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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

猫のコロナウイルス感染症

2017-01-13 10:50:13 | 
昨年11月家の外猫のサンボンがコロナウイルスに感染し、胸水がたまってしまったことを書きました。

コロナウイル自体は非常にありふれたウイルスで、ほとんどの猫が感染するのですが、病原性はほとんどなく知らないうちに消えてしまうという経過をたどるようです。しかしこのウイルスが体内で突然変異を起こし、猫伝染性腹膜炎(FIP)という病気を発症することが、感染猫の5%程度に起きるようです。

この突然変異が何で起こるかはわかっていないようですが、猫側の要因とウイルス側の要因が関係していると言われています。猫側の要因としては、免疫システムがバランスを崩し、ウイルスに対して過剰なアレルギー反応を起こすことが発病につながっていると考えられています。

結局原因も不明で対症療法以外の治療法もないようです。発症した腹膜炎(サンボンの場合は胸膜炎)を抑えるためにステロイドを使ったり、免疫を上げるためのインターフェロンなどもあるようですが、根本的な治療にはならずほとんど死亡すると言われています。

家のサンボンですが、胸水を抜いてもらって楽になったのか若干食欲も出てきたようですが、それもほんの2,3日でまた食べなくなってしまいました。庭に段ボールと発泡スチロールの寝床が作ってあるのですが、一日中その中から動かなくなってしまいました。

12月になりまた獣医さんに連れて行って胸水を抜いてもらったのですが、300mlほど抜いてもあまり元気になりません。そのうち鼻がぐしゅぐしゅになり、どうも風邪をひいたようで、これは抗生物質を与えて治まりました。しかし気温もかなり下がってきて、外にいるのではなかなかめんどうも見られないということで、12月中旬に私が普段仕事をしている部屋に入れてやりました。

この頃になるとかみさんが色々なエサを買ってきて与えるのですが、ほとんど食べないようになってしまいました。当然ですがどんどんやせていき、触ってやっても骨が目立つようになりました。年末の獣医さんの最後の日に胸水を抜いてもらい、たぶんこれが最後の治療で、後は見守るだけとなりました。

何とかお正月を超しましたが、水も飲まなくなってしまいました。獣医さんに相談すると、脱水状態になるとかなり苦しいので、点滴セットを買ってきて、皮下点滴をやりましたがもうそれほど暴れることもありませんでした。

もう最後の様だと寝室に連れて行ったところ、気が付くと私のベッドに乗って寝ていました。歩くことするできないはずが、どこにそんな力が残っていたのか不思議です。次の日私がマリンバのレッスンから帰るのを待っていたかのように、静かに逝ってしまいました。

家の外猫の病気

2016-11-25 10:30:50 | 
私の家には餌だけやって、中に入れない外猫が何匹かいます。

野良猫といっても家で餌をやっていますので、実質的には飼い猫なのですが、普段は全く見かけないのですが、餌の時間になるとやってくる猫や、すっかり庭に住み着いて一日中庭にいる猫など様々です。

この庭に住み着いている猫のために、段ボールの中に発泡スチロールの箱を作り、冬用の寝床が作ってあります。ずいぶん前ですが、この寝床の中にタヌキが寝ていたことを、このブログにも書きました。

今はこの寝床の中で常に寝ているのは一匹だけとなっています。この猫はサンボンという名前がついていますが、7,8年前に近くの道路を後ろ足を引きずって歩いている猫をかみさんが見つけ、家で餌をやるようになったのが始まりです。

この時は獣医に連れて行ったりしませんでしたので、足がどうなっているのか分かりませんでしたが、割と早く普通に歩くようになりました。この猫は人に慣れていましたので、飼われていたのが捨てられたようですが、今ではすっかり庭が棲み家となっています。

サンボンはよく食べる猫で、かみさんもたっぷりエサを与えていましたので、7.5Kgの丸々太った猫になっています。それでももうかなりの歳になっているはずで、最近は寝床で丸まっていることが多いようです。

その何でも食べるサンボンの、食欲が落ちてきたとかみさんが言っていましたが、もう老衰の時期に入ったのだろうとあまり気にしていませんでした。ほとんど食べなくなって1週間目ぐらいに、このまま弱る前に一回獣医さんに見てもらうと言い出しました。私が見たところでは、まだ丸々と太っているし、あまり老衰の気配はない感じでしたので、近くの獣医さんに連れていきました。

