
いよいよツツジ。
ありふれていますね…と言いながら、ありふれているヒラドツツジを見て通り過ぎる。
オオムラサキと呼ぶ人もいる。
我が家のヒラドツツジは、基本は赤紫、桃色、白色の3色だが、白に赤紫が混じって
幾つもの花弁の種類が出てくる。
寄せ植えで咲いているのだから自然に交雑するのだろうし、色とりどりで良いですね…となっている。
▲ 平戸躑躅は5数性の花。おしべは長短各5本、めしべはおしべより長く1本、柱頭は5裂。▼
▲ ヒラドツツジにもよく花弁化したおしべが見つかる。
花の構成遺伝子要素の一部が欠損している証左。▼
▲ おしべの先端部分(つまり、葯・花粉袋)、幾つかの花では左右二つに割れて花粉が出てくるのをよく見かける。
ツツジでは、おしべの先端部分に穴が開いたように見え、花粉が出てくる。▼
(2021.04.23 林)
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花は撮り飽きた?から蝶、それでも追いかけてまでは撮りたくないからこの程度の蝶。
ヒラドツツジ(平戸躑躅) ツツジ科ツツジ属 Rhododendron × pulchrum
(2021.04.27 西新町)
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白い花弁に幾つもの赤紫の斑や筋、紋様に目を奪われていると見逃すのが蜜標。
昆虫を呼び寄せる為の模様で蜜の在処を虫たちに教える役割をしている。
花弁の色で蜜標の色も違っている。
▲ 躑躅の蜜標とおしべの位置 ▲
▲ ヒラドツツジの細部 めしべの柱頭とおしべの葯 下はおしべの花糸に見える細かな毛、めしべには無い。▲
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【ヒラドツツジ、クルメツツジ】
九州・平戸で多くが作出されたことで名前が冠されている大型の躑躅。
奄美の慶良間躑躅(Rhododendron scabrum)と琉球躑躅(Rhododendron x mucronatum)
慶良間躑躅と霧島躑躅(Rhododendron obtusum var. obtusum)
慶良間躑躅と黐躑躅(Rhododendron macrosepalum)の自然交雑種などを
親として交配した園芸種の総称名と解説されている。
小型のキリシマツツジより少し大きめの花をつける久留米躑躅も久留米で作出された園芸種の総称として出回っている。
平戸系と久留米系の交配も当然あるのだろう。
かように幾つもの作出された躑躅がそれぞれに品種名などをつけられているので名前の特定は至難だと感じる。
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ヒラドツツジ 三色 ヒラドツツジ ヒラドツツジ ダブル
クルメツツジ 不詳
今年はツツジがと~っても美しいと感じました。
そして雄しべや雌しべをはじめ色々と知らないところがたくさんあることに気がつきました。
またいろ~んなことを知ることができてとても嬉しいです。
ありがとうございます。
花の少ない冬ならいざ知らず、近場でも花は咲いているし
一つの花だけではなくて、あれもこれもと撮る人には確かに遠出できない…が
一つの言い訳になるのでしょう。
花は勝手に咲いているので、自分の範囲で撮れば何でもネタになる。
ありふれたヒラドツツジでも、見どころ満載、と思っています。