田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

ひな祭りのころー旧八女往還の表情(中)

2022年07月27日 | 日々の出来事

 さらに東へ歩きます。道がカーブしているのは城下町によくある桝形の跡です。白い水引暖簾が掛かった建物は福島酒造という造り酒屋でした。いまはリノベーションされて古民家ホテルとレストランになっています。各地で古民家や歴史的建築物をホテルなどに再生する事例が増えていて、この造り酒屋もそうした企業が手掛けています。

 古民家ホテルの脇に気になる横道がありました。私は子どものころから、こういう小道があるとついふらふらと入り込んでしまいます。

 煉瓦で線が引かれており、先ほどの酒造会社の名前でこれより先は製造所という貼り紙がしてありました。でも酒蔵にしては建物の様子が違います。昔、小学校の帰りに道草をしてあきず眺めていた製材所のような雰囲気です。トタン葺きの大屋根は昭和の匂いがします。一方、同じ敷地の古民家ホテルの裏庭からは賑やかな声が聞こえてきます。

 往還沿いの仏壇店。2階は硝子戸に高欄。

 仏壇店の前にある旧家が一般に開放されていました。いまは市の所有だそうです。漆喰塀の向こうには城堀の跡をとどめる水路が流れています。

 こんにゃくと、ところてんの店。

 蒲鉾の製造工場。大きな建物です。

 こちらは別の蒲鉾店。現役で蒲鉾を製造販売しています。昔の結婚式の引き出物に使うような商品見本が置かれています。

 お婆さんが座っていそうな煙草店。ショーケースには「バット」や「憩」という昔の銘柄の文字。

 ほかの町でも同じような光景が見られます。家庭の出窓を置物で飾るような感覚でしょうか。でもジュースの空き瓶にどういう意味があるのか。

 関係ありませんが、こちらはフロントガラス越しのミニカー。

 八女というと、八女茶を外すわけにはいきません。この店は江戸時代に創業した八女茶の老舗。明治期に当主がこの地方のお茶に八女茶というブランド名を付けたそうです。

 この写真は2月ではなく、数日前に来た時の写真です。左が先ほどの茶商です。青い暖簾が赤暖簾に変わっていました。この日は右端の町家に入居している本屋に来ました。本屋とはいっても壁一面に書籍を並べただけです。店主の好みで選書し、自分が決めたテーマごとに本を陳列する。こうした個性を主張する書店を時々見かけます。小さめの店舗に喫茶コーナーがあったり雑貨を並べたり。店によってはイベントスペースも。

 往還の東の突き当りは福島八幡宮です。

 境内では雛供養が斎行されていました。この場所で毎年の秋祭に八女福島灯籠人形が奉納されます。こちらをクリックすると以前紹介した記事が出て来ます。

 往還は八幡宮の前から北へと方向転換します。

 八女には時どき来ていますが、来るたびに少しずつ表情が変わっています。若い人たちの感性と古めかしい建物とは意外と馬が合うのかもしれません。

 

 

 

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