獣医さんの診察でも熱もなく、触診などでも問題はなさそうでしたが、やや息が荒いということでX線を取ってみました。その結果なんと肺に水が溜まっていることが分かりました。このために呼吸が荒く食欲もなくなってしまったようです。

この日はちょっと用事があり、この胸水除去やその他の検査もしたいということで、そのまま入院させることにしました。次の日迎えに行って話を聞いたところ、たぶんコロナウイルスの感染だろうということで、現在このウイルス検査の結果待ちとなっています。この胸から抜いた水は、非常に粘度が高くかなりの量が出てきました。

このコロナウイルスというのは、普通にいるウイルスで、ほとんどの猫が一度は感染するようです。しかしそれほど毒性がなく、感染しても何の症状も出ないまま治ってしまうようです。しかし稀に突然変異で悪性化することがあり、腹水がたまったりサンボンのように胸水がたまったりするようです。

現在のサンボンは水がなくなったことで元気になり、食欲が出てきましたが、何しろウイルスですので治療法がなく対症療法をするだけですので、今後どういう展開になるのかやや心配しています。

猫の腎不全 原因解明

2016-10-15 10:33:27 | 
東京大学の研究チームが猫に腎不全が多い原因を解明したと発表しました。

猫の死因のトップは腎不全とされているものの、原因は不明で治療法も確立されていませんでした。私の家の猫たちもこの腎不全で亡くなっていますが、毎日見ていてもなかなかこの症状を見つけるのは難しいようです。

特に元気がなくなるわけではなく、やや水を飲む量が増えるとか食事量が減少してくることから始まるようです。私の家のように多頭飼いをしていると、個々の猫がどの程度食べているかなどなかなか把握できませんので、何となく痩せてきたというようなところまでいかないと発見することができません。

結局獣医さんに連れて行って、血液検査をして腎臓の数値が悪いということで初めてわかるわけです。現在のところでは効果のある治療はありませんので、腎不全が分かっても静脈点滴をしてもらう程度しかできません。それでも比較的早期であれば、こういった処置や食餌療法(腎臓病用の餌を売っています)で改善することもあるようです。

大部分は徐々に食べる量が減ってきて、かみさんは何か食べるものはないかと色々な種類を与えたりしたり、少しでも良くならないかと自宅で皮下点滴をしたりしますが、徐々に弱って死んでしまうというケースがほとんどです。

今回の研究チームの発表では、腎臓は血液中の老廃物をろ過して尿として排出する働きがある訳ですが、腎不全はこの機能が働かなくなるわけです。そうすると尿の通り道となる管内の細胞が死んではがれ、ごみとなってふさいでしまうことが原因となるようです。

ヒトやマウスでは、急性腎不全になった場合、血液中に浮遊しているタンパク質である「AIM」が活性化し、ごみの排除にかかわって腎機能を改善させる機能があるようですが、猫の場合はAIMが急性腎不全になっても働かないことを研究チームは発見しました。

ですから猫の場合は急性腎不全になると、そのまま慢性化してしまうことになるわけです。具体的なところはよくわかりませんが、研究チームではこのたんぱく質AIMの働きを利用した薬の開発がすすめられているようです。研究チームは「数年で猫の薬が使えるようになる見込みで、猫の寿命を大幅に伸ばせる可能性がる」としています。

この薬は猫だけではなく人間への応用も期待されているようですが、猫の薬の場合はそれほど規制も厳しくありませんので、一刻も早い実用化を望んでいます。

家猫たちと猫の入れ替え

2016-09-13 11:01:17 | 
このところ猫についての話題がほとんどありませんので、家の猫たちについては何回か取り上げましたが、家猫たちとの日常について書いてみます。

まず家猫は4匹おり、一応このブログですべて紹介したのですが、キジトラの大猫「キジタロー」と茶トラでお人よしの「コブン」、かなりのデブおばさんになった「クル」、家では一番若いのですがこのところやや太り気味の「ファーファ」がいます。

その他に隔離猫(一時中に入れた猫)が2匹います。こういう猫はノラネコに外で餌をやっているのですが、病気になったり、ほかの猫と喧嘩してけがをしたりすると、いったん捕まえて2階の1室をネコ部屋としてあり、そこに隔離しているわけです。

