HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

ツバキ3 ワビスケ

2012-01-07 | 冬 赤・桃色系

ヤブツバキ
そろそろサザンカが花弁を撒き散らして、その後に公園のヤブツバキが咲き始めている。
サザンカもツバキも似たようなもの、早く咲くか遅れて咲くかの違い…と言い切る方も多い。
サザンカ、カンツバキ、ヤブツバキ、ユキツバキ、ハルサザンカ…。
おまけに交雑種をもとに幾つもの園芸栽培種が作りだされているし
思い入れのある凝った名前がつけられている。
だから、花の前ではいつも『名札がほしい…』の声が聞こえる。

 
ヤブツバキ(藪椿)
ツバキ科ツバキ属 Camellia japonica

ワビスケ
かつて「ワビスケはツバキとチャとの交配種」説が唱えられ
今もそう思い込まれている方も多いが、この説は現在では支持されていない。
茶の葉に含まれるカフェインやテアニンが
ワビスケの葉からは検出されない…というのがその根拠。
交配種ではいずれかの特徴は当然出る筈だし
葉にカフェイン成分が含まれるツバキとチャの交配種も存在するそうだけれど
それを「ワビスケ」とは呼ばないそうだ。
幾つかの系統を厳密に守り続けたものだけに
ワビスケの名が充てられている。

昔から知られていた説の幾つかは
科学的根拠のないものも含まれているのだろうけれど
一般に流布しているものが覆るには時間もかかることだろう。
花のルーツにも次々と新説が登場しているし
違っていたとしても日常には何の支障もない。

植物学的には雄しべの先にある葯が退化しているので
見た目でも葯が不完全な色だったり、花糸が不完全だったりする。
当然だけれど、果実は出来ない。

 
「ヤブツバキ」と比べると、雄しべの葯が白い。
つまりは、花粉が不完全だと言う証左だろう。
これがワビスケ系の雄しべの特徴だとされている。
学名として、ヤブツバキの園芸種とする説(Camellia japonica 'Wabisuke' )と
ツバキの一品種とする説(Camellia wabisuke cv.)がある。
Ylistに拠れば、
Camellia wabisuke(Makino)Kitam. var. campanulata(Makino)Kitam. f. bicolor(Makino)Kitam. がワビスケの標準、
Camellia wabisuke(Makino)Kitam. var. bicolor(Makino)Kitam.を異名としている。
(2012.01.05 明石公園・大明石町
ツバキ1 ツバキ2
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