「ズーミー」とよばれるもので、ネコの中に蓄積した不満や恐れなどが一気に噴き出したものと考えられるようです。

家でも階段を駆け上がり2階を一周して駆けおりてくることは時々やっていますが、これを「キャットハイ」と呼んでいます。しかしこれはトイレでの排泄の前後に起こるようで、別に不満があるためではないような気がします。一匹がこれをやりだすと、場合によってはつられて走り出すネコもいますので、単なる遊びの一種ではないかと思っています。

その他この記事ではこういった行動は、本来は獲物を刈るために使われていたはずの、行き場をなくしたエネルギーの発散だと推測しているようです。これ以外にも物を隠すネコの習性など解説していますが、もう人間に慣れ親しんで長いネコを、本来の習性から推測するのはやや無理があるような気がします。

家の中をうろうろしているネコが、いつの間にか近くに来て横になっているのを触る程度で、猫との付き合いは十分のような気がしています。