そのうち1匹が、ライオンのようなたてがみがあるのですが、がりがりにやせていた膀胱結石の猫で、家に入れたらどんどん太りだしたのですが名前は「ライオン丸」と、非常に色が薄くきれいな黄色の「レモン」の2匹です。こうした大人猫を家に入れると先住猫と仲良くならず、ネコ部屋に入れておくということになります。

しかし一日中この部屋だけというのもかわいそうなので、夜の10~11時ぐらいに、家猫たちを寝室にしまい、この二匹を自由にさせています。

この猫たちをしまうのが私の係りですが、寝室のドアは開けてありますので、大体「クル」は夕食を摂ると勝手に寝室に入り、私のベッドで寝ています。ですから居間のどこかで寝ている「キジタロー」を起こすと、ニャーニャー文句を言いながらも2階に上がっていき、寝室のかみさんのベッドで落ち着きます。

問題は「ファー」で気分によって寝室に入ったり、また下に逃げ出したりしてしまいます。ですから最近は居間で寝ているファーを抱き上げてから、キジタローを起こしそのままファーを入れることにしています。ファーは寝室の低いタンスの隅がお気に入りで、常にそこで寝ています。

さてこれでネコ部屋のドアを開けてやるのですが、2匹がすごい勢いで飛び出し、居間まで駆けおりるのですが、居間では特に何をするわけでもなくうろうろしているだけですが、部屋の外に出るのは嬉しいようです。

なおコブンはお人よしですので、この2匹とも仲が良く出てきても一緒にうろうろしています。私は大体この状態でコブンを連れて寝てしまいますが、2時間程度でかみさんがまたネコ部屋にしまうようです。

以上が私の家では日課となっている猫の交換作業ですが、キジタローが寝室から出てしまい、大げんかになることもごく稀に起きたりしています。

追悼 黒猫ベーラ

2016-04-05 10:45:06 | 
前回家の黒猫ベーラについて、呼吸が苦しそうになり、X線の結果気管のちょうど声帯の辺りにふくらみがあることが分かり、麻酔をかけて取り除く手術をしたことを書きました。

手術前の一週間ほどはほとんど何も食べられず、本当に苦しそうでしたが、手術してかなり楽になったのか餌も食べるようになりました。相変わらず呼吸音はキューキュー鳴っていましたが、舌を出すこともなくネコ部屋で静かにしていました。

ところがこの状態も本当に2日ほどで、状態は変わらないようでしたが、またエサを食べなくなってしまいました。かみさんが色々なエサや猫用スープなど買ってきて与えましたが、ほんのわずか食べるだけでした。

私の感じでは、手術で腫瘍?を取ったといっても、きれいに切除したわけではなく、つかんでちぎり取ったので、当然その傷が腫れて治るまで一週間程度はかかると思っていました。その腫れが治まれば、呼吸も楽になるだろうという判断でした。

ところが7日たっても良くなるどころか、やや悪化していきました。また獣医の酸素室に入れるのは、ベーラにもストレスがかかり、あまりにもかわいそうです。そこで獣医と相談したところ、家庭用の小型酸素箱のレンタル業者を紹介してくれました。すぐに電話して持ってきてもらったところ、ややうるさい酸素濃縮器とプラスチック製のチャンバーでした。

これを設置し、ベーラには十分大きな箱の中に、いつも寝ている寝床を入れてやると、落ち着いて休むようになりました。しかしここで悲しい連絡が入りました。生検に出していたベーラの組織が、扁平上皮癌でしかもステージ4の進行ガンでした。

酸素箱に入ってからベーラは落ち着いていましたが、一日に2回ぐらいドアを開け外に出していました。前日の夜までは、部屋から出て階段を降りたりしていたのですが、昼には箱の外に出てすぐにうずくまり、舌を出してあえぎ始めたのです。すぐまた酸素箱に入れ、30分ほどで落ち着いたのですが、本当に苦しそうで、ついに決断の時が来たと感じました。

ベーラがガンだと分かった時先生と話した中の選択肢に「安楽死」がありました。今の私にはベーラがどんなに苦しんでも、何もしてやることができません。ガンが気道をふさぎ、窒息するのを見ているしかありません。その日が明日なのか一週間後なのかはわかりませんが、確実に進行しているようです。酸素室の中で落ち着いている、今がその時と決断し獣医さんにお願いしました。

ベーラはちょうど良い段ボールの中で、名前の通り「美しい」真っ黒な体で横たわっています。